学習コラム
正しく学ぶ方法や成績の伸ばし方、
不登校に悩まれている方のための
情報を発信しています。
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近年、不登校の児童生徒は増加の傾向にあり、子どもたちが抱えている悩みもさまざまです。不登校にはいくつかのタイプがあり、どのようなタイプの不登校かわかれば、共感のポイントが見つかり適切な対応ができます。
保護者様やまわりの方々が、お子さまの不登校のタイプを理解して適切な対応をすれば、不登校解決の近道になるかもしれません。
この記事では、不登校のお子さまへの対応の仕方に悩んでいる保護者様のために、不登校のタイプと正しい対応の仕方について解説します。また、どのタイプの不登校にも共通した根本原因についても説明します。
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もくじ
文部科学省は「不登校」を以下のように定義しています。
「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
令和4年度の不登校に関する調査結果によると、小中学校における不登校の児童生徒数は34万人を超えました。これまでも増加傾向にあった小中学校の不登校は、近年のコロナ禍による学校生活の制約なども影響し、ますます増え続けています。
参考:令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
年々増加している不登校児童生徒は、さまざまな要因から学校へ行けなくなっています。ストレスを受けやすいタイプのお子さまもいれば、そうでないお子さまもいるように、お子さま自身の性格や持って生まれた性質により、不登校のタイプはそれぞれ異なるでしょう。
ここでは、6つの不登校のタイプを詳しく説明するとともに、それぞれの正しい対応の仕方について解説していきます。
しかし、これからお伝えする不登校のタイプや対応の仕方は、すべての不登校のお子さまに当てはまるわけではありません。お子さまの様子を見ながら、以下に説明する6つのタイプを参考にしてください。
小学校低学年に多く見られるのが「母子分離不安」です。子どもが親と離れることに対して不安や恐怖を感じるタイプをいいます。不安や恐怖が過剰になりすぎると、身体的あるいは精神的症状を引き起こす場合があるでしょう。
不安感から不登校になるタイプには、以下の特徴があります。
「親の期待通りにうまくできない自分は、見捨てられるかもしれない」という不安や「どうして自分は友達と同じようにできないのだろう」と、劣等感を抱いている場合もあります。
不安感から不登校になるタイプのお子さまの対応の仕方として、以下の方法があります。
突き放したり、無理に離れようとしたりすると、お子さまはますます自信をなくしてしまいます。保護者様から離れられない不安を甘えととらえず、お子さまができている部分を認め、励ますような声かけを心がけてください。
親子の距離を縮めて気持ちを安心させてあげるようにすれば、お子さまの情緒は落ち着いてくるでしょう。不安が軽くなってきた様子がみられたら、短時間の登校から始めて、学校で過ごす時間を段階的に増やしていくといいかもしれません。
母子分離不安型の不登校については下記の記事で取り上げていますので併せてご確認ください。
▶ 不登校の母子分離不安タイプとは?中学生で起こる場合や対応について解説
勉強も運動も真面目に取り組む優等生が、がんばりすぎた結果、息切れや挫折をきっかけに学校へ行けなくなるタイプです。まわりの期待に過剰に反応して、疲れ切った状態といえるでしょう。
がんばりすぎから不登校になるタイプには、以下の特徴があります。
これまで休むことなく登校していたのに、ある日突然学校へ行けなくなるという特徴があります。すべてにおいて完璧である状態を求める傾向が強いため、体調が悪くても遅刻や早退を嫌がる場合があるでしょう。
また、学年があがるにつれて、授業の内容が難しくなり学習面でつまづいて気力を失うケースもあります。宿題ができないなどをきっかけに、学校へ行けなくなるお子さまもいるでしょう。
「学校へ行かなくてはいけない」という思いが強く、休むことに罪悪感を持っている状態です。罪悪感から自分のからに閉じこもり、家族との交流も避ける場合があります。本人の不安や焦りが強ければ、家族に不満をぶつけることもあるでしょう。対応の仕方によっては、不登校が長引いてしまうケースも少なくありません。
がんばりすぎから不登校になるタイプのお子さまの対応の仕方として、以下の方法があります。
まずは、これまで頑張ってきたお子さまを労い認めてあげましょう。学校へ行かない罪悪感を緩める声かけも大切です。
家庭が安心安全の場所になり、家族が自分を認めてくれていると感じられると、不登校に対する罪悪感は減っていきます。お子さまが主体的に動き出したら、学習面と生活面のサポートをしていきましょう。
家庭環境の変化や、進学による環境の変化が要因になり学校へ行けなくなるタイプです。
両親の別居や離婚、それにともなう引越しなどの環境変化は、保護者様の想像以上にお子さまにとっては大きなストレスです。
環境変化から不登校になるタイプには、以下の特徴があります。
子どもは、親の言葉ではなく態度や様子をみて状況を判断します。親の不安を子どもは敏感に感じ取り、親を心配するとともに自分の将来についても不安を抱えてしまうでしょう。
このような状態では、家が安心安全の場所になっていないので、お子さまのエネルギーが貯まることはありません。
家庭環境の変化から不登校になるタイプのお子さまの対応の仕方として、以下の方法があります。
対応の仕方としては、体調不良を訴えたり朝起きられない様子が見られたりする場合は、無理に学校へは行かせずゆっくり休ませてあげましょう。
親の都合による別居や、それにともなう引越しをしなければならない場合は、お子さまの心のケアを丁寧に行わなければなりません。
いじめなどの明確な理由はないものの、何となく学校へ行きたくないと感じているタイプです。自己肯定感が低く、日々の生活に物足りなさを感じ、通学に対して意欲がわかない状況です。
無気力で不登校になるタイプには、以下の特徴があります。
「先生がいやだ」「学校が面白くない」などの発言はあっても、これといったはっきりした理由が見当たらないのが特徴です。
家では元気があり、自分の好きなことをして過ごしているので、保護者様から見ると怠けているように見えるかもしれません。登校刺激は逆効果になるものの、まわりが見守るだけの対応をしていると、不登校が長期化する場合があるでしょう。
無気力で不登校になるタイプのお子さまは、理由がはっきりしないので解決方法が見出せず、状況の変化が起こりにくい場合があります。
保護者様の対応の仕方として、以下の方法があります。
原因を突き止めるため、学校へ行けない理由をお子さまから聞き出そうとすると心の壁を作ってしまいます。また、生活を正そうと指示的な声かけで接したり、物質的な要求を受け入れてお子さまを動かそうとしたりするのはよくありません。
「お子さまのありのままを認め、すべてを受け入れる」のは大切です。しかし、これはお子さまの言いなりになるという意味ではありません。興味や関心に目を向けて共感したり、お子さまが話しかけてきたら時間をかけて聴いてあげたり、情緒的な欲求をすべて受け入れるという意味です。
情緒的な欲求を満たせば、自己肯定感が高まり自分の存在の意味を見つけます。目標となるものが見つかったら、自主的に動き出し、進学など将来の話をしてくるでしょう。
無気力タイプの不登校については下記の記事で取り上げていますので併せてご確認ください。
▶ 無気力型不登校は学校行くのがめんどくさいだけ?回復までの対応とステップを解説
学校でいじめや嫌がらせの行為を受けたり、先生や友達などの人間関係の問題で学校へ行けなくなるタイプです。
中学生になると、小学校ではなかった先輩後輩の関係や、学級担任制から教科担任制の変化などに戸惑いを感じて不登校になる場合もあります。ストレスが積み重なると表情が暗くなり、体調を崩す場合もあるでしょう。
先生との相性や友達関係から不登校になるタイプには、以下の特徴があります。
学校での出来事を話したがらない場合もあるので、お子さまの人間関係の問題に保護者様が気づかないときもあります。いじめなどがわかった場合は、学校への事実確認が大切です。
人間関係から不登校になるタイプのお子さまの対応の仕方として、以下の方法があります。
学校にいる先生や友達関係でストレスを感じているので、学校へ無理に行かせる必要はありません。進級や進学のタイミングで登校したり、学校以外の学びの場所を探したりするのも選択肢の1つです。
人間関係は、学習塾や習い事、地域の活動に参加などによっても新たに形成されます。社会性を身につけるのは学校だけではありません。
お子さまに合った場所で存在が認められる経験をすれば、学校での出来事にも折り合いをつけて一歩踏み出せるでしょう。
傷ついたお子さまの心を休ませてあげるのを優先しながら、保護者様がサポートする形で解決するのが望ましいのではないでしょうか。
学校の先生が原因で不登校になってしまったと考えられる場合は、対応に困る保護者様の多いかと思います。その後の対応方法を下記の記事で解説していますので参考にしてください。
▶ 先生が原因で不登校になる場合は?会いたくない時の対処法を解説します
発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の偏りによるものと、過ごす環境や関わる人物とのミスマッチが原因で生じる障害です。
学習障害は、全般的な知的発達に遅れはないものの、聞く・話す・読む・書く・計算するなどの能力に困難が生じる障害です。
発達障害・学習障害から不登校になるタイプには、以下の特徴があります。
理解するまでに時間がかかるほか、コミュニケーションを上手く取れず孤立して学校へ行けなくなるタイプです。情緒的にも未成熟な部分があるので集団生活に適応しにくいケースもあるでしょう。
発達障害・学習障害から不登校になるタイプのお子さまの対応の仕方として、以下の方法があります。
保護者様は、お子さまのできない点や苦手な点に注目して心配するのではなく、できることや得意な部分を積極的に取り込んで自信を育てることが大切です。
発達の偏りやスピードに特徴があるため、学習面についてはお子さまの感覚や理解の仕方にそって勉強方法を考える必要があります。学校に配慮を求める場合はスクールカウンセラーに相談したり、通級指導教室で指導を受けたりするなど考えてみましょう。
また、個別指導やフリースクールなど、お子さまのペースに合った方法で成長を見守るのも選択肢の1つです。発達障害・学習障害に気づいても、社会に適応する力を身に付けて、さまざまな能力を伸ばしていくことは可能です。
気になる様子がみられる場合は、居住地域の発達障害者支援センターに相談してください。
不登校の原因として発達障害は大きな割合をしめます。以下の記事で詳しく解説をしていますので参考にしてください。
▶ 不登校には発達障害が関係している?割合や支援方法について解説します
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不登校は、さまざまな要因が複雑に絡み合って引き起こされています。1つのきっかけや原因だけで生じているわけではありません。しかし、どの不登校のタイプのお子さまにも例外なくいえるのは「強い自己否定感を持っている」という点です。
不登校になるきっかけがわかり、保護者様やまわりの方々が適切な対応をしても、お子さまの自己否定感が強い状態である限り根本的な解決にはなりません。
では、お子さまの自己否定感を緩めるにはどうすればいいのでしょうか。ここからは、自己否定感について解説するとともに、どのタイプの不登校にも共通する自己否定を緩める接し方についてお伝えします。
自己否定感とは、自分の考え方や価値観などが肯定できず「どうせ自分にはできない」と否定的にとらえてしまう感情です。
自己否定の裏側には「理想の自分」があります。その理想の自分と現実の自分とのギャップから自己否定が生まれてくるのです。理想と現実の差が大きければ大きいほど自己否定は強くなるでしょう。
自己否定は、必ずしも悪いわけではありません。ネガティブな感情を自分でコントロールできれば、新たなチャレンジへとつながります。しかし、自己否定感が積み重なると、失敗を恐れる気持ちが大きくなり、チャレンジする勇気は湧いてきません。
どの不登校のタイプのお子さまも、学校へ行けない自分を否定し、ネガティブな感情を持っています。ですので、お子さまと接するときは、お子さまの世界観を大切にして否定的な言葉を使わないようにしましょう。
不登校のお子さまには、自己否定を緩める接し方を心がけなければなりません。
生まれてすぐの赤ちゃんは、当然ながら自己否定など持っていません。自己否定は、成長の過程で強まる傾向があります。
幼少期に否定的な言葉をかけられたり、劣等感を持たせられたりしてしまうと、無意識に自己否定の感情は積み重なっていきます。
では、持ってしまった自己否定の感情は、どのようにして緩めていけるのでしょうか。
「自分を認めてくれる人がいる」「理解して受け入れてくれる人がいる」などの感覚は、お子さまに安心感を与えるほか、気持ちをポジティブに変えていきます。
学校へ行っても行かなくても、勉強ができてもできなくても、お子さまの存在そのものを認めてあげると自己否定の感情は緩まっていくでしょう。
お子さまの「得意」や「好き」を見つけて、できるところをほめてあげましょう。ただし、他人と比べてできるところを見つけてほめるのではありません。
他人と比較すると「自分は劣っている」という感情を持ってしまうので注意してください。比べるとすれば、過去のお子さまと今のお子さまです。
以前できなかったことが、今はできているという成長を感じられるでしょう。
やればできるという体験は必要です。しかし、気をつけなければならないのは、大きなチャレンジでなくてもいいことです。自己否定が強いまま大きなチャレンジをしても、結果はよくなりません。
逆に失敗が大きなダメージになり心が折れてしまう可能性があります。
なにか小さなことでも、達成したあとは「できるようになったね」と結果をほめるのではなく「たくさん練習したね」など経過にフォーカスしましょう。小さなチャレンジの積み重ねは、お子さまの自信につながります。
お子さまは、兄弟や友達と比べられて劣等感を持ちます。学校へ行けない自分はダメ、勉強ができない自分はダメと自己否定を強めていきますので、保護者様はまわりと比べないように気をつけましょう。
お子さまが誕生したとき、無事に産まれてきてくれたことだけを喜びませんでしたか。成長と共に、できることが増えると一緒に喜んできたのではないでしょうか。
しかし、いつしか他人と比べてしまい、お子さまが同じようにできないことを心配してしまいます。
親の立場からすると、同じ年齢の子どもたちと自分の子どもを比べて、できない点を心配するのは当然かもしれません。ですが、産まれてから歩き出す時期も、言葉が出てくる時期も早かったり遅かったりと人それぞれです。成長のスピードも個性だととらえると、他人との比較は意味がありません。
不登校中のお子さまを「甘やかす」のではなく「甘えさせる」対応方法については下記の記事で詳しく解説しています。
▶ 不登校が「甘え」といわれるのはなぜ?原因や周囲の対応について解説します
子どもにとって、親からかけられる言葉の影響力はかなり大きいものです。親の言葉が子どもの人生の土台を作るといっても過言ではないでしょう。
保護者様がお子さまに対して厳しい声かけをしたり、思い通りにいかずイライラして感情的に怒鳴ったりするのは、真剣に向き合っているからこそです。しかし、その言葉はお子さまの心に深く刻み込まれてしまうのも事実です。
以下の言葉は、お子さまの存在そのものや人格を否定したり、能力を否定したりする言葉になるので、絶対に言わないように気をつけましょう。
これらの言葉は、たとえ冗談であったとしても、言われたお子さまにとっては記憶に残る場合があります。
お子さまを叱るとき、保護者様は無意識に責めるような口調になってしまいます。なぜなら、お子さまの行動が自分の思い通りの方向へ行かないからです。
責める口調にならないようにするには、次のポイントを意識してみてください。
「わたしはこうしてほしい」「わたしはこんな気持ちになった」のように、主語を変えて自分の気持ちを相手に説明すると攻撃的にはなりません。
保護者様が何気なくかけている言葉が、お子さまの自己否定を強めている場合もあります。逆に言えば、言葉に気をつけた丁寧なコミュニケーションは、お子さまの自己否定感を緩める方法といえるのではないでしょうか。
不登校にならない家庭環境を作る方法は下記の記事でまとめていますので、併せてご確認ください。
▶ 不登校になりやすい家庭の特徴は?不登校にならない家庭に改善する方法
この記事では、子どもの不登校の6つのタイプを解説するとともに、適切な対応の仕方についてお伝えしました。
どの不登校のタイプのお子さまも、例外なく強い自己否定感を持っています。自己否定感が緩まらない限り、不登校の根本の解決にはなりません。
お子さまが、どうして自己否定するようになったのかを理解して、正しい接し方や声かけを続ければ、不登校は解決へと向かうはずです。
不登校は、お子さまと保護者様にとっては辛い経験でしょう。しかし、不登校の期間は、親にも子にも必要な期間だったと思える日が必ず訪れます。
そのためにも、適切な対応を心がけて親子のコミュニケーションを豊かにしていきましょう。
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