
学習コラム
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「中学生の時点で不登校だと高校進学はできない」と考えるお子さまや保護者様は多いのではないでしょうか。しかし、不登校であっても高校に進学できないということはありません。
今回は、不登校後でも進学できる高校の種類や、進学の際のポイントについて詳しく解説します。
もくじ
不登校だと高校進学できない?
小学生や中学生の期間に不登校であっても、高校に進学することは十分可能です。したがって、不登校を経験したからといってその後の人生に悲観的になりすぎる必要はありません。
ただし、不登校によって出席日数が少なく、学力にも影響が出ている可能性があるため、高校選びには慎重になる必要があります。どのような種類の高校があるのか、入学するためにはどうすればよいのか、といった事前の情報収集と対策が重要と言えるでしょう。
不登校でも進学できる高校の種類
不登校でも進学できる高校の種類はいくつか存在します。それぞれの高校の特徴を知り、理解することで自分に適した高校を選択することができますよね。
ここでは、不登校でも進学できる高校の種類を4つご紹介します。
全日制高校
全日制高校は、毎日朝登校して夕方下校する、小中学校と同様の高校です。一般的に「高校」と聞いて思い浮かべるのは、この全日制高校かもしれませんね。
全日制高校は種類が豊富な上、多くの生徒が選択するため、お子さまの意思で友人関係を広げることが可能です。部活動なども充実していることが多く、学習以外にも好きなことに打ち込みやすい環境と言えます。
しかし多くの場合、入学には学力試験が必須な上、出席日数などを記載した内申書が合否の基準となります。学力と内申書の双方の基準を満たしておく必要があります。
定時制高校
定時制高校は、毎日夜間に登校して授業を受ける高校です。全日制に通う生徒が下校したあとで授業が開始されます。高校によって、3年制と4年制のところがあり、その年数によって一日あたりの授業時間も異なります。
定時制高校には、日中は仕事をしているといった生徒も多く、年齢層が幅広いことが特徴です。また、かつて不登校を経験していたり、さまざまな事情によって高校に通えなかったため大人になってから入学していたりするケースも多く、生徒同士の心境を理解しやすい傾向にあります。
ただし、定時制高校は全日制高校ほど種類がありません。エリアや時間帯の希望がかなわず、通学が困難な場合もあります。
高等専修学校
高等専修学校(高専)とは、国立の5年制の学校であり、実践的な技術者を育成することを目的に設置された高等教育機関です。高額・技術系の職業訓練・教育が行われ、就職率は100%とされています。卒業後の学歴は、「短大卒もしくは専門学校卒」と同等です。
手に職をつけて働きたいと考えるお子さまには適しているかもしれません。
しかし、偏差値・倍率ともに一般の高校よりも高いケースが多いため、入学にはそれ相応の準備が必要であることを念頭に置く必要があります。
通信制高校
通信制高校とは、登校頻度が少なく自宅学習を基本とする高校です。単位制であることが特徴で、レポート提出やテスト、スクーリングによって単位を取得します。在学年数は単位取得のペースによりさまざまですが、最短3年で卒業が可能です。
入学にあたっては、学力や内申点を基準とせず、書類選考や作文によって合否が決まる高校が多数です。そのため、今回ご紹介する中では、最も不登校生徒への理解があり、入学しやすい高校と言えるでしょう。
不登校後に高校進学する際のポイント
不登校でも高校に進学することは可能ですが、進学にあたってはいくつか気を付けておかなければならないポイントがあります。
お子さまも保護者様も余裕をもって高校受験に臨むためのポイントについてご紹介します。
勉強してない場合は学力を身につける
不登校でも高校進学が可能とはいえ、入学には学力試験を突破しなければならない高校が多いのも事実です。つまり、進学にはある程度の学力を身につけておかなければなりません。
不登校中に勉強してない場合は焦ってしまうかと思いますが、少しずつ着実に勉強する習慣を身につけていきましょう。中学校で習う学習内容はおさえておきたいですね。
不登校中でも、さまざまな勉強法が存在します。塾や家庭教師であればプロに教えてもらうことが可能ですし、サブスタのような通信教育であればお子さまのペース・学力に合わせて自宅で勉強を進めることができます。
お子さまの性格や希望に合った勉強法を見つけ、高校進学までに学力を身につけておきましょう。
不登校中の勉強法については、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
出席日数を確保する
進学したい高校によっては、出席日数の少なさがネックになってしまう場合があります。しかし、不登校中であっても出席日数を確保する方法が4つあります。
- 保健室などへの別室登校
- 教育支援センター(適応指導教室)に通う
- フリースクールへ通う
- ICTを活用したオンライン学習サービスを利用する(サブスタなど)
お子さまに外出の意欲がある、他者との交流を望んでいる場合には上記の①~③を、自宅で頑張ることを希望する場合には④のサービスを利用することで、自宅でも出席日数を確保することができます。
不登校中の出席日数に関しては、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。
不登校生が「出席扱い制度」を利用した際の内申点やメリットについて解説します!
適切な志望校を選ぶ
不登校であるかどうかに関わらず、志望校選びは重要です。
学校の特色をきちんと理解し、お子さまに合っているか、楽しく在学できそうかを見極めるためにも事前の情報収集はしておきたいですね。
お子さまが学校に通えている状態であれば、そういった各高校の情報は中学校を通して入手することができます。また、高校のオープンスクールに参加して、実際に様子を見学し、雰囲気を掴むこともできるでしょう。
しかし不登校で自宅にこもりがちになると、どうしてもそういった情報を得られにくくなってしまいます。オープンスクールも、同級生の目が気になってしまい、参加できないケースがありますよね。
今の時代、ある程度の情報はホームページを通して収集することが可能です。しかし、どうしてもそれだけでは知りたいことが判明しない場合や、自分では探しきれなかった選択が知りたい場合、お子さまに代わって保護者様が学校に問い合わせるのも手です。
現在在学している中学校の先生に問い合わせる、高校の入試説明会に参加するなど、お子さまにプレッシャーをかけない程度に動いてみることをおすすめします。
モチベーションを保つ
高校進学にあたっては、程度の差はあれど「受験」が伴います。
受験を突破するには、進学したいというやる気やモチベーションを保ち続ける必要があります。
不登校のお子さまの場合、「自分は不登校だから受験に不利だ」と落ち込みすぎてしまったり、仮に合格できたとしてもその後の学校生活に大きな不安を感じていたりするケースが多くあります。進学が決まるまでは、ご家族全体がピリピリとした空気になってしまうこともあるかもしれませんね。
しかし受験は、「高校に進学したい」というお子さまの希望を尊重し、親子一丸となって同じ目標に取り組む良い機会ともいえます。そのときどきのお子さまの不安や悩みを聞き取り、受け止めながら、“一緒に”頑張っていけるとよいですね。
まとめ
今回は、不登校後に進学できる高校の種類や、進学の際のポイントについてご紹介しました。
不登校後の高校進学にあたっては、お子さまの意思を何よりも尊重し、事前の準備を整えることが重要といえます。高校進学という目標に向かって、親子一丸となって突き進んでいけるとよいですね。