
2011年、家庭教師派遣事業を展開する教育系グループの営業責任者に就任し、3年間従事。2015年に教育ベンチャーを起業して以来、一貫して小・中学生向けICT教材の企画・開発に携わり、無学年式のオンライン学習教材「サブスタ」を開発。
また、昨今不登校生が増え続ける中、全国の通信制高校と連携し、サブスタを通じて出席扱い制度普及の活動を行っている。
正しく学ぶ方法や成績の伸ばし方、
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今やスマホは生活の一部となり、多くの人にとってなくてはならない物になっています。その一方で、一部では学力への悪影響を指摘する声もあるため、スマホを持たせるべきかどうか迷っている保護者様も少なくありません。
この記事では、スマホと学力低下の関係や、スマホのメリット・デメリット、さらに保護者様がお子さまと一緒に考えるべき、スマホとの上手な付き合い方についてわかりやすく解説していきます。
もくじ
今の子どもたちは、生まれたときからスマホという存在が当たり前の環境で育っているため、大人以上に使いこなしていることもめずらしくありません。
まずは、そんな子どもたちのスマホ事情や、実際どのようにスマホと関わっているのかを紹介していきます。
スマホが身近にある環境で育ってきた世代は、スマホネイティブ世代と呼ばれ、こうしたデジタル機器の操作に抵抗がなく、自然と慣れ親しんでいます。今の子どもたちにとってスマホは特別なものではなく、日常生活の一部となっているのです。
このような環境で育った子どもたちは、情報収集やコミュニケーションの手段としてスマホを使うことが当たり前で、調べものをするときも辞書や図鑑で調べるのではなく、検索するのが普通です。友だちとの連絡手段も、電話ではなくメッセージアプリやSNSを主に利用する傾向があります。
このように、スマホが生活の中心となっている子どもたちにとって、日常生活を送るためにはスマホが欠かせません。だからこそ、スマホの使い方や利用時間について、保護者様が適切にサポートすることが大切です。
スマートフォンの普及は近年急速な広がりを見せました。NTTドコモモバイル社会研究所の調査によると、スマホ・キッズケータイの所有率は、小学6年生で74%に達し、中学1年生では77%、中学3年生では84%という報告です。
また、こども家庭庁の令和5年度調査では、インターネットを利用する小学生(10歳以上)のうち70.4%、中学生の93.0%が自分専用のスマートフォンを使用しています。さらに、総務省の令和5年通信利用動向調査によると、6〜12歳の43.5%、13〜19歳の90.3%がSNSを利用しており、スマホは日常的な交流や、情報収集の手段としても広く利用されていることがわかります。
こうした状況を踏まえると、スマホを持たせるかどうかだけでなく、どのように使わせるかが重要です。使用目的やルールについては、あらかじめ整理しておきましょう。お子さまと一緒に考えていくことが大切です。
(出典:NTTドコモ モバイル社会研究所「調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~」、こども家庭庁「令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査
調査結果(速報)」、総務省「令和5年通信利用動向調査」)
子どもたちにとってスマホは欠かせないツールになっている一方で、スマホによる影響を心配する声が多いのも事実です。では具体的にどのような懸念があるのでしょうか。
ここからは、お子さまがスマホを持つことで起こり得る懸念を紹介していきます。
スマホを使うことで学力が低下すると言われています。
スマホを使いすぎると、どうしても学習に意識が向きにくくなるのは事実です。勉強中に通知が来たりすると、そちらに気持ちが移ってしまうため集中できません。
また、スマホを触る時間が増えると、机に向かう時間や睡眠時間が削られやすくなります。とくに多いのは、ながら勉強の状態が続き、集中せず時間だけが過ぎていき、理解が不十分になることです。
スマホは非常に便利なツールですが、お子さまの学習効率を下げる可能性があります。このような事態を防ぐためにも使い方には注意が必要です。
スマホを何気なく触っていると、気づけば思っていたより時間が経っていたという経験は、大人でもよくありますよね。
とくにSNSなどは目的なく見ていても刺激に溢れているため、触っているとあっという間に時間が過ぎていくものです。その結果、ちょっとのつもりがだらだらと長引いてしまいがちで、やるべきことに手がつかなくなってしまいます。
スマホを使用する時間を意識するだけでも、日常の時間の使い方は大きく変わります。まずは、お子さまと一緒にルールを決めて、生活にメリハリをつけることが大切です。
スマホの画面を長時間使いすぎると、体調や睡眠に悪影響を及ぼします。画面をずっと見続けていると、目が疲れたり、姿勢が崩れたりして、肩こりや頭痛の原因になるのです。
また、寝る前までスマホを使っていると、画面の光や情報の刺激によって脳が休まらなくなり、良質な睡眠をとりにくくなります。その結果、日中の集中力やメンタルにも良くない影響を及ぼす可能性が高いです。
健康な毎日を過ごすためにも、お子さまの生活習慣には意識を向けるようにしましょう。スマホが影響するようであれば、お子さまと相談してある程度使用を制限するのも効果的です。
スマホには使いすぎによる注意点もありますが、うまく使えば日常に役立つ優れたツールです。
ここでは、スマホがどのように役立つのか、お子さまにとってのメリットを見ていきましょう。
大きなメリットのひとつが、調べたいと思ったことをすぐに検索できることです。わからないことをその場ですぐ調べる習慣がつけられると、学びの意欲や自分で解決する力が身に付きます。
また、辞書や参考書のような文字や図解だけでなく、わかりやすい解説動画などを検索できるのも魅力です。うまくコツをまとめた動画は世の中に多く存在しています。
もちろん、正しい情報を見極める力も必要です。保護者様が使い方や注意点をしっかりとアドバイスすることで、スマホを正しく扱うことができるようになるでしょう。
スマホを持っていれば、家族や友だちとすぐに連絡が取れるようになります。外出先や放課後でも、メッセージや通話でやりとりができるため防犯面でも安心です。
とくに最近の友だち同士では、電話だけでなくチャットやSNSを通じてやりとりすることが多く、コミュニケーションの幅が広がります。ちょっとした相談や遊びの約束なども、気軽にやりとりでき、今の子どもたちにとっては、こうした連絡の取り方が自然になっています。
ただし、言葉の受け取り方やタイミングによって誤解が生じやすい側面もあるため、使い方には注意が必要です。保護者様が適度な距離感で関わり、安心してやりとりができるよう見守ってあげてください。
スマホにはたくさんのメリットがありますが、何より大切なのは、使い方を工夫することです。
そこでここでは、日常生活の中でスマホと上手に付き合うために、意識しておきたいポイントを紹介します。
スマホと上手に付き合っていくためには、まず使う時間を決めることが大切です。だらだらと長時間使ってしまうことを避け、メリハリをつけるためにも、使う時間にルールを設けましょう。
たとえば、夜9時以降は使わない、宿題が終わったあとの夕飯の時間まで使うなど、ご家庭の生活リズムに合わせながら事前にルールを決めておくことで、行動に移しやすくなります。ここでのポイントは、保護者様だけで決めてしまうのではなく、お子さまと一緒に話し合いながら決めていくことです。
決めた時間をきちんと守ることは、スマホに限らず、自己管理の力を養うためにも必要なことです。最初はうまくいかないこともあるかもしれませんが、少しずつ調整しながら、お互いが納得できる利用時間を見つけていきましょう。
スマホとの付き合い方を考える際は、使う時間だけでなく、使う場所を決めておくことも大切です。どこでも自由に使える状態だと、つい手が伸びてしまい、だらだらといじってしまいます。
食事中は使わない、寝室には持ち込まないなど、使っていい場所と使わないようにする場所を決めておくと、メリハリのある行動ができます。使用する場所はリビングなど、保護者様の目が届く範囲にしておくのがおすすめです。
場所のルールを決めるだけでも、スマホの使い方そのものが整っていきます。どこなら安心して使えるか、どこにあると集中できなくなってしまうかを話し合い、無理のないルールを一緒に決めていきましょう。
お子さまだけでなく、保護者様自身のスマホの使い方もぜひ見直してみてください。大人がずっとスマホを使っていれば、お子さまの立場からすると自分だけルールを決めさせられたと思ってしまいます。
食事中や会話の途中でもスマホを手放せない様子を見て、お子さまはどう思うでしょうか。自分が思っている以上に、お子さまは保護者様のことをよく見ています。
せっかくなので、家族全員でスマホとの関わり方を考えるきっかけにしてみるのがおすすめです。お子さまだけでなく、みんなで一緒にルールを決め、守ることで、自然とスマホとの上手な付き合い方が身についていきます。
スマホの使い方一つで、お子さまの生活や学びは大きく変わります。だからこそ、保護者様の関わり方次第で、スマホとの付き合い方を前向きなものに変えていけます。
まずは、使う時間や使用する場所のルールをお子さまと一緒に決めましょう。さらに学びの環境を整えたいのであれば、無学年形式のオンライン学習サービス「サブスタ」がおすすめです。カレンダー式で作成された勉強のプロが作る学習計画表をもとに、ライフスタイルに合わせて学習を進められるため、より質の高い学習環境が整います。
スマホを正しく活用し、学びの味方に変えて、お子さまの未来を広げていきましょう。