学習コラム
正しく学ぶ方法や成績の伸ばし方、
不登校に悩まれている方のための
情報を発信しています。
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お子さまが不登校になると、「どこか悪いところがあるのではないか」と心配される保護者様がいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、特に心の病気と不登校には強い繋がりがあり、病気が原因で登校が難しくなっているケースがあります。
今回は、不登校に関連する病気について、その種類や症状・対応法などをご紹介します。
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「不登校」という病気や病名は存在しません。
不登校とは、お子さまが1年のうち30日以上欠席・学校に通えていない状態を指すものです。以前は「学校恐怖症」や「登校拒否」とも呼ばれていましたが、近年では一般的に「不登校」と呼ばれることが増えています。
年々その人数は増加し、社会現象とも言える不登校。しかし、不登校自体は病気とは言えないのです。
不登校は病気ではありませんが、不登校の背景には病気が隠れている場合があります。
つまり、心身のなんらかの病気が原因となって不登校に繋がっているケースです。具体的に、不登校の背景にある病気とはどのようなものなのか、その種類や症状についてご紹介します。
不登校になりやすい病気として代表的なものは、「起立性調節障害」です。
起立性調節障害とは、自律神経の働きが低下することによって朝起きられない、食欲不振、倦怠感、頭痛などを伴う病気です。
ストレスといった心の問題を持ちながら身体にも支障をきたす病気で、いわゆる「心身症」と呼ばれるものの一つです。
近年、この起立性調節障害で苦しむ中高生は約70万人存在するとも言われており、決して他人事ではありません。また、不登校中のお子さまの3~4割は、この起立性調節障害を発症しているとも言われています。
朝起きられず、夜なかなか寝つけないため、昼夜逆転生活になりやすいことも特徴の一つです。そうした生活リズムになると、必然的に登校が難しくなってしまいますよね。
この起立性調節障害の症状や発症期間はお子さまによってさまざまですが、病院受診やカウンセリングを受けることで、長くても2~3年程度で改善し、通常の生活を送れるようになると言われています。
不登校と起立性調節障害の関係については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご確認ください。
▶不登校の原因は起立性調節障害?関連性と親ができるサポートについて
不登校の背景には、精神障がいと呼ばれる「心の病気」が潜んでいる可能性もあります。いずれの精神障がいも病院受診・治療は必須で、長い目で症状と向き合っていく必要があります。
不登校と関連のある主な精神障がいの種類は、以下の通りです。
適応障がいとは、強いストレスや環境の変化などによって、日常生活が困難になるほど不安感や緊張感が高まっている状態を指します。
たとえば、いじめや友人関係による強いストレスや、クラス替え、転校などの大きな環境の変化が引き金となって発症することがあります。
不安障がいとは、日常生活に支障が出るほど激しい不安や恐怖を感じている状態を指します。
症状としては、唐突に強い動悸や息苦しさを感じたり、周りの目が怖くなってしまったりすることが特徴です。学校生活での失敗・挫折体験がトラウマとなり、発症することがあります。
気分障がいとは、気分の変化が日常生活を困難にさせている病気をまとめたものを指します。
気分障がいのうち、長期間暗い気分が続き塞ぎ込む状態になることを「うつ病」、気分が高まり興奮しすぎる状態になることを「躁病」、うつ病と躁病を繰り返す状態を「双極性障がい」と呼びます。
不登校中にうつ病になる、もしくは、うつ病によって不登校になると、引きこもりがちになってしまう傾向があります。
強迫性障がいとは、ある特定の行動へのこだわりが極度に強くなってしまう状態を指します。
自分でも「なにかおかしいな」と自覚があるにもかかわらず、不安を払拭するためにいきすぎた行動をとってしまうことが特徴です。代表的な症状としては、「手が汚れている」と思い込み、何度も何度も傷だらけになるほど手を洗うなどが挙げられます。
強迫性障がいのはっきりとした原因は明らかになっていませんが、元々几帳面でこだわりの強い性格であったり、何らかの強いストレスを受けたりすることで発症するのではないかと言われています。
パーソナリティ障がいとは、多くの人からは明らかに逸脱した言動をとってしまう状態を指します。
頑固で融通が効かないという症状によって、本人だけでなく周囲を困らせてしまうことが特徴です。発症の原因は、遺伝と環境の両方にあるとされています。
パーソナリティ障がいになると、その過激な言動によって周囲から孤立しやすくなってしまいます。対人関係が上手く築けないことで、不登校に繋がるケースがあります。
統合失調症とは、心の状態や思考がまとまりにくくなってしまう病気で、原因は脳機能によるものとされています。
症状は大きく2つあり、健康なときにはなかったもの(幻覚、妄想など)が表出することを「陽性症状」、健康なときにあったもの(意欲、感情表現など)が失われることを「陰性症状」と呼びます。
陽性症状によって周囲から奇異な目で見られ孤立してしまったり、陰性症状によって引きこもりがちになったりすることによって不登校になりやすくなります。
発達障がいとは、生まれつきの脳機能の違いによって日常生活に支障が出てしまう病気です。
近年、さまざまな場面で耳にする機会が増えましたよね。具体的な障がいの種類は、以下です。
発達障がいのお子さまは、その特性によってからかいの対象になりやすかったり、孤立しやすくなったりすることが特徴です。上手く友人関係を築けないことによって不登校に至るケースが多く存在します。
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不登校中に病気が疑われたり発覚した場合、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、その対応についてご紹介します。
不登校中に病気が疑われたり、不登校の原因は病気だと感じたりする場合、出来るだけ早く病院を受診しましょう。まずは相談だけでも構いません。
もしも病気が潜んでいる場合、それを放置したり自力で治そうとしたりすることで悪化してしまうケースがあります。上記でご紹介した病気の中には、薬物療法が有効なケースもあり、医師の正しい判断と治療によって症状の改善を目指すことができます。
何よりも、正しい治療はお子さまの「生きやすさ」に繋がります。お子さまの苦しみの原因(病気)がわかることでお子さまも、そして保護者様も心が軽くなることもあるでしょう。
病気とともに生きていく中で、登校再開を焦る必要はありません。義務教育期間であれば、それは尚更です。まずは親子で病気を知り、向き合うこと。これは、これから先長い人生を歩んでいく中で何よりも大切なことです。
登校再開にあたっては前項でご紹介したように病院を受診することで、お子さまの特性が分かり、円滑な学校生活を送るヒントを見つけられる場合があります。焦らず、お子さまに合ったペースで登校再開を目指していきましょう。
再登校を目指す上で、保護者様ができるサポートや心構えは下記の記事で詳しく解説しています。
▶不登校から復帰する方法は?再登校する際に覚えておきたい大切な3つのポイントは?
今回は、不登校の影に潜んでいる病気について具体的な種類・症状をご紹介しました。精神障がいは、寛解(その症状を消失させること)が難しく、いかに病気を理解し、ともに生きていけるかがポイントとなります。
正しい理解には、病院受診が必要不可欠です。不登校中のお子さまの様子によっては、病気の可能性も念頭に置き、適切な対応ができるとよいですね。
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