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不登校から高校受験するときに知っておきたい3つのポイントとは?

不登校

2023/04/16

不登校のお子さまが中学3年生になると、高校への進学ができるかどうか気になる保護者様は多いと思います。

「中学で不登校でも高校へいけるのかな」「勉強していないから受験なんてできないかも」と不安を抱えていませんか。

この記事では、不登校から高校受験するときに気をつけることや対策について解説していきます。また、進学先にどのような選択肢があるかもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

高校受験に必要な調査書について

高校を受験するとき、入試の選考資料として利用するために、中学校から高校側へ「調査書」(内申書)を渡します。

「調査書」(内申書)とは、中学校の先生が作成する書類で、生徒の学校生活の態度と成績について記述した文書です。

ここでは、調査書の内容に当たる出席日数と内申点について説明していきます。

出席日数

高校受験では、欠席した日数が多いと合否判定に影響する場合があります。対象となる欠席日数は一般的には3年間で30日程度です

不登校の場合は、数時間だけの登校や保健室登校、部活に参加していると欠席にはなりません。また、フリースクールによっては、学校と連携して出席扱いになる場合もあります。

ほかにも、定期テストは受けていたり、提出物はできるかぎり期日までに提出するようにしておくと、出席日数は少なくても意欲のある態度が認められる可能性はあります。

内申点

調査書(内申書)の「各教科の学習の記録」の欄に記載される成績が「内申点」になります。そもそも、不登校で定期テストを受けていなければ、学校の成績が下がり内申点も低くなってしまうので、高校を受験する場合は不利になる可能性は高いでしょう。

しかし、不登校の経験がある生徒を積極的に受け入れている高校もあり、欠席が多い理由を「自己申告書」に記入すれば、内申点を配慮してもらえる場合があります

また、出席日数が足りなくても定期テストの副教科の点数でカバーする方法があります。学力検査は5教科または3教科なので、保健体育・音楽・技術家庭・美術の副教科は、入試で出題されないという理由から内申点の比重が高くなっているのです。

高校受験の勉強方法について

高校受験の学力考査は、5教科(国語・数学・英語・社会・理科)または3教科(国語・数学・英語)です。

不登校で勉強を進めていなかったお子さまは、まずは勉強ができる環境を整えましょう。お子さま自身が高校受験するという強い意思を持ち、勉強する意欲がわいてきているならば、遅れを取り戻すことは難しいことではありません。

ここでは、受験に向けての勉強方法をお伝えします。

家庭教師

不登校のお子さまは、一般の学習塾で集団授業を受けるのが苦手ではないでしょうか。家庭教師であれば1対1で勉強を教えてくれるので、質問もしやすくお子さまのペースで進められます

不登校生を専門にしている家庭教師であれば、勉強以外のサポートも充実しており、お子さまが抱える不安や悩みに寄り添いながら指導してくれるでしょう。

自主学習

学校で配布されるプリントや問題集などを利用して学習を進めることも可能です。学習した内容を中学校に提出すると内申点アップの期待もできるかもしれません。

しかし、わからない内容が出てきたときにすぐに質問できる環境ではないので、対処法を考えておく必要があります。保護者様や兄弟が教えたり、参考書を購入するなどして、わからない内容の理解を試みましょう。

オンライン学習

効率よく勉強を進めるのに適しているのが、オンライン学習です。高校受験を目標に勉強を進めるお子さまのために、学習計画を作成するサービスがあったり、抜けている単元の穴埋めを無理なく計画的に勉強できるよう指導してくれます

小・中学生向けのオンライン学習を定額制で契約できるサブスタでは、プロの学習アドバイザーが不登校のお子さまに寄り添ってサポートしてくれます。教材の提供だけではなく、最適な学習方法での勉強習慣が身に付くため、保護者様も安心してお子さまを見守ることができるでしょう。

また、オンライン教材を活用した在宅学習は、「出席」を認められる場合があります不登校であっても、出席扱いになる制度が利用できるのも大きな利点ではないでしょうか。

不登校でも受け入れてくれる学校について

たとえ中学校で不登校の期間があっても、高校受験ができないということはありません。お子さま自ら不登校から抜け出して、高校生活を送りたいというエネルギーがわいてきているのであれば、受験を乗り越え充実した学校生活が送れるはずです。

ここからは、不登校でも受け入れる体制がある学校を紹介します。いくつかの選択肢があることをお子さまに伝えて、進学先を一緒に考えてみてください。

全日制公立高校

高校からは学校へいきたい気持ちがあり、大学への進学も視野に入れているのであれば、全日制高校への進学がのぞましいでしょう。

全日制公立高校には、不登校枠といわれる募集がありますが、試験と面接で合否が確定するので、純粋に学力を伸ばす必要があります

また、「学力検査の結果」と「調査書の記録」のどちらを重視するかは高校ごとに定められています。選抜方法の比重は募集要項に記載されているので確認してみてください。

全日制私立高校

全日制私立高校は一般的に「推薦(専願・併願)」と「一般入試(専願・併願)」の入試方法を設けています。

合格の可能性が高いのは専願ですが、不登校の時期があっても推薦入試が可能なケースがあります。なぜなら、住んでいるエリアの高校によっては参考にする調査書は中3のみという場合があるからです。つまり、不登校が中1と中2の時期だけなら、推薦を出してもらえる可能性があります

通信制高校

通信制高校は、通信での授業形態で、所定の単位の取得と3年間の在籍を満たせば高校卒業資格を取得できます

学校に通学するか、自宅学習を基本として学校が指定するスクーリングや合宿のみ参加するかなど、学び方を自分で決められるのが大きな特徴です

定時制高校

定時制高校は、毎日登校して授業を受ける必要がありますが、授業時間は4時間程度です。基本的には3年間で高校卒業資格を取得できます

夜に授業がある「夜間定時制」と、朝と昼に授業がある「昼間二部定時制」、朝昼晩に授業がある「三部制」の授業スタイルに分かれます。

チャレンジスクール

チャレンジスクールは、不登校で勉強が遅れているけれど高校へ進学したい生徒を受け入れる都立高校です

単位制となっており、必修科目と選択科目から自分で授業スケジュールを組み立て、3年から4年で決められた単位を取得すると卒業資格が得られます。

入学するにあたっての審査は、志望出願書・面接・作文のみで、学科試験はなく、内申点も関係ありません。ですので、不登校により内申点が不利であったり学力が及ばなくても、しっかり学びたい意欲があれば挑戦できます。

まとめ

この記事では、不登校から高校受験するときに知っておきたい3つのポイントを紹介しました。

中学で不登校の時期があっても高校受験は可能です。お子さまが自らの意思で進学を希望するのであれば、勉強の遅れは取り戻せます。

保護者様は、高校受験についての必要な知識を持ち、いくつかある選択肢の中からお子さまにあった進学先を一緒に考え、高校入学へ向けてサポートしてあげてください!