学習コラム
正しく学ぶ方法や成績の伸ばし方、
不登校に悩まれている方のための
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お子さまの不登校問題に行き詰まったとき、解決手段の一つとして「転校」という選択肢が浮かぶのではないでしょうか。
転校によって環境を一新できれば、お子さまの登校再開を促せそうですよね。
しかし、転校はよい刺激になる反面、それなりのリスクを伴う選択でもあります。
今回は、不登校による転校について詳しくご紹介します。
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もくじ
不登校解決のためとはいえ、安易に転校という選択肢をとると新たな問題が発生する可能性があります。転校は親子ともに大きな勇気が必要な選択であるため、「転校で成功した」と感じたいですよね。
ここでは、不登校による転校を成功させるため、転校前に確認しておきたいポイントについてご紹介します。
不登校で転校するにあたって、一番重要なことは転校に対するお子さまの意思です。
保護者様は、不登校の解決には転校という環境の変化が最善と思われるかもしれませんが、お子さまも同じ思いでなければ状況は改善しません。保護者様の「転校で学校が変われば登校できるに決まっている」という思いや発言が、かえってお子さまの負担となり、不登校問題の悪化に繋がってしまうこともあります。
不登校ではあるけれども「友達と離れたくない」などの理由で、転校には前向きでない可能性もあります。意外に思われる保護者様は多いかもしれませんが、不登校であっても友人付き合いに抵抗がないお子さまもいます。
親子でしっかりと話し合う中でお子さまの意思を確認することは、最も重要といえます。
転校によって不登校が解決しそうかどうかも、事前に検討しておく必要があります。
たとえば、不登校の原因がいじめなどにある場合、転校によって人間関係を変えることができれば不登校も改善しそうです。しかし、不登校が学習の遅れや無気力など学校に関係のない原因である場合、転校先でも同じような状況に陥ることが想定されます。
不登校問題解決にあたっては、不登校の原因が明確である方が対策を検討しやすくなります。場合によっては、転校を考えるよりも先に「不登校の原因を探る」などの対応をとったほうがよいこともあります。
不登校を解決するための方法が“転校”でよいのか、他の選択肢も併せて検討してみる必要があるでしょう。
不登校改善を目指して転校したとしても、不登校が解決するとは限りません。
前項でご紹介したように、いじめなどが原因で人間関係をリセットするために転校したとしても、お子さまご本人の性格によっては転校先でも上手く馴染めず、再び不登校となってしまうケースもあります。このように、不登校を繰り返した経験はお子さまの心の傷となりかねません。
また、現在の在籍校と転校先では、授業・学習の進度が異なっている可能性もあります。こちらについて詳しくは後述しますが、授業進度のギャップによって転校先でも登校を躊躇ってしまうことも想像できます。
転校する前に親子でじっくりと話し合い、「不登校で転校したとしても新たに傷つく可能性がある」といった転校のリスクを事前に承知しておけるとよいですね。
不登校による転校は、お子さまの登校再開を促すことがあります。
具体的に転校が不登校にどのように作用するか、不登校による転校が成功した結果についてご紹介します。
いじめ問題のように不登校の原因が学校にある場合、転校することでその原因ときっぱり決別することができます。お子さまにとって、登校を妨げていた根本的な原因が解決できることは、それだけでストレス軽減に繋がるはず。
また、不登校だった事実を誰も知らない環境で一からやり直せることは、お子さまにとっても保護者様にとっても気楽な場合があります。転校によって対人関係を一からやり直すこともできますし、手っ取り早く不登校の原因を取り除くことで登校再開に繋がる可能性があります。
転校によって環境が変わると、自然と学校に足が向くこともあります。
不登校の原因が何であれ、長期間にわたる不登校経験後に登校を再開するというのは、気まずさや恥ずかしさも相まってなかなか勇気がいるもの。お子さまが勇気をだして登校再開に至ったとしても、周囲の環境や対人関係が変化しないのであれば、再び同じような道をたどり不登校生活に戻ってしまう可能性も十分に考えられます。
そのようなとき、転校で環境が変わると新たな気持ちで登校再開に挑むことができますよね。転校先では、お子さまにとって一緒にいて心地よいと思える友人に出会えることもあるでしょう。そのような友人ができれば登校に意欲が湧きますし、何よりも学校生活が「楽しい」と思えるものになります。
転校は保護者様にとってもお子さまにとっても勇気と覚悟を要するため、できるだけその結果がよいものであってほしいですよね。
このように、お子さまに「新しい場所で頑張ってみたい」という気持ちがある場合、転校という選択が成功するケースもあります。
転校をすることで、不登校の原因と決別できたり環境を一新することができたりするというよい影響があります。
しかし一方で、お子さまの性格や傾向によっては転校によってかえって失敗してしまったり、新たな問題が生じたりする可能性があるのです。具体的にはどのような失敗の可能性が考えられるのか、詳しくご紹介します。
転校による環境の変化について、前項では“転校が成功した影響”とご紹介しましたが、お子さまによっては、それが“転校が失敗した影響”となるケースがあります。
転校によって変化した環境がお子さまの刺激となり、登校を促すことに繋がればよいですが、繊細なお子さまの場合は、それがかえって負担となる可能性があるのです。
特に、引越しを伴う転校だった場合、それまで生きてきた土地を離れて見知らぬ場所で暮らすことは相当な負担となるものです。それは、お子さまだけでなく保護者様にとっても同様で、新たな地の文化に馴染めなかったり地域住民と打ち解けられなかったりする可能性もあります。
心に大きな負担がかかる転校という選択がお子さまに適しているのか、環境変化に耐えられそうかを事前によく検討しておく必要があります。
既に出来上がった転校先の対人関係・友人グループの中に足を踏み入れるのは相当な覚悟と勇気が必要です。どのタイミングで転校するかによって考え方はさまざまですが、思春期のお子さまであれば、尚更不安は大きいでしょう。
特に女の子の場合、少人数のグループを形成する傾向が強いため、そこに馴染めるかどうかと心配になってしまいますよね。
また、「なぜ転校してきたのか?」と問われた場合にお子さまが答えられるかどうか、答えられるだけのコミュニケーション能力を持ち合わせているかどうかも鍵となります。年度途中・学期途中での転校に違和感を持たれることも少なくありません。
このような懸念がある場合、いっそのこと進学を機に環境を変えるという手段もあります。
たとえば、中学進学や高校進学のタイミングであれば、さほど不自然に思われることはありません。
お子さまの性格や傾向を踏まえた上で転校のタイミングなどを検討できるとよいですね。
不登校のお子さまのその後に関する具体的な進路・進学先について、こちらの記事でさらに詳しくご紹介しています。
▶不登校経験者はその後どうなる? データをもとに不登校経験後の進路をご紹介
前項でも少しご紹介しましたが、現在の在籍校と転校先とでは授業・学習進度が異なる場合があります。
転校先の方が在籍校よりも遅れている場合であれば、復習も兼ねることができるためさほど影響はありませんが、転校先の方が進んでいる場合、それに追いつくことが負担となりかねません。
特に、私立小中学校へ進学する場合、通常のカリキュラムに加えて学校独自の学習を取り入れていたり、公立小中学校よりも高いレベルを求められたりするため、転校早々に躓いてしまう可能性があります。
不登校によって転校を検討する場合は、転校先の授業進度や学習レベルを事前に把握しておけるとよいですね。
不登校中でもきちんと勉強をしておくことで、安心して転校ができることもあります。
不登校中の勉強法について、詳しくはこちらの記事でご紹介しています。
▶不登校中の勉強法はどうしたらいい?自主学習で遅れは挽回する方法を解説します
転校をしても、「不登校問題」という課題を解決できない可能性もあります。
転校をして不登校の原因と決別でき、環境をリセットしても、そもそも“学校”という場所自体にトラウマを抱えていたりする場合は不登校問題は解決しにくいでしょう。
長期間にわたる不登校によって、新たに学習の遅れなどの悩みが生じていることもありますし、お子さまが登校に意義を見出せない場合もあります。また、転校をしてみてはじめて、「これまでの不登校の原因がお子さまの性格に起因するものだった」と発覚するケースもあります。
このような状況で、「せっかく転校までしたのに登校できないなんて、もう他の手段はない…」と絶望感を味わってしまうお子さま・保護者様は珍しくありません。また、不登校問題解決のための転校であったはずなのに、「何をしても登校できなかった」という新たな心の傷を作ってしまう場合もあります。
前項でもご紹介したように、転校が不登校問題解決に繋がるのか、転校のリスクは何なのかを事前に検討しておく必要があります。
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さまざまな懸念点を承知の上で、それでもお子さまにとって転校という選択がベストとの結論に至った場合、転校の準備を始めていきましょう。
ここでは、実際に不登校によって転校する際のポイントについてご紹介します。
まずは、今通っている学校と相談しましょう。
相談することで、転校のための事務的な手続き方法を教えてもらえるほか、転校先にお子さまの情報を引き継いでもらえることもあります。
公立小中学校の場合、原則として住んでいる場所(校区)の学校に通う必要があります。しかし近年では、いじめや不登校などといった、校区の学校に通えない事情を柔軟に理解し、校区外の学校に転校することを認める動きが広がっています。
令和5年に文部科学省から各都道府県の教育委員会への通知では、各学校が柔軟な学級替えや転校などの対応をするとしています。
いじめや教員による体罰や暴言等の不適切な言動や指導が不登校の原因となっている場合、こうした問題の解決に真剣に取り組んだ上で、適切な教育的配慮の下に学級替えや転校の措置を活用することも可能であり、児童生徒又はその保護者が希望する場合には丁寧な相談を行うことが求められること。
出所:誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策について(通知)
このように今後は在籍校に対して、不登校を解決するための転校や学級換えの相談がしやすくなりそうです。
転校先が決まったら、その学校についてしっかりと調べ、できるだけ足を運んで見学しておきましょう。
この際、可能であればお子さまも見学に行けるとよいですが、難しい場合は保護者様が積極的に動くことをおすすめします。
転校先の雰囲気や転入生を受け入れる姿勢を確認するほか、担任教諭が決まっている場合は雰囲気や人柄などを知っておけると安心ですね。
また、引越しを伴う転校の場合は、引越し先の住居や学校の周辺環境を確認できるとよいでしょう。
転校後の生活を具体的にイメージしておくことも重要です。
前項でご紹介したように、転校先の教諭に教諭に会ったり、通学ルートを確認したりしておくと転校後の生活をスムーズに始めることができます。
不登校の間に生活リズムが乱れている場合、登校に向けて少しずつ規則正しい生活に戻しておく必要もあります。場合によっては保護者様もサポートしながら、転校後の学校生活に備えておけるとよいですね。
不登校中の昼夜逆転生活については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
▶不登校中の昼夜逆転はスマホのせい?治し方や原因を解説します!
転校に関する手続きは、現在在籍している学校や転校先が公立学校か私立学校かによって異なります。
在籍校の教諭に相談するとある程度の手続きは教えてもらうことができますが、自分自身でも把握しておけると安心ですね。
以下では、3つの転校パターンについて手続き方法をご紹介します。
現在住んでいるところと同じ校区内で転校をする場合は、市町村の学事課(市町村によって名称は異なります)で「指定校変更の手続き」を行います。
引越しを伴うなど、現在の住居と異なる市町村の学校へ転校する場合は、転校先の市町村の担当窓口で手続きをします。
いずれの場合も、市町村によっては教育委員会の担当職員との面談を求められることがあります。
現在、私立小中学校に在籍している場合は、「在籍証明書」を発行してもらいましょう。
その後、転校先の学校がある市町村の担当窓口で手続きを行います。
この場合も、上記同様、教育委員会との面談を求められるケースがあります。
私立小中学校へ転校したい場合、まずは希望校が転入生・編入生の受け入れをしているか(転入/編入試験を実施しているか)を確認する必要があります。
受け入れが実施されていた場合、転入試験を突破できるよう備えましょう。転校を希望する学校の偏差値によっては、これまで以上に勉強に取り組まなければならないこともあります。
試験内容や科目は学校によりさまざまであるため、事前に確認しておきましょう。
今回は、不登校問題解決にあたっての「転校」について、詳しくご紹介しました。
転校するには、心身ともに多大な労力が必要となりますよね。
だからこそ、不登校によって転校という選択肢をとる前に、しっかりとお子さまの意思を確認したり親子で話し合ったりする必要があります。話し合いの中で、お子さまの意思確認のほか、転校のよい面・悪い面まで事前に把握しておけると安心です。
転校という大きな決断をする際には、多方面から検討を重ね、お子さまの性格や傾向と併せてしっかり準備ができるとよいですね。
こんなお悩みありませんか?
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「出席日数が少なくて進路が心配…」
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