
2011年、家庭教師派遣事業を展開する教育系グループの営業責任者に就任し、3年間従事。2015年に教育ベンチャーを起業して以来、一貫して小・中学生向けICT教材の企画・開発に携わり、無学年式のオンライン学習教材「サブスタ」を開発。
また、昨今不登校生が増え続ける中、全国の通信制高校と連携し、サブスタを通じて出席扱い制度普及の活動を行っている。
正しく学ぶ方法や成績の伸ばし方、
不登校に悩まれている方のための
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家で勉強に集中できないことで悩むお子さまは少なくありません。
やる気があっても気が散ったり、思うように進まなかったりして、勉強への苦手意識が強まってしまうこともあります。
しかし、「家で勉強できない=努力不足」とは限りません。
集中できない理由には、環境や気持ちの状態、勉強のやり方など、さまざまな要素が関係しています。
そこで本記事では、勉強が家でできない理由を整理しながら、取りかかりやすくする工夫や、ご家族にできるサポートについてわかりやすく紹介します。
自分に合った勉強方法を見つけるためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
家で勉強しようとしても集中できず、思うように進まないことがあります。
その背景には、環境や気持ちの面など、いくつかの原因が関係しています。
ここでは、勉強が家でできないときに考えられる主な理由について見ていきましょう。
家の中には、注意を引くものがたくさんあります。
スマートフォンやゲーム、テレビ、漫画など、勉強と関係のないものが近くにあると、集中が途切れやすくなります。
また、自分の部屋やリビングといった場所で勉強しようとすると、気持ちの切り替えが難しくなることもあります。
勉強に集中できるような空間ではない場合、自然と気が散ってしまうのは不思議なことではありません。
勉強に集中するには、まず周囲の環境を見直すことが大切です。
身の回りにある気が散るものを一時的に遠ざけるだけでも、集中力を保ちやすくなります。
家で勉強しようとしても気分が乗らず、取りかかれないことがあります。
こうしたモチベーションの低下は、単なるやる気の問題ではなく、さまざまな要因によって引き起こされます。
たとえば、勉強の成果がすぐに見えなかったり苦手な教科が多かったりすると、「やっても意味がない」と感じてしまうことがあります。
うまくいかない経験が積み重なると、自信がなくなり、ますます前向きに取り組めなくなることもあります。
また、家庭はリラックスする場所であるため、「今やらなくてもいいかな」という気持ちが生まれやすくなります。
その結果、勉強の優先順位が下がり、後回しになりがちです。
モチベーションが上がらないのには理由があります。自分を責めすぎず、少しずつ取り組むことが大切です。
家で勉強が進まない原因として、「何をどうやって勉強すればよいのか分からない」というケースもあります。
学校の授業は分かるけれど、自分一人で復習しようとすると、どこから手をつけたらいいか迷ってしまうこともあるでしょう。
また、ノートを開いても思うように進まず、「時間だけが過ぎていく」と感じると、勉強に対する苦手意識が強くなってしまいます。
勉強のやり方がわからないまま無理に続けると、理解が深まらず、ますます自信をなくす悪循環に陥ってしまう恐れがあります。
まずは「どんなやり方なら取りかかりやすいか」を考えて、小さな工夫から始めてみましょう。
家での勉強がうまくいかない状態が続くと、学力だけでなく心の面にも影響が出ることがあります。
最初は「ちょっとやる気が出ない」程度のことでも、そのままにしておくと、苦手意識が強まり、自信を失ってしまう可能性があるのです。
勉強が思うように進まないことが重なると、「自分はダメなんじゃないか」と感じやすくなります。
こうした気持ちは、自己肯定感の低下につながり、「どうせやっても無理」という考えに変わってしまいやすくなります。
また、授業の内容が分からなくなっても誰にも相談できず、学習への不安が積み重なっていくことがあるかもしれません。
その結果、学校生活そのものに苦手意識を抱くようになることもあります。
こうした悪循環を防ぐためにも、「家で勉強できないのはよくあること」「工夫すれば変えられること」と理解することが大切です。
無理をせず、自分に合った方法を探す姿勢が、前向きな変化につながっていきます。
家で勉強ができないと感じたときは、やり方や環境を少し変えるだけで、気持ちが切り替わることがあります。
完璧を目指すのではなく、「少しでも取りかかれる工夫」を積み重ねることが大切です。
ここでは、実践しやすい対処法を具体的に紹介します。
集中して勉強するには、環境を整えることが大切です。
部屋が散らかっていたり音が気になったりすると、注意がそれやすくなります。
机の上を片づけ、必要なものだけを置くようにしてみましょう。
照明の明るさや椅子の高さなども、集中力に影響します。静かな時間帯に勉強したり、音を遮る工夫をしたりすると効果的です。
環境を少し工夫するだけでも、「勉強しよう」という気持ちが生まれやすくなります。
集中力は、気合いだけでなく環境によっても変化するものです。
集中できないときは、勉強する場所を変えるだけでも気分が切り替わることがあります。
長く同じ空間にいると、だらけてしまうこともあるでしょう。
たとえばリビングや図書館、カフェなど、人の目や少し緊張感がある場所を選ぶと、気持ちが引き締まりやすくなります。
「ここに来たらやる」という意識が持てる場所を見つけましょう。
自分にとって集中しやすい場所を知っておくことで、勉強に取りかかりやすくなります。
集中力が切れてきたときや、勉強を始める前に気持ちを切り替えたいときは、甘いものを少し食べるのも効果的です。
糖分をとることで脳が活性化し、一時的に集中しやすくなるといわれています。
具体的には、少量のチョコレートやラムネ、果物などがおすすめです。
ただし、食べすぎてしまうと眠気やだるさの原因になることもあるため、量は少なめにしておくのがポイントです。
「おやつを食べたら勉強する」と決めておくと、気持ちの切り替えにもつながります。
ちょっとしたご褒美があると、気持ちが前向きになるでしょう。
スマートフォンは、家での勉強の大きな妨げになるアイテムの一つです。
通知音が鳴らなくても、近くにあるだけで手が伸びてしまうことがあります。
勉強中は、スマートフォンを別の部屋に置いて、目に入らないようにすると効果的です。
そのほかにも、タイマーを使って「30分だけスマホは使わない」などのルールを決めるのもおすすめです。
自分で誘惑から距離をとる工夫をすることで、集中しやすい環境が整っていきます。
「ポモドーロ・テクニック」は、「25分勉強+5分休憩」を1セットとして繰り返す方法です。
時間を区切ることで集中しやすく、疲れにくくなります。
短時間だけ頑張ると決めることで、勉強へのハードルも下がります。
また、タイマーを使うことで、取りかかるきっかけもつかみやすくなるでしょう。
勉強時間を少しずつ区切って取り組むことで、継続しやすくなります。
毎回勉強を始める前に決まった動作を取り入れると、気持ちの切り替えがしやすくなります。これが「ルーティン」です。
机を片づけたり、お気に入りの文房具を並べたり、飲みものを用意したりするだけでも効果があります。
「この動作=勉強開始」と自然に結びつけていくのです。
無理なく続けられるルーティンを見つけることで、勉強の習慣化につながるでしょう。
やる気が出ないときは、まず簡単な勉強から始めると次第にやる気が出てくることがあります。
たとえば、漢字練習や単語の確認などがおすすめです。
「これならできそう」と思えることから始めることで、少しずつ気分が乗ってくることがあります。
また、「今日はここだけやる」と決めて始めれば、プレッシャーを感じずに取りかかることができるかもしれません。
一人では勉強に集中できないときは、誰かと一緒に勉強することでやる気が出ることがあります。
友達と問題を解き合ったり、家族の近くで勉強したりすると、気持ちが引き締まるでしょう。
誰かと同じ時間に取り組むことで、自然と集中しやすくなります。見守られている安心感も、やる気を引き出すきっかけにつながります。
無理せず、周囲の力を借りながら勉強のリズムをつくっていきましょう。
なお、こちらの記事では、お子さまが家での勉強に集中できないときの対処法について、さらに詳しく解説しています。親子で取り組める対策を紹介しているので、あわせてご覧ください。
子どもが家で勉強に集中する方法5選を紹介!保護者ができるサポートも解説
お子さまが家で勉強に取り組めないとき、保護者様ができるサポートはたくさんあります。
無理にやらせようとするよりも、寄り添いながら環境を整えたり、安心感を与えたりすることが大切です。
ここでは、家庭でできる具体的な関わり方を紹介します。
お子さまが勉強しているときは、周囲の音や動きが気にならないように、できるだけ静かな環境を整えてあげましょう。
テレビの音や家族の話し声、家事の音などが耳に入ると、集中が途切れてしまうことがあります。
特に、難しい問題に取り組んでいるときは、わずかな物音でも気が散ってしまうことがあります。
無意識のうちに注意が外へ向いてしまい、勉強の手が止まってしまう原因にもなります。
可能であれば、勉強の時間帯にはテレビや音の出る家電を控えたり、静かな空間を確保したりして、お子さまが集中しやすい環境を一緒に作っていきましょう。
「家族がちゃんと見守ってくれている」と感じられることで、お子さまは安心して勉強に取り組めるようになります。
お子さまが集中できるような学習環境を用意することも、大切なサポートの一つです。
照明の明るさや机・イスの高さ、部屋の温度など、ちょっとした工夫で勉強への意欲が変わることもあります。
また、机の上を片づけて必要なものだけを置いたり、気が散るものを視界から外したりすることで、お子さまの集中力は高まりやすくなります。
勉強するスペースは、できれば毎回同じ場所を使うようにすると、自然と「ここでは勉強する」という習慣づけにもつながります。
お子さまが使いやすい文房具や教材を一緒に選ぶのもおすすめです。
「自分の勉強環境を自分で整える」ことが、学習への前向きな気持ちを育てるきっかけになります。
お子さまが家で勉強に取り組めないとき、つい「なんでやらないの?」と問いただしたくなることもあるかもしれません。
しかし、そうした声かけは、お子さまのやる気をかえって下げてしまうことがあります。
勉強がうまくいかないときほど、お子さま自身も「ちゃんとやらなきゃ」と思っています。
そんな中で責められると、自信をなくしたり、「自分はダメだ」と思い込んだりしてしまうこともあるでしょう。
大切なのは、「勉強ができないこと」よりも、「どうすればやりやすくなるか」に目を向けることです。
「どんなときに集中しやすい?」と問いかけて、一緒に工夫を考えるだけでも、お子さまにとっては大きな支えになります。
できていないところを指摘するのではなく、できそうな工夫を一緒に探す姿勢が、前向きな気持ちを引き出すきっかけになります。
家庭でできることには限界があります。
どれだけ環境を整えても、本人がどうしても勉強に取りかかれない状態が続くときは、第三者のサポートを取り入れるのも一つの方法です。
学習塾や家庭教師、通信教育など、外部の力を借りることで、「誰かが見てくれている」という適度な緊張感が生まれ、集中しやすくなることがあります。
「サブスタ」のようなオンライン学習サービスを利用すれば、自宅にいながらプロの指導を受けることも可能です。
また、気持ちの面で不安が強い場合は、学校の先生やスクールカウンセラーに相談するのも有効です。
保護者様では気づきにくいお子さまの気持ちや背景を、第三者が丁寧に聞き取ってくれることでしょう。
無理にすべてを家庭だけで抱えこまず、必要に応じて外部の力をうまく活用していくことで、お子さまが安心して学びに向かえる環境が整っていきます。
なお、こちらの記事では、中学生のお子さまが家で勉強習慣を身に付ける方法について、さらに詳しく解説しています。具体的なコツや保護者様のサポートも紹介しているので、あわせてご覧ください。
中学生が家での勉強習慣を身に付けるには?親ができる簡単なサポートをご紹介
家で勉強できないと感じるのは、ごく自然なことです。
その背景には、お子さまの努力不足ではなく、環境や気持ちの状態、勉強の方法など、いろいろな理由が関係していることがあります。
しかし、自分に合ったやり方を見つけたり、無理せず取りかかる工夫をしたりすることで、少しずつ前向きな気持ちが戻ってくることもあります。
「どうしても一人では難しい」と感じたときは、「サブスタ」を活用するのも一つの手です。お子さまのペースに合わせて、安心して学べる環境を整えることができます。
家で勉強ができず不安なときは、抱えこまずに相談してみましょう。