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子どもが学校で「辛い」のはどんなとき?保護者が知っておくべきこと

不登校の児童生徒が年々増えるなか「子どもが学校で辛そうだなぁ」と悩みを抱えている保護者様は多いのではないでしょうか。お子さまが学校で「辛い」と感じるのは、勉強や友達関係などさまざまな原因があります。お子さまが不登校になってしまうと保護者様も心配ですよね。

この記事では、お子さまがどのような理由で学校が辛いのか、不登校になる前に保護者様ができることについてお伝えします。お子さまが学校の辛さを乗り越えられるように、ぜひ参考にしてください。

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子どもが学校で辛いと感じているサイン

子どもが学校で辛いと感じているサイン

文部科学省の調査によると、令和5年度の小中学校における不登校児童生徒数は346,482人にのぼり、過去最多になりました。この調査からもわかるように、学校が辛いと思っている子どもは、保護者様が想像する以上に多いのかもしれません。子どもたちが利用するSNSにも「学校が辛い」といった内容の投稿が毎日たくさん書き込まれています。

ここでは、学校で辛いと感じている子どもたちからはどんなサインが表れるのか解説します。

体調不良

熱があるわけでもないのに朝起きられなかったり、頭痛や腹痛を訴えてきたりするときがあります。食欲がなく実際に食事を取らない日もあるでしょう。精神的な負担から体調不良を訴えているケースが多いので、無理に学校へ行かせるのは控えてください。

学校に行こうとすると体調が悪くなるのは、自信を失い息切れしている状態です。何らかの乗り越えられないストレスを抱え自己肯定感が下がっていると考えられます。

自己肯定感を高める声かけについては、次の記事でもくわしく書いていますのであわせて読んでください。

▶ 不登校の子どもを前向きにする声かけとは?言葉に気をつける理由を解説!

睡眠リズムが乱れる

学校で辛い出来事があると、考えすぎて寝付けなくなる夜もあります。心身的なストレスから、身体を守るための反応で朝起きられない日もあるでしょう。また、自律神経の乱れから睡眠トラブルを抱える場合もあります。

自律神経の働きが悪く、起立時に立ちくらみやふらつきがあると「起立性調節障害」の可能性があります。起立性調節障害は、午前中に症状が強く現れ午後から体調が回復するケースが多いため、まわりからは怠けていると思われる場合もあるでしょう。保護者様は、お子さまの辛さを理解してゆっくり休ませてあげてください。

学校の話をしない

保護者様が学校のことを聞いても話したがらないのは、辛い出来事があったときのよくあるサインです。いじめの場合は「親に話しにくい」「心配をかけたくない」と思っている可能性があります。話したがらない様子であれば、無理に聞き出さないようにしてください。

もし、お子さまから「学校に行きたくない」などの発言があれば、しっかり話を聞いてあげましょう。時間をかけて話を聞くだけで、お子様は安心して元気になる場合もあります。

表情や態度の変化

お子さまが、いつもと違う表情や態度のときは注意して様子を見るようにしましょう。笑顔が少なくなったり、感情が薄くなったりしている場合は何か悩みを抱えている可能性があります。学校で何か問題があったかどうか、軽く聞いてあげるのもいいかもしれません。しかし、保護者様の不安からお子さまに問い詰めないようにしましょう

また、ちょっとしたことでイライラしたり怒ったりするときもあります。急に親に対して反抗的な態度を示すなど、性格がキツくなったように感じるのは不登校になる前に子どもがよく見せるサインの1つです。ただの反抗期と決めつけて、お子さまの心の変化を見過ごさないようにしましょう。

学校が辛い原因

学校が辛い原因

学校が辛いと感じるのは、子どもの年齢や性格などからもさまざまな原因が考えられます。1つの原因だけでなく、複数の原因が絡みあって学校に辛さを感じている場合もあるでしょう。辛い気持ちを抱えたまま無理して学校ヘ行き続けると、心身に大きなストレスがかかり不登校になる可能性があります。

学校が辛いと思うのは、多かれ少なかれ誰もが持つ気持ちかもしれません。しかし、辛い気持ちをただ我慢して過ごしていると解決策は見つからないままです。ここからは、学校が辛いと感じる原因を具体的に解説します。

人間関係がうまくいかない

学校生活では、先生や友達との関わりが不可欠です。そのため、人間関係がうまくいっていなければ、学校生活が辛く感じてしまう子どもは少なくありません。人間関係がうまくいかないなと感じる理由は「友達がいない」「先生が怖い」「いじめられてる」などがあります。学校の集団生活で人間関係がうまくいかないストレスは、親が思う以上に苦しいものです。積み重なったストレスで体調を崩してしまうケースもあるでしょう。

授業についていけない

学校生活の中心となるのは授業です。授業についていけなければ、学校へ行くのが辛いと感じるのも無理はありません。授業についていけなくなる理由は「授業内容が興味や関心と合っていない」「授業内容が難しくて理解できない」などが挙げられます。

いわゆる「落ちこぼれ」になる子どもたちは、勉強のやり方がわからず不安を抱いていたり、まわりとの差から疎外された気持ちでいたりします。また、学力の問題ではなく集団で受ける学校の授業スタイルが合わずに苦しんでいる場合もあるかもしません。

無気力

学校生活には、授業のほか、部活動や行事などの取り組みがあります。学校生活にやりがいを感じられず無気力な子どもが、学校が辛いと感じるのは想像できます。学校生活にやりがいを感じない理由は「目標や夢がなく学校生活に意味を見いだせない」「部活動や行事の取り組みに興味や関心がない」などがあるでしょう。

学校が辛いと感じる理由が人間関係や勉強の問題ではない場合、これまでの失敗や挫折が心の傷となり、頑張っても無駄だと感じている子どももいます。学校生活以外において何らかの不安を抱えているケースもあります。

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学校の辛さを乗り越える対処法

学校の辛さを乗り越える対処法

「学校が辛い」という子どもがいる親は、子どもと一緒に悩んで心が苦しくなるのは当然です。しかし、親が何とかしてあげたいと思っても、辛い気持ちと向き合わなければならないのは子ども本人なのです

ここでは、お子さまが学校の辛さを乗り越えるために、保護者様ができる対処法をお伝えします。

子どもペースで過ごす

お子さまの「学校がい」気持ちが、一時的なものか長い間ずっと我慢し続けてきたものなのかを見極める必要があります。一時的である場合は、保護者様が話を聴いてあげると元気になる場合もあるでしょう。しかし、ずっと学校生活を我慢し続けてきた結果、ストレスが限界に達している様子であれば休息期間が必要です

保護者様が、勉強の遅れなどを気にして登校を促すのはよくありません。まずは家を安心安全の場所にして、お子さまが心と身体のエネルギーを貯められるようにします。お子さま自身が解決策を見つけたり気持ちに折り合いがついたりすれば、学校へ行くようになるでしょう。保護者様は、必要な休息期間だと思ってお子さまのペースを大切にしてください。

学校以外の場所を探す

学校が辛いだけの場所である場合は、学校以外のコミュニティに所属したり習い事を始めたりすると状況が一変するケースもあります。そもそも、型にはまった学校生活がお子さまに合っていない場合もあるかもしれません。

学校以外にも学べる場所はあります。子どもの主体性を尊重して自由に育てたいと考えるご家庭には、オルタナティブスクールなどの選択肢もあります。保護者様が先走って準備するのではなく、お子さまの意向を聞きながら一緒に考えて居場所を探すようにしてください

オルタナティブスクールついては、次の記事でもくわしく書いていますのであわせて読んでください。

▶ オルタナティブスクールとは?子どもの可能性を引き出す、もう1つの教育

相談相手になる

お子さまが1人で悩みを抱え込まないように、相談できる相手になってあげましょう。いつでも親に相談できる環境であるのが理想的ではあるものの、親に話しにくい内容の場合もあるかもしれません。また、反抗期や思春期にいるお子さまは、そもそも親とは話したくないでしょう。

だからといって辛そうなお子さまを放置するのではなく、保護者様が「いつでも話を聴くよ」という態度を示しておくのは大切です気持ちが伝われば話してくれる場合もあるので、お子さまの様子はいつも気にかけておきましょう。

子どもが学校で辛い時に保護者が気をつけること

子どもが学校で辛い時に保護者が気をつけること

「学校が辛い」様子のお子さまには、これまでに述べたように人間関係がうまくいかない、授業についていけない不安などがあります。辛さを抱えたお子さまを見ているのは、保護者様も心配で仕方がないですよね。しかし、お子さまの心理を理解して正しく見守りながらサポートすれば、学校に対する辛さも和らいでいきます

ここでは、どのような点に注意してお子さまに寄り添えばいいのか解説します。また、保護者様ご自身の過ごし方についてもお伝えしますので参考にしてください。

子どもの話を聴く

家が安心安全な場所であれば、お子さまは学校での出来事や自分の気持ちを話し始めます。保護者様は「そうはいっても…」や「でも…」といってお子さまの話を否定せず、最後まで話を聞きましょう。保護者様の意見を押し付けたり正論を述べたりすると、お子さまは自分の気持ちを理解してくれていないと思ってしまうので注意してください。

学校が辛いと思うお子さまの立場になって同じ感情を一緒に味わうのが大切で、親の立場からの励ましやアドバイスは不要です。

子どもの気持ちに共感する

何でも話せるような親子の信頼関係を築くには、話をただ聴くだけではなく共感も大切です。共感とは、相手の意見に同調するのではなく、相手の立場になりきって相手の気持ちを味わい寄り添うことです。話を聴いて共感する姿勢でいると、お子さまは「自分の気持ちを理解してくれた」と安心します。

親の立場から「辛くても学校へ行くのは当然」「勉強しなければならない」などの価値観を押し付けないようにしましょう。

不要な価値観を手放す

学校が辛くて登校できないお子さまを想像すると、まわりからどう思われているのか気になりませんか?まわりとの比較から出てくる不安は、自分の価値観からはみ出たときに生じます

「学校へ行かなければならない」という保護者様の価値観があるから、不登校になるかもしれない状況を考えると不安になるのです。勉強するべきだという価値観は間違ったものではありません。しかし、現代の子どもたちは情報を得る手段が多くあり、学校だけが学べる場所ではなくなってきたことも理解しておきましょう

保護者様が幼少期から受け継いできた価値観は、現代には必要ないものもあるかもしれません。本当に大切にしたい価値観以外は手放すと保護者様自身の心も軽くなるはずです。

保護者様が自分の時間を大切に

親であれば、学校が辛いお子さまを心配するのは当然です。しかし、前に進むかどうかはお子さまの課題であって、保護者様の課題ではありません。「なんとかしてあげなければ」と、お子さまの領域に入り込み過ぎないように注意しましょう。

前述したように、お子さまの立場になり共感するのは大切です。しかし、適切な距離を保ち過干渉にならないようにしなければなりません。なかなか話をしてくれない、動き出さない様子のお子さまにイライラしていると、その雰囲気がお子さまに伝わります。

不安が大きくなっているときは、自分の好きなことや熱中できることをして過ごすようにしてください。甘いものを食べてリラックスしたり、運動やストレッチも気分転換になります。

まとめ

子どもが学校で辛いと感じながら登校するのは、保護者として心配ですよね。辛い原因は、授業についていけなかったり人間関係がうまくいっていなかったりとさまざまです。お子さまがいつもと違う表情や態度のときは、注意して様子を見るようにしましょう。

また、学校が辛い様子が、一時的なものかずっと我慢し続けてきたものなのかを保護者様は見極める必要があります。話を聴いてあげるとすぐに元気になる場合もあれば、時間がかかる場合もあるでしょう。学校生活をずっと我慢し続けてストレスが限界に達しているようであれば休息期間が必要です。

「不登校にさせてはいけない」と保護者様は自分を追い詰めないように、自分の時間を大切に過ごすようにしてください。

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監修

サブスタ代表

森岡峻平

もりおか・しゅんぺい。株式会社lean earns代表取締役。学習アドバイザー、不登校カウンセラー。
2011年、家庭教師派遣事業を展開する教育系グループの営業責任者に就任し、3年間従事。2015年に教育ベンチャーを起業して以来、一貫して小・中学生向けICT教材の企画・開発に携わり、無学年式のオンライン学習教材「サブスタ」を開発。
また、昨今不登校生が増え続ける中、全国の通信制高校と連携し、サブスタを通じて出席扱い制度普及の活動を行っている。

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