2011年、家庭教師派遣事業を展開する教育系グループの営業責任者に就任し、3年間従事。2015年に教育ベンチャーを起業して以来、一貫して小・中学生向けICT教材の企画・開発に携わり、無学年式のオンライン学習教材「サブスタ」を開発。
また、昨今不登校生が増え続ける中、全国の通信制高校と連携し、サブスタを通じて出席扱い制度普及の活動を行っている。
学習コラム
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受験のストレスにさらされたお子さまの姿を目の当たりにしたとき、どうサポートすべきか不安を抱える保護者様も多いのではないでしょうか。特に、不登校を経験したお子さまが受験に挑む場合、通常の受験とは異なるストレスを抱えるケースが少なくありません。
不登校経験があると、学習の遅れへの焦りが重なり受験に対するプレッシャーがより大きくなる傾向があります。このような状況においては、受験の成功だけを目標にするのではなく、お子さまが無理なく受験に向き合える環境づくりが不可欠です。
この記事では、一般的な受験ストレスの対策に加え、不登校経験のあるお子さま特有のストレスに配慮したサポート方法を解説します。ぜひ、参考にしてください。
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もくじ
受験は、お子さまにとって大きなプレッシャーをともなう挑戦です。特に不登校の経験がある場合、受験に関連するストレスはさらに大きいものかもしれません。しかし、ストレスの要因を理解すれば、受験当日に向けて保護者様も効果的にお子さまをサポートできるのではないでしょうか。
ここでは、一般的な受験ストレスと、不登校経験のあるお子さま特有のストレスについて解説します。
受験に臨む際、どのお子さまにも共通して発生するストレス要因があります。これらの一般的なストレスが、どのようにお子さまに影響を与えるかを知り、勉強と休息のバランスを意識することが大切です。
受験勉強は通常の学習以上に負担が大きく、長時間にわたって集中力を要求されます。大量の課題や模擬試験に取り組むなかで、どれだけ努力しても学習が終わらないと感じるお子さまは多くいるでしょう。
このような負担は、体力や気力を消耗させ、やる気を低下させる原因となります。学習の進捗が思うようにいかないと感じたとき、お子さまはストレスを強く感じやすくなるでしょう。
特に夜遅くまでの学習や睡眠時間の減少は、心身の健康に大きな影響を与えかねません。まずは適切な休息を取り入れた学習計画を立て、無理のないペース配分を心がけることが重要です。
成績は、受験勉強の結果を示す指標として重要な意味を持ちます。そのため、模試や定期試験の結果が良くないと「自分はこのまま合格できるのだろうか」などの不安が募り、強いストレスの原因になります。
このような不安は、勉強への集中力を下げるだけでなく、自己肯定感の低下にもつながりやすいため、適切な励ましとサポートが必要です。成績の変動は受験期には誰にでも起こりうることです。一時的な結果に一喜一憂せず、地道な努力の積み重ねが最終的な成功につながります。
受験勉強している友人が近くにいる場合、自分と友人の成績や進捗を比べてしまう場合が多々あります。友人との比較が焦りを生み、自己評価の低下やプレッシャーに変わってしまうケースもあるでしょう。
他者との比較は、時にモチベーションの向上につながる一方で、行き過ぎると精神的な負担が大きくなってしまいます。重要なのは、他者との比較ではなく、自分のペースで着実に前進し自分自身の成長に目を向けることです。
不登校経験があるお子さまは、一般的な受験ストレスに加え、過去の経験に起因する特有のストレスも抱えやすくなります。こうした不安や悩みには、通常のサポートに加え、より丁寧なケアが必要です。
不登校の期間があったお子さまは、周囲の同級生と比較して学習の遅れを感じやすいかもしれません。「ほかの人よりも勉強が遅れている」といった不安が、さらにストレスを生む原因になります。
不安があると、学習の遅れを取り戻すために無理な勉強をしてしまいがちです。しかし、焦らずに自分のペースで学習を進められる環境を整えるのが大切です。
不登校を経験したお子さまのなかには、学校の環境が再び負担となり「また不登校になってしまうかもしれない」などの恐れを抱くケースがあります。このような不安は、勉強への集中を妨げると同時に、心の余裕を奪ってしまう要因にもなりかねません。
保護者様が安心感を与え、無理をしない環境を整えてあげるのも大切です。
不登校の経験があるお子さまにとって、受験後に学校へ復帰するのが強いストレスとなる場合があります。学校生活に対する抵抗感や不安は、進学によって環境が変わるからといってすぐに消えるものではありません。
学校に対する抵抗感が残っていると、受験への意欲を下げる原因にもなるでしょう。受験後の学校生活がどのようなものになるかを具体的に考え、徐々に抵抗感を和らげていけるようにするのが重要です。
不登校時の経験や当時の感情が、無意識に影響を与えている場合があります。過去の苦しい体験や「自分は不登校だった」という自己否定的な思いが、受験に対する自信の妨げになっているケースも少なくありません。
保護者様がその気持ちに共感してサポートする姿勢でいると、お子さまの自己否定感は緩み次のステップへ進めます。
不登校経験のあるお子さまは、心の中に不安や葛藤を抱えています。周囲には見えない苦しみや恐れ、過去の体験に由来する複雑な感情が混ざり合い、自分でもうまく整理できないケースもあるでしょう。
このような場合、無理に説明を求めたりアドバイスを押し付けたりするのではなく、保護者様が「理解しようとする姿勢」でいるのが大切です。
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不登校経験があるお子さまにとって、受験準備はいっそう慎重に進める必要があります。適切な学習計画やメンタルケアを取り入れながら、無理のないスケジュールで着実にステップを踏んでいくことが大切です。
ここでは、具体的な勉強の進め方と学習とリラックスのバランス、そして不安を和らげるためのサポート方法について解説します。
まず、不登校期間によって生じた学習の遅れを焦らずに補うためには、無理のない計画を立てるのが重要です。いきなり高い目標を掲げるのではなく、段階的に進められる小さな目標を設定しましょう。
例えば、特定の単元を1週間で終えるなど、1日1時間の学習から始めて少しずつ増やすといった具体的な目標が効果的です。小さな目標をクリアしていけば、お子さま自身が達成感を感じられ、次の学習への意欲が湧きやすくなります。
また、スケジュールを立てる際には、休息時間も計画に組み込むことが大切です。例えば、1時間の勉強後に10分間の休憩を取ったり、週末は学習の負担を軽減したりするなど、体調や気分に合わせたスケジュールを意識しましょう。そうすることで、長期的に安定したペースで学習を続けやすくなります。
受験に向けた勉強が長時間続くと、心身に大きな負担がかかりがちです。特に不登校経験があるお子さまは、ストレスを抱えやすいため効率的な学習法を取り入れながら、勉強とリラックスのバランスを保つ工夫が必要です。
例えば、集中力が保てる時間帯に短時間で学習する「ポモドーロ・テクニック」や、要点を絞って学ぶ効率重視の勉強など、勉強時間を短くしながらも効果的な学習を取り入れるといいでしょう。
また、勉強の合間にリラックスできる方法も見つけておくのも大切です。軽い運動や趣味の時間を活用すれば、気分転換ができ心のリフレッシュが図れるでしょう。勉強とリラックスの切り替えが上手くできるようになると、集中力も向上し学習の質が高まります。
不登校経験があるお子さまは、再び学校に通えなくなるかもしれないという不安を抱く場合があります。このような不安を和らげるためには、受験を「失敗してはいけない一発勝負」ではなく「1歩ずつ進んでいくための機会」と捉える考え方が効果的です。
保護者様は、お子さまに「たとえ結果がどうであれ、挑戦する姿勢に価値がある」と伝え、自信を育むサポートを心がけましょう。
また、小さな成功体験を積み重ねるのも不安の軽減に役立ちます。例えば「今日は予定通りの学習ができた」など、日々の小さな達成感が、お子さまの自己肯定感を高めます。このような成功体験は、自信を持って学習に取り組むための支えとなり不安の克服につながるでしょう。
さらに、安心して過ごせる環境を整えるのも大切です。保護者様はお子さまの不安を理解し、プレッシャーを与えずに温かく見守る姿勢を心がけましょう。お子さまが「自分は受け入れられている」という安心感を得られると、ストレスは緩和してきます。
安心感は、ストレスを和らげるだけではなく、受験に向けての集中力の向上に役立ちます。
受験期はお子さまにとって非常に大きなプレッシャーがかかる時期です。家庭でのサポートが、心身の安定を保ちながら受験に向かう力となるでしょう。
ここでは、家庭で取り組める日常生活の工夫や、リフレッシュの重要性について解説します。
日常生活のリズムを整えるのは、受験期のお子さまにとって心の安定を保つために欠かせません。特に、睡眠と食事は心身の健康に大きく影響します。規則正しい生活を心がけ、早寝早起きの習慣をつけると、受験期に必要な集中力や免疫力も高まるでしょう。
また、バランスの取れた食事は、体調を整えるだけでなく、病気を予防して健康状態を向上させます。朝食をしっかり取れる時間を確保し、夜はリラックスできる時間を過ごすなど、規則的な習慣を日常に取り入れましょう。
受験の話題は必要なときだけにして、お子さまにプレッシャーを与えないようにします。特に不安が強いお子さまには、保護者様が受験に対して過度な期待や圧力を感じさせないよう注意する必要があるでしょう。
日常会話においては、あえて受験の話題を避け、リラックスできる会話や共通の話題に焦点を当てることが大切です。お子さまが自ら話したがるときには、受け止める姿勢で話を聞き、無理に励まそうとしたりアドバイスをしたりしすぎないよう気をつけましょう。
保護者様が安心感のある会話を心がけてあげると、お子さまも自分のペースで受験に向かう意識を保ちやすくなります。
受験勉強は、長時間にわたり集中力を要します。脳を休息させるためにも、意識してリフレッシュの時間を取り入れるようにしましょう。ときには保護者様が声掛けして、リラックスする時間を確保すると、お子さまも心身のバランスを保ちやすくなります。
例えば、勉強の合間に軽い散歩を提案したり、好きな音楽を聴く時間を確保したりするなど、勉強から少し距離を置く時間を作ると気持ちがリセットされます。一息いれると、次の学習に集中しやすくなるでしょう。
また、簡単なストレッチも効果的です。リフレッシュ方法はお子さまの負担にならないよう、自然に取り入れられるものを選ぶのが大切です。リフレッシュ時間をうまく活用すれば、気分転換ができ受験勉強に対するモチベーションも保ちやすくなります。
不登校経験があるお子さまにとって、受験は大きな挑戦であるのはいうまでもありません。安心して受験に向かうためには、保護者様が見守り、励まし、適切なサポートが必要です。
ここでは、お子さまが前向きに受験に取り組めるような具体的な支援方法について説明します。
お子さまが安心して受験に挑めるためには、保護者様が「結果よりも挑戦する姿勢」に重点を置き、努力を評価してあげることが大切です。「合格だけが成功ではなく、受験に挑戦するその過程にも大きな価値がある」という内容を伝えましょう。
それにより、お子さまの心理的な負担を軽減できます。本人の努力を肯定的に受け止め「ここまで頑張っている姿勢が素晴らしい」という評価を言葉にして伝えるのも大切です。
また、保護者様ご自身の不安や心配をお子さまに伝えないよう心がけなければなりません。保護者様の不安が伝わると、お子さまもそれを感じ取り、プレッシャーとなってしまう可能性があります。
お子さまを信じて見守る姿勢を大切にし、必要な時にだけ寄り添うような適度な距離感を保てば、お子さまは安心して受験に集中できるでしょう。
受験はゴールではなく、未来へのステップです。合否にかかわらず、将来には多くの選択肢が広がっていると伝えておくのも大切です。結果だけにこだわる必要はないと感じられるような接し方を心がけましょう。
また、進学後の生活についても一緒に考える時間を持つのもいいかもしれません。新しい環境での生活や学びが、将来どのように広がるのか、進学やキャリアの選択肢がたくさんあることを示し、未来に対して前向きな気持ちを持てるようサポートしてください。
不登校経験があるお子さまにとって、保護者様だけでサポートするのは難しい場合もあります。必要に応じて、カウンセリングやスクールサポートなどの外部の専門機関の活用を検討しましょう。
第三者からの支援やアドバイスは、お子さまの不安やストレスを軽減するだけでなく、保護者様にとっても心強いサポートといえるでしょう。また、専門家からのアドバイスで、お子さまにとって最適な学習方法やメンタルケアの方法が見つかる場合もあります。
特にカウンセリングなどの心理サポートは、不安を抱えたお子さまにとって有効な手段です。こうした外部の力を積極的に活用し、お子さまが安心して受験に取り組める環境を整えましょう。
この記事では、受験にともなうストレスの対策について解説しました。不登校経験のあるお子さまの受験ストレスは、一般的な受験ストレスに加え、過去の経験に起因する特有のものがあります。安心して受験に臨むためには、受験を合否だけで判断せず、挑戦する過程に価値を置く姿勢が大切です。
お子さまへのサポートでは、学習の遅れに対する不安や再び不登校になるかもしれないと心配する気持ちに配慮が必要です。無理のない学習計画を立て、リラックスと学習のバランスを確保し、規則正しい生活リズムの維持を心がけてください。
保護者様は、自身の不安をお子さまに伝えすぎず、必要な時だけ寄り添う適度な距離感を保ちましょう。また、カウンセリングなどの外部支援も積極的に活用するなど、受験後の進路も含めた長期的な視点でのサポートがあると、受験ストレスの軽減が期待できます。
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