学習コラム
正しく学ぶ方法や成績の伸ばし方、
不登校に悩まれている方のための
情報を発信しています。
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「不登校になりたい…」もし、お子さまからこんな言葉をいわれたら親としてどう対応しますか。「なにいってんの?」「学校に行かないとダメでしょ!」このように返してしまう保護者様は多いかもしれません。
お子さまが学校に行きたがらないのには、それなりの理由があるはずです。いじめや嫌がらせを受けている、授業についていけない、人間関係に悩んでいる、体調不良、理由はさまざまでしょう。そのなかには、親に「学校に行きたくない」と伝えられないまま悩みを抱え込んでいる子どもたちもいます。
この記事では、学校へ行きたくないと親に言えない子どもの気持ちを解説します。お子さまは何もいわないけれど、学校へ行きづらそうな様子だなと感じている保護者様は、ぜひ参考にしてください。
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もくじ
不登校でなくても毎日学校へ行かず休みがちであったり、登校しても教室に入れず授業を受けなかったりする子どもたちがいます。文部科学省が定義する不登校にあてはまらない「隠れ不登校」は、全中学生の約10人に1人ともいわれ年々増加しています。
ここでは、不登校の現状と隠れ不登校について説明していきます。
文部科学省の調査によると、令和4年度の小中学校における不登校児童生徒数は299,048人であり、前年度から54,108人(22.1%)増加し、過去最多となりました。在籍児童生徒に占める不登校児童生徒の割合は3.2%(前年度2.6%)です。9年連続で増加傾向にあり、中学生の20人に1人は不登校です。
不登校の理由は、いじめや嫌がらせの学校内の問題が最も多く、家庭環境の問題、学業不振、学習障害や発達障害、体調不良が挙げられます。不登校の人数が増加し学校へ行かない選択をする子どもが多くなったとはいえ、いざ我が子が学校に行けなくなると不安になる保護者様は多いでしょう。
不登校が長引くと、うつ病や引きこもりなどの精神的な問題につながるケースもあります。これは、不登校のお子さまだけではありません。子どもが学校へいけなくなるのは家庭環境の問題もあるといわれることから、保護者様が自分を責めて精神的に追い詰められる場合もあります。
不登校の原因については、以下の記事でくわしく解説していますので参考にしてください。
▶不登校になる原因は?文科省の情報から増加の背景や対応法を解説!
文部科学省が公表している不登校の児童生徒数は、定義にあてはまる年間30日以上長期欠席している数です。学校に行きづらいと感じている児童生徒の数は、不登校の定義にあてはまる人数だけではありません。実は、不登校の傾向にある「隠れ不登校」の児童生徒も数多く存在している現状があります。
不登校にカウントされない不登校の傾向にある児童生徒は、以下のように登校の形態がさまざまです。
不登校が増えるとともに「隠れ不登校」の児童生徒も年々増加しているのが、教育現場の実情です。
学校側も「全員一律に教室にいなければならない」という考え方から変化してきています。毎日学校へ登校しなくても「学びを続けていくことが大切」という考え方に移行しつつあるといえるでしょう。
別室登校については以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
▶【別室登校】は不登校の子どもの希望?別室登校のメリットとデメリットを解説
不登校になりたい子どもたちの気持ちは、とても複雑で繊細です。子ども自身も、自分の気持ちがよく分からず苦しんでいるケースがあります。いったい不登校の傾向にある子どもたちはどんな気持ちでいるのでしょうか。
ここからは、どのような不安や悩みがあって子どもたちは不登校になりたいのかを解説します。
いじめや嫌がらせといった人間関係のトラブルは、不登校の原因になります。親や先生に相談しても「そんなことぐらいで」と見過ごされたり、わかってもらえずに我慢していたりする場合があります。友達関係がうまくいかず孤立しているお子さまは、保護者様が思う以上に深刻に悩んでいるかもしれません。
また「いじめられる側にも原因がある」といわれれば自己否定感が強くなるでしょう。小中学生にとって、いじめは自分にも原因があると思い続けるのは苦しいものです。
学校の勉強についていけなくて苦しんでいる場合も、不登校になりたい理由の1つです。現代の子どもたちは学ぶことがたくさんあります。複雑な内容についていけず学習面で不安を感じてしまうお子さまも少なくありません。
学校は勉強だけじゃないから行って欲しいと思うのが親心でしょう。しかし、授業についていけない状況のお子さまは、まわりの友達と自分を比較して自信を失っている状態です。
そもそも学校の雰囲気が合わなかったり、校則に納得できないお子さまは学校が楽しい場所ではありません。価値観の違いから、学校へ行かなくてもいいのなら行きたくない気持ちを持っているお子さまもいるでしょう。
「こだわり」が強い傾向にあるお子さまは、学校という場所を窮屈に感じています。「こだわり」が強いか弱いかはまわりと比べての判断です。まわりの友達と比較して、同じようにできない自分を責めたり自信を失うお子さまもいます。
朝起きられなかったりめまいの症状があったりして、学校へ行きづらい場合もあります。このような症状が続いているなら、自律神経の乱れから体調不良を起こしている可能性があります。サボりや怠けと思われるのが嫌で、辛くても頑張って登校しているお子さまもいるかもしれません。
めまいのほかにも、頭痛や倦怠感の症状がある場合は「起立性調節障害」が考えられます。「起立性調節障害」は思春期のお子さまに多く見られる症状で、不登校児童生徒の約4割があてはまるといわれています。
起立性調節障害が原因の不登校については、以下の記事でくわしく解説していますので参考にしてください。
▶起立性調節障害で不登校になったらどうする?関連性と親ができるサポートについて
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どうしても学校へ行くのが嫌で、不登校になりたいと思っていても親に気持ちを伝えられない子どももいます。その理由は、親に言っても理解してもらえないと思っている場合もあれば、学校へいかなければならないプレッシャーもあるからと考えられます。
ここからは、不登校になりたいのに親に伝えられないまま過ごしている子どもの気持ちをお伝えします。
親に不登校になりたいと伝えても、叱られたり反対されるに決まっていると諦めている場合があります。過干渉な親に育てられた子どもは、悩みがあっても親に相談できません。
「勉強しなさい」「早くお風呂に入りなさい」「靴はそろえて脱ぎなさい」と、このような指示を1日に何回も続けられるとお子さまはうんざりしてしまいます。言うことを聞かなければ叱られるのがわかっているので、嫌々ながらも従います。
勉強すれば進学の選択肢が増え、早くお風呂に入れば寝る時間も早くなり睡眠時間が確保できます。親の立場になると子どもを思っての言葉かけかもしれません。しかし、子どもの立場になるとどう感じるでしょうか。「うるさい」「わかっている」「これ以上いわないで」と思っているのが想像できます。
過干渉な子育ては親子関係を悪化させる可能性があります。子どもは無意識に親を避けるようになり、学校での出来事に悩みがあっても相談しようとは思いません。また、親への反発心が出てくる子どももいるでしょう。親からの干渉にうんざりした子どもは激しい反抗期を迎える場合もあります。
前述したように、人間関係や学習面で悩みがあったとしても、お子さま自身が「学校へ行かなければならない」プレッシャーを感じて登校している場合があります。保護者様が教育熱心で「学校へいくのがあたりまえ」の考えだと、お子さまはなかなか胸の内を打ち明けられません。
また、中学受験を経験して合格を勝ち取った学校へ通っている場合、想像していた学校生活と現実とのギャップに「こんなはずじゃなかった」と悩んでいるかもしれません。親の期待を背負って勉強を頑張ってきたお子さまは「学校へは行かなければならない」思考が強く、不登校になりたくても誰にも相談できずに我慢している可能性があります。
「学校に馴染めない自分はダメだ」「授業がわからずまわりについていけない自分が許せない」と自己否定している場合もあるでしょう。自分の気持ちを受け入れられず、親にも相談できないまま1人で悩んでいるかもしれません。
自分に自信が持てない子どもは、親に自分の気持ちを正しく理解してもらえないのではないかと不安が大きくなっています。
不登校の児童生徒数は年々増え続け、認知度も高まり今の時代には珍しいものではなくなりました。不登校に関する知識やとらえ方も、インターネットで調べればたくさん出てきます。しかし、情報が多すぎて「本当に学校へ行かなくても大丈夫なの?」と疑問に思っている保護者様も多いでしょう。
保護者様は、実際にお子さまが学校へ行かない選択をすると、大切な何かを見過ごしていないか不安になるかもしれません。ここからは、学校へ行きたくない様子のお子さまに対して保護者様ができることをお伝えします。
不登校になりにくい家庭については、以下の記事でくわしく解説していますので併せて参考にしてください。
▶不登校になりやすい家庭の特徴は?不登校にならない家庭に改善する方法
お子さまが「学校に行きたくない」と話してきたら、まず子どもの気持ちをしっかりと受け止めて、状況をよく理解してあげましょう。不登校になりたいと思っていても、誰にも相談できないまま溜め込んでしまい体調不良を訴えてくる場合があります。体調の変化に気づいたら、ゆっくり休ませてあげるのが最優先です。
学校へいきたくない様子に気づいたら、保護者様から何かあったのか声かけしてあげるのもいいでしょう。気をつけなければならないのは、問い詰めるのではなくお子さまが安心して自分の気持ちを話せる環境を作ってあげることです。
子どもがなぜ不登校になりたいのか、その理由を知るにはお子さまの話を聞かなければわかりません。話を聞く時はくとき、途中で自分の意見や考えを押し付けたりせず最後まで話を聞き切ることが大切です。以下の点に注意して話を聞いてみてください。
「でもね」や「そうはいっても」と話の腰を折ると、お子さまは自分の話を理解してくれない、否定されたと感じてしまいます。肯定的に聞く姿勢でいれば、お子さまは心を開いて自分から話をするようになるでしょう。
思春期や反抗期にいるお子さまは、保護者様が話を聞きたいと思っていてもそもそも話しをしてくれません。だからといって、話してくれないお子さまにイライラしたり不安になったりしていては、ますますお子さまとの距離が大きくなるばかりなので注意してください。
親としての立場で考えると、子どもが不登校になるのを不安に思うのは仕方のないことです。親として、学校へ行かせなければならないプレッシャーも感じるでしょう。学校へ行くのがあたりまえだった保護者様にとっては「不登校でも大丈夫」という考えにはなかなか至りません。
しかし、子どもの立場になって考えてみてください。人間関係や学習面で悩みストレスを抱えてまで学校へ行く意味はあるのでしょうか。集団生活で育まれる協調性や基本の学習は、学校で身につけるものと思われる保護者様は多いかもしれません。ですが、家庭内でも協調性は育まれますし、オンライン学習を利用すれば自宅でも学力は身につけられます。
保護者様の不安を解消するために学校へ行かせるのではなく、お子さまの不安や悩みに寄り添い味方になってサポートしてあげましょう。不登校は子どもにとっても親にとっても辛い経験になるかもしれません。しかし、長い目で見れば成長過程の1つの経験としてとらえられます。
また、心と身体の休息のために必要な期間と割り切ってしまえば、保護者様の心も軽くなるのではないでしょうか。
不登校になりたいと思うきっかけや理由がわかれば、お子様と一緒に解決策を考えるようにしましょう。お子さま自身が勉強の後れを気にしていれば、学校へ戻るのか、家庭教師やオンラインで自宅学習するのか、どうやっていきたいのかを一緒に考えます。
保護者様は、お子さまに「こうなって欲しい」という期待を押し付けていませんか。その期待がお子さまを苦しめる原因になっている場合もあります。どんな子どもにも未来を切り開く力があるものです。その力を信じて、お子さまをサポートするといいのではないでしょうか。
ついつい、子どものためと思い先回りして行動してしまう保護者様は多いかもしれません。子どもは親が思う以上に考えています。まわりの期待に応えられない自分に葛藤して、辛い気持ちでいるかもしれないと理解したうえで、解決策を一緒に考えていきましょう。
「不登校になりたい」「学校へは行かない」と自分の意思と自覚に基づいてのお子さまの決断は、一旦受け止めてあげましょう。お子さまが小学校高学年や中学生だと親への反抗心もあるかもしれません。お子さまをコントロールしようとすればするほど衝突が起こり、場合によっては引きこもる可能性もあります。
「親のためではなく、自分の将来のために学校へ行く」と思うようになるには、学校へ行かない選択も受け入れて、お子さまの自主性を尊重する対応が必要です。
お子さまの自主性は、何気ない毎日の声かけで育まれていきます。親がガミガミ怒鳴っていると、子どもは精神的に疲れてしまうでしょう。子どもの気持ちに共感したり、いいところを見つけてあげるとお子さまは元気になり自ら行動し始めます。
不登校になりたい理由はさまざまです。保護者様は1人で解決しようとしても、出口が見えず悩みは尽きません。スクールカウンセラーや、外部の専門家の力を借りての根本的な解決が不可欠です。不登校児童生徒と親のサポートを行っている公的機関に相談するのもいいでしょう。相談窓口には以下が挙げられます。
以下のような民間団体や施設に相談もできます。
専門機関では、心理士などの専門家が在籍し不登校や引きこもりの相談を受け付けています。お子さまと保護者様の心のストレスを軽減して、前向きなエネルギーを取り戻すためにも専門家への相談は大切です。悩みや心配事を聞いてもらうだけで心は楽になっていくでしょう。
保護者様ができるサポート方法について、次の記事でもくわしく書いていますので併せて読んでみてください。
▶不登校中の勉強の遅れを取り戻す方法は?追い付くために親ができるサポート法も解説!
不登校の児童生徒数は、年々増加の傾向にあります。文部科学省が定義している不登校にカウントされない「隠れ不登校」の人数も増えています。学校へ行くのが辛い状況でも頑張って登校を続け、親に相談できず苦しんでいる子どももいるでしょう。
不登校になりたいけれど、親に言えない理由として「親に言っても無駄」だと思っている場合があります。また、学校へ行かなければならないプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも我慢して登校している子どもたちもいます。
このように思っている子どもたちの心を少しでも軽くしてあげるために、親としてできることを考えて子どもをサポートしていくのは大切です。お子さまが学校へ行きづらそうな様子だなと感じている保護者様は、ぜひ対応の仕方を参考にしてください。
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