
学習コラム
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「一生懸命子育てをしてきたのに、どうして不登校になったんだろう。」
お子さまが不登校になると、このような疑問を抱えて悩んでいませんか。大切に育ててきたからこそ、不登校という現実を受け入れ難く深く悩んでしまう保護者様が多いのではないしょうか。
不登校になるきっかけはそれぞれ違いますが、不登校になりやすい家庭の特徴には共通点があります。そこでこの記事では、不登校になりやすい家庭にはどのような特徴があるのかお伝えしていきます。
また、機能不全家族についても解説していますのでぜひ読み進めてください。
もくじ
不登校になりやすい家庭の特徴
文部科学省の不登校児童生徒の実態調査結果によると、学校へ行きづらいと感じ始めたきっかけに「親のこと」「家族関係」があります。
学校生活以外の理由で不登校になりやすい家庭には、どのような特徴があるのでしょうか。
ここでは「親の注意がうるさかった」「親との仲が悪かった」「自分以外の家族どうしの仲が悪かった」などが挙げられている理由を詳しく説明していきます。
親が子に過干渉である
親であれば誰しも、子どもが危険な目にあったり失敗することは望みません。そうなる前に助けなければという感情を持ち合わせているものです。しかし、過干渉な親は過剰に保護する傾向があります。
危険や失敗にさらされるのを恐れて、お子さまの行動を注意したり先回りして解決しようと試みていませんか。保護者様としては当たり前の考えかもしれませんが、過剰であるがゆえに、お子さま自身が試行錯誤する機会を奪っているのです。
「親の注意がうるさかった」と感じるお子さまは、保護者様が良かれと思っている声かけをうるさく感じている場合が大きいのではないでしょうか。
先回りは、お子さまの選択に介入して保護者様が望む方向へ行くようにコントロールしています。お子さまの立場になると、自分の意見が制限されるので自発的に動く必要がないのです。
親が子に対し攻撃的である
お子さまに対して過干渉であると、保護者様は自分の思い通りに動かない子どもに対して攻撃的な態度をとってしまいがちです。このような親子関係ではお互いを信頼しているとは言えず、親も子も大きなストレスを抱えていることでしょう。
「親との仲が悪かった」と感じるお子さまは、ときには反抗しながらも、保護者様の顔色を見て生活しています。お子さまをコントロールしようと、自分の意見や価値観を押し付けていませんか。言うことを聞かないお子さまに不適切な方法で従わせようとしていませんか。
常に威圧的な態度で子どもと接する親は、統制欲が強く、感情の不安定さや怒りっぽさがあり、子どもの自立や成長を妨げるような行動をしているのと同じです。親の意見や判断に従って行動していると、主体性は育まれません。
家庭内の環境変化
家庭内のトラブルがお子さまの心に影響を与えている場合があります。たとえば、祖父母と両親の不仲、両親の別居や離婚、それにともなう引越しなどもあるでしょう。家庭内の不仲を感じ取り、家にいても心が休まることはありません。
「自分以外の家族どうしの仲が悪かった」と感じるお子さまは、家庭内の空気を読み取り保護者様のストレスを感じ取っています。
お子さまが1日を過ごす時間は、学校と家庭がほとんどです。学校でうまくいかないことがあっても、家が安心安全な場所であればエネルギーが貯まり元気になります。しかし、もし両親が不仲で毎日のように喧嘩が絶えない家庭であれば、お子さまはどこでエネルギーを貯められるのでしょうか。
「これからどうなるのだろう」「将来はどうなるのか」など、心の中は不安でいっぱいになります。家庭内が安心安全の場所でなければ、お子さまの情緒は安定しません。
機能していない家族
家庭内において、コミュニケーションが不足していると、十分な愛情を得られず心理的な問題を抱えることが多くなります。家庭内で意見や感情の共有がなければ、お子さまはどのような影響を受けるのでしょうか。
- 他人の顔色が気になる
- 感情がコントロールできない
- 自己否定感が強い
- 人に依存する
- 孤独を感じる
このような特徴を身につけて大人になると、自己否定感が強く常にストレスや不安を持ち続けてしまいます。子どもが子どもらしく生きる環境が整っていない機能不全家族の中で育つと、自己肯定感が持てず生きづらさを抱えやすいという傾向があります。
感情を素直に表現できて、本音で話せる環境であれば、家庭は安心安全の場所だと言えます。安心安全の場所は、社会で生きていくための支えになる必要不可欠なものなのです。
不登校になりにくい家庭の特徴
同じような出来事を経験しても、不登校になる子どもとならない子どもがいます。子ども自身の個性もありますが、家庭内にストレスがなく安心できる環境であれば、エネルギーがなくなり全く動けなくなることはありません。
不登校になりにくい家庭は、家の中が安心安全の場所になっています。そのような家庭にはどんな特徴があるのでしょうか。
親が子どもを尊重している
お子さまをひとりの人間として尊重している家庭は、上に立って従わせるような接し方はせず、考えや意見を聴いてお子さまの世界観を大事にしています。
お子さまの世界観を大事にしていると、見下すような発言をしたり、親の思う方向へ導こうとは思いません。言うことを聞かない態度にイライラすることもないでしょう。
親の言うことを聞かなければならないというルールを家庭内で作るのではなく、保護者様はお子さまに選択肢を示して決断を邪魔しない立場でいることが重要です。
子どもの失敗を失敗と思っていない
成功体験させてあげるのは大切ですが、だからと言って失敗しないように親が先回りをするのはよくありません。お子さまは失敗を繰り返して試行錯誤しながら成長していくものです。
「失敗は積極的にしていきたい。なぜなら、それは成功と同じくらい貴重だからだ。失敗がなければ、なにが最適なのかわからないだろう」
という、発明家であるトーマス・エジソンの言葉はとても有名です。正しい方法を見つけ出すための「試行錯誤」をエジソンは教えています。
失敗を恐れず、上手くいかないことを学んでいるお子さまをサポートしてあげるのが、重要な保護者様の役目と言えるでしょう。
親子間での雑談が多い
雑談が多い家庭では、お子さまのコミュニケーション能力を発達させる機会が増えます。家族や友達との会話の中で、自分の意見を述べたり、相手の意見を聞いたりすることでコミュニケーション能力を身に付けていくのです。
話を最後まで聴く姿勢を心がけている家庭は、社会の中で生きていくために必要なコミュニケーション能力をお子さまに伝えていると言えるでしょう。
不登校にならない家庭は、親子関係が良好です。親子関係を良好にするには、お子さまの話を最後まで否定せずに聴きましょう。
まとめ
ここまで、不登校になりやすい家庭の特徴を解説しました。親が過干渉であったり常に攻撃的な態度で接していると家庭は安心安全の場所にはなりません。また、家族として機能していない環境で育つと、将来生きづらさを抱えてしまいます。
家庭環境を変えられるのは保護者様だけです。家庭が安心安全な場所であれば、親子関係は必ずよくなります。日常から親子関係を良好にしておくとお子さまのSOSを逃すことはないでしょう。