学習コラム
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「学校に行きたいのに行けない」
この言葉を聞いた保護者様は、複雑な気持ちになると同時に深く悩んでしまうのではないでしょうか。多くの場合、お子さまは学校に行きたい願望を抱えながらも、さまざまな理由で足が向かなくなっています。
不登校は、心理的・環境的・身体的な要因が複雑に絡み合っています。保護者様がどのように対応すればいい方向へ向かうのかなんてかわかりませんよね。特に中学生の場合は、思春期特有の課題も加わって状況はより複雑です。
この記事では「学校に行きたいのに行けない」お子さまの心理を掘り下げながら、保護者様ができる具体的な対応法を解説します。ぜひ、参考にしてください。
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もくじ
学校に行きたいと思いながらも登校できない状況には、いくつかの複雑な要因があります。主な理由として、心理的要因、環境的要因、身体的要因が挙げられるでしょう。ここでは、それぞれの要因についてくわしく解説します。
心理的要因は、お子さまの内面から生じます。不登校の多くのお子さまが抱える感情で、ときに頭痛や腹痛、吐き気など身体症状として現れる場合もあるでしょう。主に、以下の3つが挙げられます。
不安や恐怖を抱え、自信を失った状態は「自分にはできない」「どうせ失敗する」といった否定的な思考になりがちです。
環境的要因は、お子さまを取り巻く外部の環境から生じます。自尊心が傷つけられると学校が恐怖の場所に変わる可能性もあります。
このように、外部の環境がお子さまに強いストレスを与え続けていると、学校に行く意欲は徐々に低下していくでしょう。授業・部活・塾など過密なスケジュールが続いて、学校に行く気力を失っているケースも考えられます。
身体的要因は、お子さまの健康状態に関わります。症状によって朝の準備や通学が困難になり、結果として不登校につながっているケースもあるでしょう。
頭痛や腹痛、朝起きられないなどの症状は、起立性調節障害の可能性も考えられます。自律神経系の乱れからくる症状は、お子さまの意思とは関係なく現れる症状のためコントロールできません。
起立性調節障害についてはこちらの記事でくわしく解説しています。ぜひ、参考にしてください。
参考:起立性調節障害で不登校になったらどうする?関連性と親ができるサポートについて
お子さまが「学校に行きたいのに行けない」状況は、保護者様にとって悩ましい問題です。同時に、お子さま自身も学校に行けない自分に対して強い不安や葛藤を抱えているものです。ここでは、お子さまが感じているさまざまな感情を解説します。
学校に行きたくても行けないお子さまが、学校に対して持つ感情は複雑です。友達と過ごす時間や学びたい気持ちもあるでしょう。一方で、勉強に対するプレッシャーや人間関係の悩みに不安も持ちあわせています。
これらの相反する感情が混ざり合い、お子さまは自分でも整理がつかなくなっているのです。学校に対する感情は、学校生活全体に対する期待と恐れが入り混じったものと考えられます。
特に、友達関係や授業内容への不安が強い場合、それが身体的な症状となって表れることも少なくありません。頭痛や腹痛など、身体が無意識に「学校に行きたくない」サインを表すケースもあります。
学校にいきたくても行けないお子さまは「学校に行けない自分はダメだ」といった自己否定感や「親に迷惑をかけている」といった罪悪感を抱えています。これらの感情が長期間にわたり心の中に蓄積されていくと、さらに学校への抵抗感を強めてしまうでしょう。
お子さまは、保護者様に対して「申し訳ない」と思う一方で、自分の感情をどう表現すればよいのかわからず自分を責めています。このような自己否定感や罪悪感は、お子さまの心に重い負担を与えてしまいかねません。
保護者様がこれらの感情を理解し、お子さまに寄り添う姿勢でいれば少しずつ自己肯定感を取り戻せます。
不登校に対する社会的なプレッシャーも、お子さまの心に影響を与えます。周囲の視線や、将来を心配するまわりの声が、お子さまを追い詰める場合もあるでしょう。このようなプレッシャーは、お子さまにとって大きなストレスとなり、さらなる不安を引き起こします。
社会的なプレッシャーを軽減するためには、まずお子さまの気持ちを尊重しなければなりません。無理に学校に行かせようとするのではなく、別の選択肢もあると伝えてあげれば不安感から解放される場合もあります。
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お子さまが学校に行けない状況に直面したとき、保護者様がどのように対応するかでお子さまの心の安定感は大きく変わります。ここでは、お子さまが安心して前に進めるよう、保護者様ができる具体的な対応方法を解説します。
お子さまの気持ちを理解するためには、まず傾聴の姿勢が欠かせません。お子さまが何を感じ、何に悩んでいるのかをしっかりと聴き共感する姿勢が大切です。このとき、非難したり行動を強制したりしないように注意してください。
お子さまは、自分の気持ちを否定されるとますます心を閉ざしてしまいます。「なぜ学校に行けないのか」を問い詰めるのではなく「あなたの気持ちを理解しようとしている」というメッセージが伝われば、お子さまは安心できるものです。
お子さまが安心して過ごせるように、家庭環境を整えるのは大切です。学校に行けない状況に対して罪悪感を抱くお子さまにとって、家庭が安心できる場所になっていれば心の負担は軽くなっていくでしょう。
お子さまにとっての安心安全の家庭環境を作るためには、お子さまがリラックスできる時間や空間の確保が求められます。家庭内でのコミュニケーションがスムーズで毎日の生活を一緒に楽しめれば、親子の絆は深まります。
不登校になりにくい家庭環境の作り方については、以下の記事解説していますので参考にしてください。
参考:不登校になりやすい家庭の特徴は?不登校にならない家庭に改善する方法
お子さまが学校に行けない状況を、保護者様は焦らずに見守りましょう。お子さまの心と身体が回復し、少しずつ活動する意欲が出てきたら解決策を一緒に考えます。社会とのつながりを持つ方法は、学校へ通うだけではありません。フリースクールなどの別の教育機関や支援機関を利用する選択肢もあります。
保護者様は、お子さまが主体的に選択できるようなサポートを心がけなければなりません。無理にどこかに通わせようとするのではなく、お子さまが安心して取り組める方法を一緒に探すのが解決につながります。お子さま自身が納得できる選択肢を見つけられれば、自信を持って前に進めるのではないでしょうか。
「学校に行きたいのに行けない」と思っているお子さまが中学生の場合、成長過程における課題に直面している場合も考えられます。この時期は、身体的にも精神的にも大きな変化が訪れるため、お子さまが抱える悩みや不安は多岐にわたるでしょう。ここでは、中学生特有の課題について解説します。
思春期は心と身体が急激に成長する時期であり、お子さま自身もその変化に戸惑いを感じています。この時期に、自分の存在価値や将来について深く考えるお子さまもいるでしょう。
周囲との関係性に敏感になったり、自分が他者からどう見られているかを強く意識するようになったりします。その結果、些細な出来事で傷つきやすくなり自己否定感や不安感が高まるケースがあるかもしれません。
また、感情の波が激しくなるため親しい人との間でもコミュニケーションが難しくなる場合もあります。特に保護者様との関係において、これまでのように話せなくなるケースもあるでしょう。学校に行きたいのに行けない気持ちには、思春期における心の変化が大きく関わっている場合もあると理解する必要があります。
中学生は、学校内外でさまざまな社会的プレッシャーにさらされます。友人関係の問題や、成績による競争、将来の進路に対する不安などは保護者様の想像を超えるものかもしれません。
SNSやインターネットの普及により、中学生の友達関係の問題は深刻化しています。他者との関係性が上手くいかない場合は、不登校につながる可能性もあるでしょう。また、進路における保護者様の過度な期待が、お子さまを苦しめるケースも少なくありません。
中学生になると、勉強に対するモチベーションが低下する傾向もよく見られます。思春期の心の変化や社会的プレッシャーと相まって、学習意欲が薄れてしまうお子さまも少なくありません。また、学習内容が難しくなり勉強に対する興味を失うケースもあるでしょう。
お子さまが「勉強は自分には向いていない」と感じてしまうと、学校へ行く意欲が低下し、結果として不登校につながる可能性が高まります。
昨今、不登校の児童生徒が増え続けるなか、学校へ行かない選択を理解する風潮になってきました。学校側も、無理に登校させようとする働きかけはしていないのが現状でしょう。
しかし、学校へ行かない選択を理解するといっても、お子さま自身が「学校に行きたいのに行けない」ケースもあります。この記事では、このような状況に悩む保護者様に向けて、不登校の心理的要因や家庭でのサポート方法を解説しています。また、中学生特有の課題についてもお伝えしました。
思春期における心身の変化や社会的プレッシャーに寄り添いながら、学校に行きたくても行けないお子さまの複雑な感情を理解し適切な対応をしてもらえたらと思います。
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