
2011年、家庭教師派遣事業を展開する教育系グループの営業責任者に就任し、3年間従事。2015年に教育ベンチャーを起業して以来、一貫して小・中学生向けICT教材の企画・開発に携わり、無学年式のオンライン学習教材「サブスタ」を開発。
また、昨今不登校生が増え続ける中、全国の通信制高校と連携し、サブスタを通じて出席扱い制度普及の活動を行っている。
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お子さまの様子を見ていて「どうしたらもっとやる気を出してくれるんだろう…」と思ったことのある保護者様は多いのではないでしょうか。
実は、保護者様の声掛けにはお子さまにとって大きな影響力があります。ちょっとした言葉で気持ちが前向きになることも珍しくありません。
今回は、お子さまがやる気になる魔法の言葉とその使い方をお伝えします。気を付けたいポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
やる気が見えないお子さまでも、ちょっとした言葉一つでモチベーションは上げられます。特に中学生は、周囲からの声掛けに敏感な時期です。保護者からの前向きな言葉は、学習や部活動への気持ちを後押しする重要な要素になります。
ここでは、なぜ言葉掛けだけでお子さまのやる気が高められるのかという理由について解説していきます。ぜひ日々の親子のコミュニケーションに活かしてみてください。
中学生は心身ともに大きく成長してるため、とても多感な時期だと言われています。周囲の言葉に敏感なのが特徴です。特に、保護者様や先生といった身近な大人からの言葉はお子さまの自己評価や行動に大きな影響を与えます。
「こんな簡単な問題も分からないの?」といった否定的な言葉は、お子さまを委縮させ、自信を失わせてしまいます。逆に、「ここまで自分でできてすごいね!」「次はここも一緒にがんばってみよう!」といった前向きな声掛けは、お子さまに達成感を持たせることができ、もっと頑張ってみようという意欲を引き出せます。
お子さまの日常のすてきな行動やちょっとした変化に気づいたら、すかさずポジティブな声掛けをするよう心がけてみてくださいね。
お子さまがお子さまが本気を出せる環境には、失敗しても大丈夫という安心感が欠かせません。やってみようと思っても、ダメだった時のことを考えると足が進まなくなるのは大人も同じですよね。
たとえば定期試験に向けて全力で頑張ったとして、それが結果に繋がらないかもと思うとモチベーションは上がりません。本当は興味のある志望校があっても、落ちたら困るからやめておこうと挑戦する前から思ってしまうこともあります。
お子さまのモチベーションを上げるためには、保護者様の声掛けを通してお子さまが「いつも味方でいてくれる」という安心を抱けていることが大切です。
毎日のコミュニケーションを通して、親子の強い信頼関係を築いていきましょう。
お子さまが何かに挑戦するとき「自分ならできる!」と思えるだけの自己肯定感を持っておくことが大切です。自分に対して自信を持てているかどうかで、難しいことにもポジティブに立ち向かえるかが決まります。
自己肯定感とは、ありのままの自分自身を認められる感覚のことを指します。これを高めるためには、周りの大人の関わり方が重要です。
たとえば何かに失敗した時に、「結果は残念だったけど、ここまでがんばれたのがすごいよ」と努力した過程を認めてあげましょう。信頼している保護者様から承認されることで、自己肯定感を上げることができます。
このような経験の繰り返しが自分に自信を持つことに繋がり、「やってみよう!」というチャレンジ精神を後押しすることができるのです。
保護者様の声かけ次第でお子さまのやる気は変わることがわかっても、どんな言葉をかけていいのか悩む人もいることでしょう。
ここからは、お子さまのやる気を引き出せる「魔法の言葉」を7つ紹介していきます。前向きに成長できる言葉かけをぜひ実践してみてください。
努力している姿勢をしっかり認めてあげる言葉をかけてあげてください。
目標に向かって努力を認めてもらうと、お子さまは保護者様が「自分を見てくれてる」ということを感じられます。一人で頑張っているわけではないという安心感や、期待に応えたいという気持ちが生まれ、自然とやる気を高めるきっかけにすることができます。
努力をしてもすぐに結果が出るとは限りません。継続して取り組むことが大切です。そのためのモチベーションをしっかりと高める声掛けができれば、自然と成果がついてくるでしょう。
目標が明確になっている時、夜遅くまで机に向かっている姿を見ることもあるかと思います。そんな意欲の高い状態を継続させるために効果的なのが「無理しないでね」とお子さまの体を気遣う声掛けをすることです。
急にやる気を出して爆発的に勉強するお子さまは途中で電池切れになり、やる気が一気になくなるということがあります。もしお子様が疲れ始めていると感じたら、「今日は無理しないで休んだら?」と声を掛けるだけで、気持ちが楽になりやすいです。バランスよく取り組むことで長期的にモチベーションを維持しやすくなるので、ぜひ取り入れてみてください。
また、体を気遣う保護者様の言葉かけを通して、お子さまは「自分が大事な存在である」と感じることができます。このような経験は自己肯定感を高めることに繋がり、お子さまのやる気をつくる土台にもなりますよ。
保護者様からのお子さまを信じているというメッセージは、お子さまの頑張りを支えてあげる強い影響力を持っています。
信頼している保護者様から「あなたならできるよ!」と直接言ってもらうことで、「自分はやればできるんだ」と前向きな気持ちを持つことができます。お子さまにとってはこれ以上ない大きな勇気を与えてくれる言葉となるでしょう。
漠然と伝えるのではなく、お子さまの具体的な強みを添えてあげるとより効果が期待できます。たとえば「〇〇はすごい集中力を持っているんだから、じっくり取り組んだらきっとできるよ」など、能力を認める言葉を含めることで説得力が増すのでおすすめです。
「失敗すること=ダメなこと」ではないということを伝えてあげるのが大切です。どのようなことにも共通しますが、何かにチャレンジするときにいきなり成功するとは限りません。失敗したら、その中で成功のためのヒントを見つけて次に活かすことで成長に繋がります。
とはいえ、誰でも失敗は怖いものです。安心して堂々と失敗できるように、ぜひ保護者様から「失敗してもいいんだよ!」という言葉をかけてあげてください。お子さまの不安を和らげ、やってみようという気持ちを引き出すことができます。
「ミスしても次またがんばればいいだけだよ!」と伝えられれば、お子さまは安心して挑戦できるようになるでしょう。失敗を成長の糧にできるよう、前向きな言葉かけを意識してみてください。
お子さまの頑張りが成果として表れてきたら、すかさず結果を一緒に喜びましょう。「結果が出てきたね!」「がんばってたもんね!」といった努力の成果を認める言葉は、お子さまの自信につながります。お子さまも「がんばってよかった」と思えるでしょう。
この言葉を効果的に使うためには、保護者様がお子さまの小さな成長にも細かく気付くことが大切です。「あれ、前より計算速くなったね!」とちょっとした変化に気づいて声をかけてあげると、お子さまに関心を持っていることが伝わりモチベーションアップが期待できます。
結果を一緒に喜ぶ姿勢が伝わると、お子さまは「もっと喜んでもらいたい」と思い、より一層頑張るようになることが多いです。ぜひお子さまの成長を素直に一緒に喜ぶ言葉をかけてあげてください。
保護者様の一言でやる気が上がることもあれば、逆にお子さまのやる気を下げることもあるので注意が必要です。特に否定的な言葉や比較する言葉は、お子さまの自信を失わせ、勉強への意欲を妨げてしまいます。
ここでは、やる気を削いでしまう言葉を3つ紹介していきます。これらの言葉を避けることでモチベーションを維持しやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
勉強する様子が見られないと「そんなやり方じゃ成績なんて上げられないよ」「その程度の努力じゃ合格できないよ」など、否定的な言葉をお子さまにかけてしまうこともあるでしょう。しかし、努力を否定されると「どうせやっても無駄なんだ」とやる気を失ってしまいます。
保護者様としては発破をかけるつもりで言っていたとしても、逆効果になることが多いです。ほとんどのお子さまは、勉強に対して絶対的な自信があるわけではありません。不安な心境の中で葛藤しながら取り組んでいるので、否定されれば「やっぱり意味ないか」「自分には無理だ」と諦めてしまいます。
勉強に向き合わない姿に直面したら、「もう少し勉強量を増やせば、あなたならその分成果が出ると思うよ。」などポジティブな言葉を使うように意識してみてください。
「勉強しなさい!」と命令されると、お子さまは反発したくなるものです。「やらされている」という感覚が強くなり、自主的に取り組むのとでは学習効率が大きく変わってきます。とにかく終わらせることだけに意識を向けてしまうので、本質的に学力を向上させるのは難しいでしょう。
なかなか勉強に向かわないようであれば、代わりに「一緒に計画立ててみようと」と提案してみるのがおすすめです。自分で考えるきっかけづくりになるので、自主性を尊重しながら勉強を促すことができます。
強制的にやらせるのではなく、お子さまが主体的に行動できるような声かけを意識しましょう。
「〇〇さんはあなたと違って、一日〇時間も勉強してるらしいわよ」といった比較は、お子さまの自尊心を傷つけたり、劣等感を感じさせたりする原因となります。
保護者様の中には「あなたにもできるはずなのに」という期待の気持ちが裏側にあったとしても、お子さまにはネガティブな気持ちだけが伝わってしまいがちです。周りの誰かと比較する言葉かけは避けるようにしてください。
比べるのであれば、過去のお子さま自身と比較するのがおすすめです。「あの時あんなに頑張ってたんだから、今回もできると思うよ!」など、比較対象がお子さま自身であれば「過去の自分にできたんだから頑張れるのかも」と前向きに受け止めることができるでしょう。
魔法の言葉を上手に活用するためには3つのコツがあります。
言葉をかけるときの関係性やタイミングによってより高い効果が期待できますので、ぜひ頭に入れながらお子さまとのコミュニケーションを取ってみてください。
お子さまのやる気を魔法の言葉で引き上げるためには、言葉が届きやすい関係性をしっかり築いておくことが効果的です。そのためにもまずはコミュニケーション量を増やしましょう。
中学生になるとお子さま自身も学校生活で忙しかったり、思春期ということもあり家にいても一緒に過ごす時間が短かったりということはよくあります。そのため、自然とコミュニケーション量が減ってしまいやすい時期です。
そこでおすすめなのが、「毎日あいさつをすること」です。多感で難しい時期だからこそ、毎日のあいさつだけはぜひ意識して保護者様から声をかけてみてください。実践していれば、まず「会話がなかった」という日をなくすことができます。
余裕があるときはぜひ「おはよう、今日は学校で〇〇がある日だったよね」と一言添えてみてください。コミュニケーションが生まれ、会話の雰囲気もぐっと明るくなりますよ。保護者様の言葉がお子さまにしっかり届きやすくなるように、より良い関係性を築いていきましょう。
魔法の言葉をただ使うだけでは、お子さまの心には響きません。お子さまの状況をきちんと理解したうえでタイミングを見て適切な声掛けをすることがポイントです。
たとえば疲れている時に「〇〇ならできるよ!」と言われてもプレッシャーに感じてしまうでしょう。逆にやる気をなくしてしまう可能性も考えられます。
大切なのは、お子さまの気持ちを考えた上で声をかけることです。表情や態度をよく観察し、「ちょっと疲れが溜まってそうだね。今日は無理せず休んだら?」「忙しいのによくがんばってるね!」と状況に合った言葉を選びましょう。
無理に前向きな言葉をかけるのではなく、まずは共感する姿勢を示すことも重要です。お子さまの立場に立った言葉を意識し、適切なタイミングで伝えてあげてください。
どんなに素敵な言葉をかけても、お子さまに伝わらなければ意味がありません。お子さまが受け取りやすいように、伝え方にも気を付けましょう。
たとえば、「頑張ってるね」と言うときに、表情が無表情だったり、スマホを見ながらだったりすると気持ちが伝わりにくいです。伝える時は、お子さまの目を見て話すように心がけてみてください。また、魔法の言葉を使うときは具体的な内容を添えてあげると、お子さまは保護者様の言葉を言葉をに受け取りやすくなります。
「すごい!」だけではなく、「計算が早くなったし、間違えなくなったね!」「前より字が綺麗になってる!」のような伝え方をしましょう。伝え方ひとつで、お子さまのやる気は大きく変わってきますよ。
言葉の伝え方やタイミング次第で、お子さまのやる気は高められます。
「よくがんばってるよ」と努力を承認してあげるだけでやる気につながったり、「失敗しても大丈夫」と伝えれば挑戦する気持ちが育つことも珍しくありません。ぜひお子さまの様子を見ながら魔法の言葉を使ってみてください。
お子さまのやる気を高めて結果に繋げるためには、保護者様の声掛けと併せて学習環境を整えることも大切です。どちらも上手に活用することで、勉強に対する意欲を高めることができますよ。
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