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フリースクールの問題点は?不登校児が後悔しないためにデメリットを調査!

不登校

2023/05/16

お子さまが不登校になった際の対応の一つとして、フリースクールの利用を検討されている保護者様は多いのではないでしょうか。

しかし、フリースクールの特徴や問題点については、なかなか詳細に知らないものですよね。

 

そこで今回は、フリースクールの特徴や問題点をはじめ、不登校のお子さまが後悔しないためのフリースクール選びについて詳しく解説します。

フリースクールってどんなところ?

フリースクールの存在は知っていても、実際にはどのような場所なのか詳しく知らない方は多いのではないでしょうか。

 

フリースクールとは、主に不登校の小学生~高校生が勉強したり友人と過ごしたりする“居場所”です。不登校児のほか、発達障がいを持つお子さまをメインに受け入れている施設もあります。

文部科学省が2015年に実施した調査によると、フリースクールは全国に474ヵ所存在することが明らかになっています。

 

フリースクールは、国が運営する公的機関ではなく、個人・民間企業・NPO法人が運営していることが特徴で、規模や活動内容、特徴は施設によってさまざまです。

「スクール」という名前から通常の学校を連想してしまうかもしれませんが、入学試験や特定のカリキュラムが存在しないため、多くの方が知る「学校」とは少し雰囲気が異なります。

フリースクールの特徴やメリット

フリースクールならではの特徴や、フリースクールを利用するメリットは何でしょうか。

ここでは、不登校児にとって魅力的なフリースクールの特徴やメリットについてご紹介します。

①カウンセリングが受けられる

多くのフリースクールでは、お子さまが相談やカウンセリングを受けやすい体制が整っています

学校でもスクールカウンセラーに相談することは可能ですが、公立学校の場合、スクールカウンセラーの来校頻度は月2~4回程度であるケースが多く、継続した相談が難しいのが現状です。また、そもそも不登校である場合は、スクールカウンセラーと繋がること自体が難しいケースもあります。

しかし、フリースクールの中には、カウンセラーが常駐している施設もあるため、気軽に利用することができます。お子さまだけでなく、保護者様も悩みをすぐに聴いてもらえる環境があるのはメリットと言えるでしょう。

②学校に登校しなくてよい

小・中学生のお子さまは義務教育期間中であるため、登校しているかどうかにかかわらず校区の学校に籍がある状態です。この場合、フリースクールは「学校に籍を置いたまま、学校を休んでフリースクールを利用する」という扱いになります。

しかし、在籍している学校の校長が認めた場合、フリースクールの利用を学校への出席と同等に扱ってもらえることがあります

 

つまり、学校に登校しなくても学校に出席しているとみなされるのです。

高校に進学する際には、出席日数を確認されることがありますが、不登校で出席日数を確保できないお子さまは大いに助かりますよね。

③仲間が見つけやすい

フリースクールを利用しているお子さまは、さまざまな事情で学校に通えず不登校であることがほとんどです。

不登校に至った経緯や背景は違えど、不登校ならではの悩みや不安をお互いに理解しやすいという点で、お子さま同士の仲が深まりやすいと言えるでしょう。

 

不登校になるとどうしても家にこもりがちで、家族以外との交流が乏しくなってしまいますよね。そんなときこそフリースクールで仲間に出会えることが、お子さまが他者と交流するきっかけとなります。

④居場所ができる

上記のようにフリースクールで仲間が見つかり積極的に通えるようになると、フリースクールを“居場所”だと感じることができるでしょう。

 

不登校でフリースクールを利用することになったお子さまは、学校を居場所だと感じられなかった、学校に自分の居場所を見つけられなかったというケースがほとんどです。

そのようなお子さまがフリースクールを自分の居場所だと感じ、自分らしく振る舞いながら生活できるようになると、自信を取り戻すきっかけに繋がります。自分に自信が持てるようになると、その後の学校復帰や進路選択などに意欲的に取り組みやすくなります。

⑤自分のペースで通える

不登校のお子さまにとって、いきなり毎日フリースクールに通うというのはかなり負担の大きいものです。しかし、フリースクールは決められた出席日数やカリキュラムなどがないため、毎日通う必要はありません。

仮に、フリースクールが毎日通わないといけないものだとお子さまにプレッシャーを与えるだけになってしまいますし、「自分のペースで通える」という状況に安心感を得られるお子さまも多いのではないでしょうか。

 

また、心身の不調などさまざまな原因によって朝起きられないことをきっかけに不登校になった、というお子さまもいますよね。そのようなお子さまにとっても、自分のペースで少しずつ通えるという安心感は計り知れませんし、社会復帰の練習にもなります。

⑥自分のペースで学習できる

通学のペース同様、フリースクールではお子さまそれぞれの特性やペースに合わせて学習をすることができます

スタッフや職員が個別でサポートにあたってくれるので、お子さまは周りのペースを気にしたりプレッシャーを感じたりすることなく学習に専念できます。

 

特に、不登校期間の長かったお子さまは学習の遅れに不安を抱いていることもありますよね。そのようなお子さまも、個別での学習指導であれば現在の学年に関係なく躓いている部分から復習をすることが可能です。これは、「自宅で一人で」ではなかなか難しいものですよね。

フリースクールの問題点やデメリット

メリットばかりに思えるフリースクールですが、問題点やデメリットも存在します。フリースクールの利用を検討する際には、問題点やデメリットまできちんと知っておきたいですよね。

ここでは、主なフリースクールの問題点についてご紹介します。

①料金がかかる

フリースクールの利用には、料金がかかります。これは、フリースクールを運営しているのが国や自治体ではなく、個人や民間企業であるという理由からです。

 

料金は施設によって非常にさまざまですが、平均月額料金はおおよそ33,000円とされています。なお、月額料金以外にも入会金や徴収金が必要なフリースクールもあります。

さらに、高校生の場合は就学支援制度が利用できないため、全額が自己負担となります。

公立小学校・中学校に通っている間は必要なかった料金が必要になるため、フリースクールの利用が容易かどうかはご家庭によって異なりますよね。

②出席扱いになるとは限らない

前項【フリースクールの特徴やメリット】では、フリースクールの利用が学校への出席と同等に扱われるケースがあることについて紹介しました。

しかしこれは「必ず」ではなく、出席扱いとするためには、

  1. フリースクールでの活動が文部科学省の要件を満たしている
  2. 校長先生の許可が下りている

 

といった2点の条件を満たさなければなりません。

 

将来的に高校受験などを見据えるのであれば、出席扱いを望むお子さまは多いでしょう。

フリースクール利用前に、一度制度について問い合わせてみることをおすすめします。

③学習レベルが低いことがある

フリースクールの活動内容や狙いは、施設によってさまざまです。

学習に重きを置いている施設のほか、お子さまの主体性を育むことに重点を置いている施設もあります。

 

そもそも、フリースクールには学習指導要領(国が定めた学校の授業のガイドライン)が存在しないため、学習レベルは各施設に委ねられています。

学校に通っていれば本来習うはずだった内容が取り扱われないこともあるため、学習進度やレベルにおいて学校とは異なる場合があります。

④社会性が学びにくい

フリースクールで何よりも大切にされていることは、お子さまの主体性を育むことです。

通学ペースや学習ペースなど、お子さまが自分で選択・決定し、それを否定されることは基本的にありません。

 

我慢が必要ないと言える反面、その考え方のまま社会に出てしまうと、社会性の面で躓いてしまう可能性があります。

⑤高校卒業資格が得られない

高校生のお子さまや、年齢的には高校に通っていてもおかしくないお子さまの場合、フリースクールの利用で高校卒業資格が得られるのか気になるところですよね。

しかし、フリースクールは学校機関という扱いではないため、高校卒業資格を得ることができませんつまり、学歴や不登校後の人生のために「高卒」となるには、フリースクールの利用だけでは不十分なのです。

 

高校卒業と同等の資格を得るためには、フリースクールと並行して通信制高校に通ったり、高卒認定試験を受けたりする必要があります。

⑥フリースクール自体の数が少ない

フリースクールは、まだまだ数が少ないのが現状です。

地方であればそれは顕著で、不登校によってフリースクールを利用したいと思っても、自宅付近に存在しないことも珍しくありません。

フリースクールで後悔や失敗をしないためのチェックポイント

学校に行けないという傷つき体験をしたお子さまが、フリースクールでも居場所を得られないと、再び傷ついてしまうことが予想されます。

ここではお子さまがフリースクールに通うにあたり、後悔や失敗をできる限り回避するためのチェックポイントについてご紹介します。

①自宅からの距離

フリースクールに通うことが決まっても、極端に遠かったり交通機関を何度も乗り継ぐ必要があったりするとお子さまの負担になってしまいます。保護者様が送迎される場合でも、通う日数が増えるほど保護者様の負担が増えてしまうでしょう。

フリースクールを選ぶ際は、距離やアクセス方法についても事前にチェックしておけるとよいですね。

②出席扱い制度の有無

フリースクールは、これまで何度かご紹介してきた出席扱い制度が利用できそうか確認してから通うことをおすすめします利用前に知ることは難しいかもしれませんが、籍のある学校の先生に問い合わせてみるのも一つの手です。

 

フリースクールの利用が出席扱いになるかどうかは、お子さまのモチベーションに関わることはもちろん、その後の進路選択の幅が広がる上でも重要です。

出席扱い制度については、ICT等を活用した家庭学習を行った場合で認められており、近年利用者も急激に増えています。以下の記事で詳しく解説しているので併せてご確認ください。

参考記事:不登校生が出席扱い制度を利用すると内申点はどうなる?メリットについて徹底解説します!

③サポート体制の内容

フリースクール利用中のトラブルや悩み事について、どのようにサポートしてもらえるのか事前に情報を集めておけるとよいですね。

相談体制が充実しているという環境は、お子さまにとってよいだけでなく、保護者様の安心感にも繋がります。

④資格取得制度の有無

勇気を出してフリースクールに通うのであれば、その中で何らかの資格やスキルを得られると不登校後の人生に大いに役立つでしょう。

資格やスキルは、進学や就職に役立つだけでなく、お子さまの自信にも繋がります。利用を検討しているフリースクールではどのような資格取得をサポートしてもらえるのか、お子さまとチェックしてみてください。

⑤子どもとの相性

不登校のお子さまがフリースクールを新たな居場所だと感じるためには、お子さまとそのフリースクールの相性が何よりも大切です。

フリースクール自体の雰囲気のほか、活動内容はお子さまの希望に合っているものなのか、よく確認しておけるとよいですね。

利用前にお子さまと見学することも可能ですし、実際に足を運んで利用を検討することをおすすめします。

フリースクールに通えないときは?

これまでご紹介してきたフリースクールの問題点やデメリットから、利用は難しいと感じるお子さま・保護者様もおられることでしょう。

 

しかし、フリースクールに通えなくても、近年は自宅で学習できるオンライン教材も充実していますし、学習するための選択肢の幅は広がっています。

特に、不登校のお子さま向けに出席扱いの制度があるサービスを利用すれば、学習の遅れを取り戻したり出席日数を確保したりという点で、フリースクールの利用と同等のメリットを感じることができます。

 

小・中学生を対象としたサブスタもその一つで、不登校のお子さまも安心して利用することができます。

 

自宅学習であれば通学距離などを気にする必要もありませんし、多くの場合、フリースクール利用よりも安価で済むことも特徴です。

不登校=フリースクールと決めつけるのではなく、さまざまな選択肢を探ってみるとよいでしょう。

まとめ

今回は、フリースクールのメリットや特徴のほか、問題点やデメリットまで幅広くご紹介しました。

さまざまな特徴を加味した上で、お子さまに合ったフリースクールを利用したりその他の道を検討できたりするとよいですね。