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不登校は親のせい?ストレスを感じないための心構えや不登校対応を解説

不登校

2023/03/24

お子さまが不登校になると「不登校になったのは親のせいだ」とご自身を責めてしまう保護者様は多いのではないでしょうか。しかし、不登校は一概に親のせいとは言い切れません。

今回は、保護者様が不登校を親のせいだと感じてしまうのを防ぐために必要な心構えを解説するとともに、具体的な不登校対応についてご紹介します。

「不登校は親のせい」と感じないために

不登校は、親のせいではありません。というのも、不登校の背景にはさまざまな要因が存在するため、それを「親のせい」と決めつけてしまうのは相応しくないのです。

 

とはいえ、不登校のお子さまを持つ保護者様がご自身を責めてしまうのは自然なことでしょう。しかし、保護者様が「不登校は親のせいだ」とご自身を責めすぎてしまうと事態は悪化しやすくなります。

ここでは、不登校が親のせいであると感じない、感じすぎないための心構えについてご紹介します。

不登校の原因の複雑さを認識する

お子さまが不登校になると、しばしば周囲から「親のせいだ」「親の教育がきちんとしていないからだ」と言われることがあります。

たしかに、お子さまの性格が原因で不登校になっている場合、その性格が形成される背景には「保護者様との関わり」があるため、一概に保護者様と不登校の関連を否定することはできないかもしれません。

実際、不登校になりやすいお子さまの保護者様にはいくつかの特徴があることが報告されています。

しかし、お子さまが不登校になる原因は実に複雑です。いじめ、お子さまの気質によるもの、学力、無気力など、挙げればキリがありません。不登校の背景には、人間関係や家庭環境をはじめ、お子さま自身の問題などが複雑に絡み合っているのです。

ですから、「不登校は親のせい」と決めつけてしまうのはあまりにも短絡的とも言えます。

不登校の原因は複雑であることを認識し、保護者様がご自身を責めることがないようにしましょう。不登校の具体的な原因については、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。

▼参考記事

不登校になってしまう原因とは?文部科学省の最新情報をもとに解説します!

ストレスを抱えすぎない

お子さまは、保護者様が思う以上に保護者様の思いを理解しています。上記でご紹介したように保護者様が「不登校は親のせい」だと感じ、ご自身を責めると、それは自然とお子さまにも伝わることでしょう。

 

保護者様が自分を責める様子は、お子さまのストレスになってしまいます。また、不登校になったことへの罪悪感から自分に自信が持てなくなったり、登校再開がより難しくなったりしてしまうこともあります。

不登校になっても保護者様が「親のせい」と感じすぎず、保護者様自身の人生を大切にすることも重要です。

義務教育期間の欠席日数に寛容になる

不登校になると、ついお子さまの不登校後の生活や将来について心配してしまいますよね。欠席が続くと、今後の人生に差し支えるのではないかと懸念する保護者様もおられるでしょう。

しかし極論にはなりますが、小学校・中学校という義務教育期間中は留年の心配はありません。

 

「焦らなくても卒業はできる」。

そう思うだけで少し心が楽になることもあります。また、学習面に関して言えば、サブスタなどの教材を利用して自宅で勉強することも可能です。不登校でも、さまざまな支援やサービスを利用することで補える面はたくさんあります。

保護者様が焦りすぎず、寛容な姿勢で不登校を受け止められるとよいですね。

卒業後のさまざまな進路を知っておく

前項でご紹介したように、義務教育期間に関しては不登校であっても進級・卒業が可能です。しかし中学校卒業後の進路は自分で決めなくてはいけません。

多くの不登校のお子さま・保護者様を悩ませるのは、この高校進学問題です。

 

中学校卒業後には、就職、進学などいくつかの進路の選択肢があります。

高校と一口に言っても、全日制、定時制、通信制など種類はさまざまです。不登校であっても卒業後の行き先はある、お子さまに合った進路を選ぶことができると分かっているだけでも安心できますよね。

 

親子でしっかりと話し合い、卒業後の進路についてお子さまの考えが理解できていることが大切です。

進路選択までに時間の余裕がある場合は、資料を取り寄せたり、実際に学校を見学してみることをおすすめします。卒業後の進路を具体的にイメージできることで、そのためには何をやっておけばいいのか明確にできますよね。進路について漠然とした不安を抱えるのではなく、今やるべきことを具体的に知ることで、不登校のストレスが緩和されることもあります。

不登校のお子さまの進路やその後については、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。

参考記事▼

不登校経験者はその後どうなる? データをもとに不登校経験後の進路をご紹介

不登校でも就職することはできる?就職活動のポイントや対策をご紹介

“親のせいではない不登校”にできる対応法

不登校の原因が親のせいではなくても、何か親としてできることはないだろうかと保護者様は思われることでしょう。

保護者様はなにも特別なことをする必要はなく、お子さまに寄り添い信頼関係を築くことが重要です。

ここでは、保護者様にできる“親のせいではない不登校”への対応についてご紹介します。

子どもとの会話を意識する

前項でも少し触れましたが、まずはお子さまとの会話の機会をしっかりと確保しましょう。その際、無理に学校の話題を話したり不登校の原因を探ったりする必要はありません。まずはお子さまの好きなこと、盛り上がれる内容であればなんでもよいのです。登校に至るほど疲れた心を休息させることが先決です。

 

不登校について問い詰められない、他愛のない話ができる、という状況はお子さまにとって居心地のよいものです。不登校の原因については、そういった親子関係の中で安心感を得ることで自然と話し出すケースが多々あります。

原因が分かれば、保護者様も「親のせい」の自分を責める必要がなくなるでしょう。

不登校を理解する

お子さまとの会話や信頼関係の構築と並行してやるべき重要なことは、「不登校を理解する」ということです。学校に行けないお子さまをただただ見守るだけでは、保護者様は焦り葛藤してしまうばかりですよね。

 

しかし、不登校という現象について知見を得ることで、お子さまの現状をより深く理解できます。「不登校の背景にはお子さま本人の気質的なものもあるかもしれない」、「発達障がいの可能性は?」、「朝起きられなくて登校できないと言うけど、実は病気かも?」といったように、さまざまな可能性を考えることができます。

それを知らず、お子さまを叱責してしまっては信頼関係を築くこともできません。

不登校の情報を収集する中でお子さまの現状と照らし合わせ、理解を深められるとよいですね。

不登校の相談先を熟知しておく

不登校で悩んだときの相談先を知っておくと、いざというときに安心です。

お子さまの相談はもちろんですが、保護者様の不安な心情を専門家に聞いてもらえると心強いですよね。家庭内に閉じこもり、親子だけで過ごす生活はお互い自然とストレスも溜まっていきます。そのようなとき、第三者に話を聞いてもらうことがよい息抜きとなる場合もあります。

相談先は、学校のスクールカウンセラーをはじめ、カウンセリング施設、児童相談所、医療機関など多岐にわたります。悩んだときに頼れる先があることが親子ともに心の余裕へと繋がります。

まとめ

今回は、不登校を親のせいと感じないための心構えや対応法についてご紹介しました。

保護者様は、お子さまと信頼関係を築きながら不登校への理解に励むことで、「親のせい」とご自身を責めすぎず不登校に向き合っていけるはずです。

ストレスを抱えすぎてしまう前に、適切に相談機関なども利用しながら対応していけるとよいですね。