学習コラム
正しく学ぶ方法や成績の伸ばし方、
不登校に悩まれている方のための
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中学生のお子さまが不登校になると、その原因や問題を解決しようと考える保護者様は多いですよね。不登校の理由が分かれば、登校再開を目指す上で具体的な対応をとることができるでしょう。
しかし、中学生のお子さま自身も、自分が学校に行けない理由が分からないケースもあります。これといった理由を自覚できておらず、不登校という現状に落ち込んだり悩んだりすることもあるのです。
今回は、中学生のお子さまが自分でも不登校の理由が分からないときの対応をはじめ、一般的な不登校の原因について詳しく解説します。
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もくじ
中学生のお子さまは、不登校の理由を自分でも分かっていないことがあります。
実際、文部科学省の調査によると、児童生徒が不登校になっている原因の半数は「なんとなく行けない」「なんとなく不安」という状態を指す「無気力・不安」という事実が明らかになっています。
大人は不登校と聞くと、何か学校に通うことができない「はっきりとした理由」があるのだと思ってしまいますよね。
しかし意外とそうではなく、お子さま自身にも理由が分からないケースは多いのです。
特に中学生のお子さまは、子どもから大人に成長する移行期であり、心の中に多くの葛藤を抱きやすい時期でもあります。
やりたいこと、やらなければいけないことと、自分の年齢とのギャップに苛立ちを感じることもあります。そういった思春期ならではのストレスが、お子さまも気づかないうちに心を疲弊させている可能性があります。
お子さま自身、不登校の理由が分からず混乱している場合もあるため、保護者様は慎重な対応をとることが重要です。
参考:文部科学省 令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
不登校の原因については、以下の記事でくわしく解説していますので参考にしてください。
▶ 不登校になる原因は?文科省の情報から増加の背景や対応法を解説!
では、中学生のお子さまが不登校になりやすい一般的な理由は何でしょうか。
お子さまが自分の口で理由を語ることができなくとも、「背景にこのような理由が潜んでいる可能性がある」と知っておくことが、その後の対応に役立つ可能性があります。
一般的に、中学生のお子さまは次のような理由で不登校になると考えられています。
一つずつ詳しくみていきましょう。
不登校になるお子さまに共通しているのは、心が疲れている状態にあるということです。
学校や家庭など、日々の生活によって心が疲弊し、登校というエネルギーに割く余裕がないのです。
元気なときであれば自力で乗り越えられるトラブルも、心が疲れている状態では躓き、乗り越えていくことができません。それが「不登校」という形で現れ、学校には行かず自宅でゆっくり過ごすことを無意識に望んでいる可能性があります。
中学生のお子さまにとって友人関係の悩みやトラブルは、不登校になる十分な理由といえます。
学校はお子さまにとっての「社会」であり、楽しいだけなように見えて悩みや不安が尽きない場所でもあります。友人との日々の交流の中で対人スキルを学んでいきますが、それはときにお子さまの心にダメージを与えることもあります。
特に、中学生になると少人数のグループで行動をともにすることが多く、そのグループ形成やグループの序列が残酷に感じられるときもあります。好きな友人とだけ行動できるばかりではないかもしれません。
いじめなどの問題が起きやすい時期でもあり、お子さまは常に綱渡りのような状態で友人と接している可能性もあります。
そのような緊張状態が続くと、不登校になってしまうのも自然なことでしょう。
授業についていけないことが原因で不登校になるケースもあります。
授業は学校生活の中で大半を占める時間であるため、ここに苦痛を感じると学校そのものが楽しくない場となってしまいます。
教科担任制がはじまる中学校では、各教科の難易度が上がり、勉強に苦手意識を持ちやすくなります。また、定期テストという目に見えた結果によって成績がつくため、苦手意識を加速させたり自信を失ったりしてしまいがちです。
授業についていけない、勉強をしたくないという回避の気持ちが不登校につながることがあります。
不登校の原因は、なにも学校ばかりにあるとは限りません。
家庭環境や親子関係に問題があると、お子さまが不登校になる可能性が高まります。
実際、前述の文部科学省の調査によると、不登校の原因の1割程度は「家庭に関係するもの」となっています。
両親の不仲によって家庭の空気がピリピリしている、親子関係が険悪などの環境では、お子さまの心が疲弊し、登校する気力や意欲が湧かなくなってしまうことがあります。
お子さまは、大人が思っている以上に家庭の雰囲気を敏感に察知しています。不登校という形で、心のSOSを出している可能性もあります。
不登校と家庭・保護者様の関係性については、こちらの記事でも解説しています。
▶ 不登校は母親が原因?親の特徴が子どもの性格に与える影響を詳しく解説
進路や将来への不安が不登校につながるケースもあります。
この場合、不登校になることで目の前の問題から目を逸らしたり回避したりしようとしているとも言えるでしょう。
中学生のお子さまは、卒業後の進路選択や高校受験に悩みを抱えることがあります。
受験はどんなお子さまにも多かれ少なかれ不安やストレスを与えるものですが、やりたいことが決まらず悩んでいたり成績不振に陥っているお子さまは、さらに強いプレッシャーを感じてしまいます。
今ある課題に目を向けたくない、乗り越えるために頑張る気持ちが湧かないと思うとき、不登校という形で問題から目を逸らしてしまうことがあります。
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保護者様としては、お子さまの不登校の理由が分からないと問題を解決しようがなく、どうすればよいかと途方に暮れてしまいますよね。
サポートや対応といっても、何が理由か分からない以上、むやみに動くことで問題を悪化させてはいけないと感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
中学生のお子さまの不登校理由が分からないときは、次のような対応を心がけてみましょう。
お子さまの不登校は、保護者様もストレスを溜めることなく対応にあたることが大切です。
不登校のお子さまは心身が疲弊している状態であるため、まずは自宅でゆっくりさせることが最優先です。
学校では心安らげなかったお子さまがせめて自宅では落ち着いて過ごせるよう、お子さまのペースを尊重してあげましょう。
不登校の問題を解決させるために保護者様が働きかけたり、お子さま自身が行動に移ったりするために、まずは心が元気にならなくてはなりません。
毎日自宅で過ごすお子さまを見ていると、保護者様に焦りや心配の気持ちが募るのは自然なことです。お子さまの未来を案じるからこそ、不登校でよいのかと悩んでしまいますよね。
しかし長い目で見て、お子さまの心を守るにはどうすればよいのかを考慮できると安心です。
不登校により自宅で過ごしているお子さまとは、これまでと同様もしくはこれまで以上に積極的にコミュニケーションをとりましょう。
不登校によって社会から孤立したと感じてしまいがちなお子さまが、家庭でも孤立してしまわないためには、家族間でのコミュニケーションが必要不可欠です。
仮に現時点で不登校の原因を保護者様に伝えられていなくても、コミュニケーションをとるうちに次第に話せるようになることもあります。
保護者様が自分の理解者であり味方だと認識できれば、自然な気持ちを吐露してくれることもあるでしょう。
お子さまにとって、いざというときに真っ先に頼れる大人は大切な存在です。保護者様がそうあり続けられるよう、コミュニケーションは継続していきましょう。
不登校の理由が分からないからといって、無理に問い詰めるのは避けましょう。
お子さまが理由を自覚できていたとしても、それを保護者様に打ち明けたいとは限りません。「今はそっとしておいてほしい」「そもそも不登校の話題に触れないでほしい」と思うのも自然なことです。
保護者様がお子さまの意に反して理由を問い詰めると、親子関係に亀裂が入ることもあります。そうなっては、不登校問題の悪化や長期化が懸念されます。
良好な親子関係が保たれていればお子さまの方から自然に話してくれることもあるため、まずは前述したように、日頃のコミュニケーションを大切にしていきましょう。
「不登校の理由が分からない」という状態を受け入れることも大切です。
「不登校には何か原因があるはずだ」「原因が分かれば解決できる」と決めてかかるのではなく、どんなお子さまでもありのままに受け止めるという姿勢が重要です。
保護者様の前のめり過ぎる姿勢や対応はお子さまにも伝わり、意図したわけではなくてもプレッシャーを与えてしまいます。
お子さまの現状を受け入れ、認めることができるとよいでしょう。
不登校の理由の有無にかかわらず、相談機関は積極的に利用しましょう。
相談機関は、不登校の当事者であるお子さまはもちろん、保護者様の利用もおすすめです。
前項で、「不登校のお子さまのありのままを受け止める」ことの重要性をご紹介しましたが、これは決して容易ではありません。不登校というイレギュラーな状況は、対応にあたる保護者様にも大きなストレスを与えます。
悩んだり誰かに話を聴いてほしいと感じたりするときに、一人で耐え続ける必要はありません。
保護者様が過度なストレスを感じると、少なからずお子さまにも影響します。親子でつらい状況に陥ってしまう前に、誰かを頼り、相談してみてください。
相談先は、学校のスクールカウンセラーや児童相談所、医療機関などいくつか選択肢があります。
その中でも、不登校こころの相談室であれば、自宅にいながら心の専門家に話を聴いてもらうことが可能です。お子さまだけでなく、保護者様の心の負担を軽減させることが期待できます。
誰にでも気軽に相談できる問題ではないからこそ、不登校こころの相談室のような相談先を頼ることができると安心です。
不登校の理由が分からないとき、お子さまはどう過ごしたらよいのでしょうか。
自宅で過ごす日々に頭を抱えてしまう保護者様もいることでしょう。
不登校の理由が分からないときは、次のような過ごし方を心がけてみましょう。
不登校の理由の有無にかかわらず、これらの過ごし方は共通しています。
不登校の間も、学校に通っているときと同様の規則正しい生活を継続しましょう。
やることがないからとダラダラ過ごすと、登校再開への意欲が湧いたときに苦戦してしまいます。起床・就寝時間を決め、きちんと食事をとる生活を維持しましょう。
ただし、起立性調節障害などにより朝の起床が難しい場合には注意が必要です。
怠けによって起きられないのではなく、「起きられない」ことが不登校に繋がっている可能性もあります。可能性が疑われる場合は、早期に受診しましょう。
不登校の原因にもなる起立性調節障害については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 不登校と起立性調節障害の関係 | 学校に行きたいのに行けないのはなぜ?
人と関わる機会は積極的に作りましょう。
不登校になると、必然的に家族以外との交流が減ってしまいがちです。しかしこれでは、お子さまの孤立感を高めるだけでなく、対人スキルの獲得にも悪影響を及ぼします。
不登校になったときは、フリースクールや教育支援センター(適応指導教室)といった不登校のお子さま向けの施設利用を検討できると安心です。
もちろん、自宅で過ごすことで心のエネルギーを回復させてからで構いません。
人と関わる機会と同時に、不登校中の居場所を作ることができるとよいでしょう。
趣味や好きなことがあれば、積極的に挑戦してみましょう。
不登校になると、同級生と違って学校に行けていない負い目からか、楽しいことや遊びのような活動は避けるべきだと考えてしまうことがあるのではないでしょうか。
しかし、不登校だからといって活動を制限する必要はありません。お子さまに意欲があるのであれば、ぜひチャレンジしてみましょう。
たとえ遊んでいるだけに見えても、そういったことができるほど心が回復したという意味でもあります。
お子さまに意欲があるのであれば、習い事に挑戦してみるのもよいかもしれません。
学校以外の交友関係ができ、お子さまの世界が広がります。共通の趣味や好きなことがあるという状況、安心感がお子さまによい影響をもたらしてくれることでしょう。
不登校の間、少しずつ何かする意欲が湧いてきたら、少しずつでもよいので勉強を継続できると安心です。
不登校の長期化は、授業の遅れやお子さまの学力低下が懸念され、不登校と勉強は切っても切り離せない関係にあると言えます。不登校になった最初のきっかけとは別で学校に行きたくない理由として「勉強の遅れ」は上位であり、勉強面への不安を減らすことが登校再開にもつながります。
また、勉強していなかったことによって進路の選択肢が減ってしまうことは、お子さまの自己肯定感にも影響を及ぼします。
必ずしも学校の授業と同じ進度で勉強しなければいけないわけではありません。
お子さまができる範囲・続けられる範囲で勉強というものに触れ続けていくことが大切です。
不登校中の勉強法については、こちらの記事で詳しく解説しています。お子さまに合ったものを探してみてくださいね。
▶ 不登校中の勉強法はどうしたらいい?家庭学習で遅れを挽回する方法を解説します
今回は、中学生のお子さまが不登校になったとき、不登校の理由が分からないときに関しての対応をご紹介しました。
不登校問題は非常に複雑なものであり、お子さま自身も理由が分からないという状態も珍しくありません。
不登校の理由が分からないと保護者様は心配したり焦ったりしてしまうかと思いますが、お子さまを受け入れ、不登校への理解を深めることが大切です。
お子さまの不登校は保護者様にも大きなストレスを与える問題であるため、一人で抱え込まず、不登校こころの相談室への相談を検討してみましょう。
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