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不登校になったら親は仕事を休職するべき?やめたらどんな影響がある?

不登校

2024/04/30

保護者様が仕事に励まれる中でお子さまが不登校になると、保護者様はご自身が仕事をしていたことを責めたり、「すぐにでも仕事を休職・やめなければ」と思われたりするかもしれません。しかし、仕事を休職したりやめたりすることが不登校の問題に必ずしもよい影響を与えるとは限りません。

今回は、保護者様が仕事を休職したりやめたりした場合と、続けた場合に起こりうる事態を想定し、詳しくご紹介します。

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不登校児の親は仕事を休職・やめた方がいい?

仕事をやめるべきか悩む女性

不登校のお子さまの人数は年々増え続けています。

不登校の原因はいくつか指摘されていますが、文部科学省が発表した最新データによると、「親子のかかわり方」が不登校の原因になっているケースが全体の8%存在します。

また、文部科学省の家庭教育に関する調査では、「仕事が忙しいことが理由で子どもと過ごす時間がない」と回答している保護者様が76%と多数存在することが明らかとなっています。

出所:文部科学省 家庭教育関連データ

近年は共働き家庭が増加していますが、保護者様が仕事に追われすぎてしまうと、お子さまとの時間が減ってしまいますよね。

したがって、お子さまが不登校になった際に、保護者様が「仕事ばかりで子どもの変化に気づけなかったせいだ」「仕事を休職・やめた方がいいのか」と悩まれてしまうのも不思議なことではありません。

しかし、仕事を休職したりやめたりしたからといって不登校が改善するかといえば、そうでもないのです

お子さまの不登校によって仕事を休職したりやめた方がよいのかについては、以下の2点を念頭に置いて検討する必要があります。

①子どもの性格を考慮する

保護者様がお子さまの不登校によって仕事を休職したりやめたりすると、お子さまは責任を感じたり罪悪感を抱いたりしてしまうことがあります。

詳細は後述しますが、保護者様が良かれと思ってとった行動が、必ずしもお子さまが求めている対応になるとは限りません。むしろ、保護者様の行動がお子さまにとっては新たな悩みの種となる場合もあるのです。

また、仕事を休職したりやめたりすると自宅でお子さまと過ごす時間が増えますが、お子さまがそれを望んでいるかどうかを知っておく必要があります

たとえば、思春期のお子さまの場合、保護者様が急速に距離を縮めようとすることに抵抗感を抱いたり、常に見張られているように感じて反発したりすることも珍しくありません。

保護者様が仕事を調整することをお子さまも希望しているのかどうか、可能であればお子さま本人の意向も尋ね、性格も考慮しながら検討できるとよいでしょう。

②休職が解決策とは限らない

保護者様が仕事をしていることに負い目を感じて休職しても、不登校問題が改善されるとは限りません。

というのも、そもそも不登校問題に特効薬はないのです。「不登校中はさまざまな対応を試行錯誤し、その都度お子さまの反応を見ながら解決に向けて少しずつ進んでいく」と考えておいた方が保護者様も負担なくお子さまと向き合っていくことができるでしょう。

その「さまざまな対応」の一つに、保護者様が仕事を休職したりやめたりするという選択肢が浮かぶこともあります。

「〇〇をすれば不登校が改善するだろう」と過度な期待を抱きすぎると、それが叶わなかったときに必要以上に落ち込んだり不安になったりしてしまいます

仕事の休職が解決策になるとは限らないことを念頭に置いた上で、実際にどうするか検討できるとよいですね。

不登児の親が仕事を休職・やめたらどうなる? 

仕事はやめたらどうなるか悩む親子

お子さまが不登校になったとき、日中自宅で過ごすお子さまの世話をしたり、お子さまと向き合う時間を作ったりするために「仕事を休職・やめる」という選択をする保護者様もいますよね。このようなとき、仕事を休職したりやめたりするのはお母様の方が多いのではないでしょうか。

仕事を休職したりやめたりするとお子さまと過ごす時間は増えますが、新たな悩みや問題が発生するケースがあります。

具体的に起こると想定される事態をいくつかご紹介します。

仕事を辞めた結果①:子どもと過ごす時間が増える 

保護者様が仕事を休職したりやめたりすると、お子さまと過ごす時間が格段に増えますよね。

これまで、日中は仕事に追われていた保護者様も、不登校によって自宅で過ごすお子さまと向き合う時間の“量”を確保することができます。

仕事も不登校のお子さまのケアも全力でこなすのは疲れてしまいますが、仕事を休職・やめれば、これまで仕事に費やしていた労力から解放され、よりお子さまに関心を向けることができるでしょう

お子さまと会話する時間が増えれば、よりお子さまのことを知ることができ、不登校の原因が明らかになったり対応策の手がかりが得られたりする場合もあります。

仕事を辞めた結果②:経済的に苦しくなる 

仕事を休職したりやめたりすると時間にゆとりができる一方で、ご家庭によっては経済的に苦しくなってしまう場合があります。

世帯年収の低下によって、生活水準を下げなければならない状況に陥ることも想定されます。

経済的な余裕は保護者様の心の余裕にも繋がりますし、場合によってはお子さまの教育にかけられる費用にかかわってくることもあるでしょう。不登校のお子さまのケアはもちろん大切ですが、保護者様が仕事を休職したりやめたりしても生活は守られるのかという点を蔑ろにするわけにはいきません

ご家庭の事情に照らし合わせて選択できるとよいですね。

仕事を辞めた結果③:子どもが罪悪感や怒りを感じる可能性がある

保護者様が仕事を休職・やめると、お子さまが「自分のせいで辞めたんだ」と責任を感じてしまう場合があります。

特に、保護者様が仕事に強く誇りを持っていたり、働くことを生きがいにしている場合、そのような保護者様の仕事への姿勢はお子さまにも伝わっているはず。

保護者様が仕事を休職したりやめたりすることによって、お子さまが責任を感じ、「親の大切なものを奪ってしまった」という意識を持つことは避けたいですね。

また、仕事を休職・やめた保護者様に怒りを感じるお子さまもいます。

不登校は親子二人三脚で取り組んでいくことが望ましい問題ですが、思春期に差し掛かり自立心が芽生え始めているお子さまの場合、「不登校は自分だけの問題」と捉えていることがあります。そのようなときに保護者様が仕事を休職・やめてお子さまと積極的に関わろうとすると、干渉されることに反発心を抱いてしまうのです。

加えて、「信用されていない」との思いから、保護者様に怒りを感じることもあります

このようにお子さまが責任や怒りを感じ、思い悩むことで不登校問題が親子関係の悩みに発展してしまうのは避けたいですよね。

保護者様が仕事をどうするかは、お子さまの年齢や性格も考慮した上で、しっかりとお子さまとコミュニケーションをとりながら決定していくことをおすすめします。

仕事を辞めた結果④:親が社会とかかわる機会が減る

仕事を休職・やめると、保護者様の世界は「家庭がすべて」になりやすくなります。

本来、仕事をして社会と繋がったり、職場での交友関係を持ったりすることは保護者様の心の健康によいものです。休職などによってそれが絶たれてしまうと、不登校問題のストレスを発散したり気分を切り替えたりする機会も失われてしまいます。

これまで仕事に生きがいを強く感じていた保護者様の場合、大きな喪失感を味わう可能性もあります

責任感の強い保護者様ほど、「子どもの不登校問題に全力を注がなければならない」と感じてしまいがちですが、家庭での生活によって保護者様がストレスまみれになってしまうことは望ましくありません。

むしろ、不登校問題を乗り越えていくために仕事という外の世界との繋がりが必要になる場合もあるのです。お子さまの不登校中に仕事について検討する際には、「一日中家庭で過ごす生活」を想定しておく必要があります。

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不登校児の親が仕事を続けるとどうなる? 

仕事を続ける母

前項では、お子さまの不登校によって仕事を休職したりやめたりした場合についてご紹介しましたが、それとは反対に仕事を続けた場合、お子さまにはどのような影響があるのでしょうか。

今回は特に、親子関係や保護者様の心理ストレスに着目して、起こりうる事態をご紹介します。

不登校生活を送るお子さまにとって、学校や自宅以外の居場所が必要な理由は以下の記事で詳しく解説しています。

不登校になると居場所はどうなる?居場所づくりが必要な理由を心理学的に解説!

仕事を続けた結果①:子どもに過干渉にならずに済む 

前項でご紹介したように、仕事を休職・やめて一日中お子さまと過ごしていると、ついお子さまの言動が気になり、目についてしまいますよね。お子さまの言動にすぐに口を出してしまったり、お子さまが自力で達成できることでも保護者様が先回りしてやってしまったりする機会も増えてくるでしょう。

しかし、日中仕事をしてお子さまと物理的に距離を取ることができれば、過度に干渉せず済みます

不登校中のお子さまの様子は気にかける必要がありますが、かといってずっと“親子でべったり”が正しいかというとそうとも限りません。

仕事によって適度に距離を取り、お子さまとも自分とも向き合う時間を設けることで不登校が好転するケースもあるのです。

仕事を続けた結果②:不登校支援の予算が増える

意外に思われる方も多いかもしれませんが、実は不登校のお子さまと過ごす生活では、お金のかかる場面が多々あります。

たとえば、不登校中の勉強の遅れは悩みの種であり、どのような勉強法がよいのか悩まれるお子さま・保護者様は多いものです。

不登校中の勉強法には、自主学習のほか、通信教育や塾、家庭教師などが挙げられますが、いずれも費用がかかるものばかりです。利用するサービスによっては、数万円単位の費用が必要になることもあります。

また、お子さまが勉強したり学校と同じように集団の場で過ごしたりしたいと希望した場合、フリースクールの利用が候補として挙げられることがあるかもしれません。しかしフリースクールは有料で、授業料の全国平均は33,000円となっています

勉強に関するもの以外でも、たとえば、お子さまが「学校には行けなくても趣味などを通して社会と繋がりたい」と希望するケースもあります。この場合も、趣味の内容次第ではお金が必要となってきますよね。

お子さまをサポートしたり新たな可能性を探ったりする上では、このように決して安くはない費用が必要となる場面が度々あるのが現状です。

保護者様が仕事を休職したりやめたりした場合、家計によってはそれらの費用を捻出することが難しくなることがあります。しかし、保護者様が仕事を続けていれば、お子さまの希望をすんなりと叶えてあげられることもあるのです。

不登校中にできる勉強法については、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。

▶︎不登校中の勉強法はどうしたらいい?自主学習でも遅れは挽回できる?

仕事を続けた結果③:不親にとっての息抜きになる

お子さまが不登校になったときこそ、保護者様は心にゆとりを持ってお子さまと接することができるとよいですね。前項と重なりますが、仕事を休職したりやめたりしてお子さまと四六時中一緒にいたのでは、保護者様も煮詰まってしまいます。

保護者様はお子さまを守り育てる存在ですが、それ以前に一人の人間でもあります。不登校のお子さまと過ごす中で、イライラしたり疲れを感じたりすることは何ら不思議ではありません。

仕事を辞めてお子さまとじっくり向き合うという選択ももちろんよいですが、それによって保護者様が煮詰まり、イライラした態度でお子さまと過ごしてしまっては元も子もありませんよね。不登校のお子さまのためを思い仕事を辞めたはずなのに、親子関係が悪化してしまっては不登校解決にもよいとは言えません。

保護者様が適度に仕事をし、家庭以外の社会と交流する機会を持つことで心にゆとりが生まれるのであれば、むしろその方が不登校のお子さまにとってもよい影響を与える場合もあります

お子さまの状況と向き合うことで、精神的に疲れを感じている方は以下の記事をご確認ください。

不登校の子どもを持つ親はしんどい!疲れた気持ちが楽になる方法とは?

仕事を続けた結果④:子どもが自宅で一人で過ごすことになる

これは、家族構成やご家庭の事情によってさまざまですが、保護者様が仕事を続けることで不登校で自宅にいるお子さまが、日中一人で過ごすことになるご家庭もありますよね。

お子さまの年齢によっては、防犯面などの点からお子さま一人で過ごさせることに不安を抱かれる保護者様もいらっしゃるでしょう。

お子さまが自宅で安全に過ごせる環境が整っているのかどうかという点も念頭に置いた上で、仕事を継続するか否か検討できるとよいですね。

不登校と家庭問題の関連については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

不登校になりやすい家庭の特徴は?不登校にならない家庭に改善する方法

不登校対応と仕事を両立させるには?

仕事を両立させている母

ここまでご紹介したように、お子さまの不登校中に仕事を休職したりやめたりした場合と、続けた場合では、どちらにもメリット・デメリットがあります。

しかし保護者様の中には、仕事を「するか」「しないか」という偏った選択ではなく、不登校への対応と仕事を上手く両立させる方法を模索している方もいるのではないでしょうか。

現在仕事をしている保護者様は、「仕事を続ける場合のメリット」を感じつつ、不登校への対応にもエネルギーを注ぐことができれば、それがベストですよね。

ここでは、不登校への対応と仕事を両立させる方法についてご紹介します。

方法①:勤務時間を調整する

仕事を続ける場合、勤務時間を調整することで不登校のお子さまとの時間を確保しつつも働くことができます。

たとえばフルタイム勤務の場合は時短勤務に、パートタイムで週5日勤務している場合は週3日にするなどです。もちろん、勤務先との相談・調整は欠かせませんし、調整の内容次第では収入が減ってしまうこともあります。

しかし一度完全に退職してしまうと、再度仕事をしたいと思ったときに、一から就職活動を始めなくてはなりません。中には、その労力を負担に感じる保護者様もおられるでしょう。

退職はせず、勤務時間を調整することで、収入を得たり社会との繋がりを感じたりしたまま、不登校のお子さまと向き合うことが可能になります

勤務先とも相談しつつ、保護者様にとって「ちょうどよい」と感じられる仕事ができることが理想です。

方法②:不登校児に対応した施設を利用する

お子さまが不登校支援に特化した施設やサービスを利用し、日中そこで過ごすことができれば、その間保護者様は安心して仕事をすることができるようになります。

たとえば、前項でも少し触れたフリースクールや、市町村の教育委員会が運営する適応指導教室は、主に不登校の児童生徒のために設置されている施設であるため、不登校中のお子さまが過ごしやすい環境が整備されています。勉強に関しては、一人一人に合ったペースで指導したり見守ってくれたりするため、お子さまは過度なプレッシャーを感じることなく取り組むことができるでしょう。

また、不登校という共通点から他の児童生徒と打ち解けられることも珍しくありません。同じ境遇で過ごしているということがお互いに安心感を与え、気兼ねなく話せることもあります。学校ではなかなか見つけられなかった居場所を、フリースクールなどで見つけられる可能性があるのです。

このように、お子さまが自宅以外の居場所を見つけることができれば、不登校問題が前進していると言えますし、保護者様にも気持ちの余裕が生まれるのではないでしょうか。

保護者様が仕事に行っている間、ただ自宅にいるだけでは何かと不安もありますが、「不登校に特化した施設で過ごしている」と思えば仕事にも専念しやすくなります。

利用にあたっては、お子さまの意思を第一に考え尊重する必要がありますが、仕事と不登校対応を両立させるための手段としては有効です。

フリースクールを検討されている方は、以下の記事で詳しく解説していますのでご確認ください。

フリースクールの問題点は?不登校児が後悔しないためにデメリットを調査!

まとめ

仲が良い親子

今回は、お子さまの不登校と保護者様の仕事の関係についてご紹介しました。

保護者様が仕事を休職したりやめたりした場合、お子さまと過ごす時間を確保できる一方、家計の変化や保護者様の心労によって親子関係に影響を与える場合があります。とはいえ、仕事を続けた場合、お子さまの年齢によっては「親が不在の間、自宅で一人で過ごさせてよいものか」といった新たな悩みも発生しますよね。

仕事を休職・やめた場合と、仕事を続けた場合、どちらも一長一短ありますが、これらはご家庭の事情やお子さまの特性によっても随分変わってきます。

保護者様が仕事をやめたからといって必ずしも不登校問題が改善するとも言い切れませんし、上記でご紹介したような事態を想定した上で、保護者様にとってもお子さまにとってもベストな選択ができるとよいですね。

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監修

サブスタ代表

森岡峻平

もりおか・しゅんぺい。株式会社lean earns代表取締役。学習アドバイザー、不登校カウンセラー。
2011年、家庭教師派遣事業を展開する教育系グループの営業責任者に就任し、3年間従事。2015年に教育ベンチャーを起業して以来、一貫して小・中学生向けICT教材の企画・開発に携わり、無学年式のオンライン学習教材「サブスタ」を開発。
また、昨今不登校生が増え続ける中、全国の通信制高校と連携し、サブスタを通じて出席扱い制度普及の活動を行っている。

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