
学習コラム
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不登校の回復期は、お子さまにとっても保護者様にとっても大切な時期です。
なぜなら、この時期にしっかりエネルギーを貯めると、自己肯定感が育まれ自立の道が開かれるからです。
お子さまには、動き始めようとする気持ちと、まだ失敗を恐れる気持ちがありますので、保護者さまは焦らずペースを崩さないように気をつけなければなりません。
今回は、不登校の回復期に親子にとって大切な2つのポイントを解説します。
回復期こそ時間をかける
回復期のお子さまは、不登校の最初のころに比べると、ずいぶん落ち着いてきているように見えます。しかし、まだデリケートな時期なので注意は必要です。不安と心配で押しつぶされそうだった保護者様の心も、徐々に軽くなってきているのではないでしょうか。
心と身体が元気になっても、動き始めるタイミングは人それぞれです。回復期は時間がかかるものと思って焦らず過ごしましょう。
親の焦りは禁物
お子さまが少し元気になった様子を見ると、学校へ行って欲しい、勉強して欲しいという期待が高まります。しかし、保護者様が焦ってはいけません。
今まで、お子さまのペースを尊重して急かさないように気をつけてきても、この時期に保護者様が焦ってしまうと、お子さまの心の負担は大きくなってしまいます。
元気になったように見えても、まだ外に出る準備ができていません。保護者様は過度に期待して先回りしないようにしましょう。
動き出そうとする気持ちは受け止めて、常に共感し関心を向けておくことです。
子どもの話をじっくり聴く
回復期には、お子さまからポジティブな発言が出てくるようになります。少しずつエネルギーが貯まり、動き始めたい気持ちが出てきたからでしょう。不登校になりはじめたころ、お子さまは自分の意見を言えなかったと思いませんか。
少し先の進路のことや、将来の話をしはじめるということは、保護者様を信頼して心を開いてきたからです。寄り添える環境作りを心がけると、親子のコミュニケーションは必ず増えていくはずです。
お子さまから話しかけてきたときは、しっかり耳を傾け、聴いてあげてください。いつも味方であると伝わるような態度で、否定せず最後まで話を聴くと、自己肯定感が育まれていきます。
将来を考える
心の状態が元気になってくるこの時期は、お子さまが少しずつ将来について考えはじめる時期でもあります。前向きになってくる時期とはいえ、まだ不安な気持ちも持っているでしょう。
不登校の時期があっても、将来の選択肢はいくつもあると伝え、お子様と一緒に進路を考えてみるのもいいかもしれません。
しかし、気をつけなければならないのは、保護者様がお子さまの行動を急かしたり、自分の望む方向へいくようにコントロールしないことです。
逆戻りも想定内
お子さまの気持ちが前向きになっても、失敗を恐れる気持ちは持っています。
勇気を出して一歩踏み出したと思ったら、すぐにまた戻って落ち込むのは想定内です。
前に進んだり、後ろに下がったり、気持ちの上下を繰り返しながら成長していくので、お子さまの落ち込んだ姿を見ても、保護者様は不安になる必要はありません。回復期に、逆戻りを何度か繰り返すのはよくあることです。
家が安心安全の場所になり、いつでも自分を受け止めてくれる人がいると解ると、お子さまの不安は少しずつ消えていきます。戻れる場所があるから、勇気を出して一歩踏み出せるのです。
保護者様は、お子さまが自信をなくして戻ってくる度に受け止め、気持ちに共感して、立ち上がるサポートすれば大丈夫です。
親が自分軸で生きる
「子どもが不登校なので、しんどい」「家族が自分の気持ちをわかってくれないから、辛い」と、常に誰かから影響を受けて自分の状況を見ていませんか?そのような気持ちでは、これから先は何も変わりません。
「どうしたら状況が変わるのか」「自分に何ができるのか」と、自分の中の原因を考えると状況はずいぶん変わってくるものです。
ここでは、どうしたら他人の影響を受けすぎずに自分軸で生きていけるか、自分の人生をよりよくしていくための大切なポイントを伝えていきます。
心の境界線を引く
保護者様は、不登校のお子さまと自分を分けて考えるように意識するといいでしょう。
不登校の回復期から前に進むのはお子さまの課題です。なんとかしてあげよう、とお子さまの領域に入り込み過ぎるのは過干渉です。相手の立場になり共感することは大切ですが、適切な距離を保ち、領域に入り込み過ぎないようにしなければなりません。
不登校の回復期こそ、余計な口出しはせずお子さまを見守り、心の境界線を引くことが大切です。
執着を手放す
お子さまが不登校になったとき、周りの目を気にして他人がどう思っているのか気になりませんでしたか。不登校の悩みがストレスになっている保護者様は多いと思います。では、ストレスや悩みを手放すにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、自分の考えを大切にして物事を判断することです。周りの目を気にせず自分で判断し選択すると、たとえ思い通りの結果にならなくても、自分の決断に納得するでしょう。
他人がどう思うか、普通からはみ出していないか、今の時代に合わない価値観など、深く思い込んでいる執着を手放すことでストレスは軽減されます。まず、保護者様が悩みやストレスを手放して柔らかい表情になれば、回復期にいるお子さまも安心して、自分で判断し選択する人生を歩めるのではないでしょうか。
自分の機嫌をとる
不登校のお子さまにイライラしたり、家族に当たり散らしたり、怒りや悲しみの感情を引きずってしまうことはありませんか。
ネガティブな感情は、誰かになんとかしてもらうものではありません。自分で自分の機嫌を取り、気持ちを切り替えて行動すると、穏やかに過ごせるようになります。
その方法は、自分の好きなことをして過ごす習慣をつけることです。行動することで、気持ちを切り替えることができます。
また、家族や自分のいいところや、今あるものを見つける習慣をつけるのもいいでしょう。あれもない、これもないという思考から、今あるものを見つけるとポジティブな気持ちが生まれます。
不登校のお子さまに対しても、いいところを見つけて言語化すると、自己肯定感が育まれていくでしょう。
子どもの未来を信じる
どんな子供にも未来を切り開く力があります。不登校の回復期は、未来を切り開いて徐々に前に進もうとしている時期です。
不登校になり始めたころのように、お子さまを常に心配するのではなく、しっかり自分の足で歩いていけるということを信じてあげてください。何があっても大丈夫と保護者様が心から思うと、勇気を持って歩き始めます。
お子さまは日々成長し、自分で解決する能力を身につけています。お子さまを信じて、保護者様は自分の人生を楽しみましょう。
不登校のお子さまを持つ保護者様の特長は、以下の記事で詳しく解説をしていますので併せてお読みください。
まとめ
- 回復期こそ時間をかける
- 親が自分軸で生きる
不登校の回復期に大切な2つのポイントを解説しました。回復期は、お子さまにとって自己肯定感を高める大切な時期です。
また、保護者様にとっても自分の人生をよりよくしていく時間と言えるでしょう。回復期を焦らずしっかりサポートすることでお子さまの自立の道は開けます。
未来を切り開く力を信じて、ゆっくり回復期を過ごしましょう。