
2011年、家庭教師派遣事業を展開する教育系グループの営業責任者に就任し、3年間従事。2015年に教育ベンチャーを起業して以来、一貫して小・中学生向けICT教材の企画・開発に携わり、無学年式のオンライン学習教材「サブスタ」を開発。
また、昨今不登校生が増え続ける中、全国の通信制高校と連携し、サブスタを通じて出席扱い制度普及の活動を行っている。
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高校受験のとき偏差値はどのくらいあればいいのか、疑問に思う保護者様は多いでしょう。「平均はどのくらいなの?」など、気になることも多いと思いますが、まずは偏差値の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。
偏差値は、お子さまの現在の学力や志望校との距離を把握するための大切な指標になります。この記事では、平均的な偏差値の目安や、押さえておきたい基本的なポイントを解説します。受験をしっかりサポートしていくためにも、ぜひ参考にしてください。
もくじ
高校受験に向けて情報を集めていると、必ず「偏差値」という言葉が出てきます。なんとなく聞いたことはあるけれど、具体的な仕組みや意味まではよくわかっていないという保護者様は実は多いのです。
偏差値は、志望校との距離やお子さまの立ち位置を把握するための重要な指標になり、高校選びや受験勉強の進め方などにも大きく影響していきます。まずは、偏差値とは何かを正しく知っていきましょう。
「定期テストでは点数良かったのに、偏差値は高くなかった」ということはよくある話です。実は、点数と偏差値はまったく別の基準なので、混同しないように注意しましょう。テストの点数だけでは、お子さまの偏差値はわかりません。
たとえば、平均点が高いテストで90点を取っても、偏差値は高くなりません。逆に、平均点が低いテストで70点取れると偏差値は高くなります。偏差値とは受験生全体の中で自分がどのくらいの位置にいるのかを数値化したものなのです。
点数だけを見て一喜一憂するのではなく、偏差値を通して学力の立ち位置を正しく把握することが大切です。
中学生全体の平均偏差値は、一般的に50前後とされています。偏差値は統計的に、真ん中が50になるように設定されているため、この数字が一つの目安になります。多くのお子さまがこの近辺に分布するようになっているのが特徴です。
ただし、模試の種類や受験する地域、学校のレベルによって平均値は多少変動するものなので注意が必要です。学力の高い集団での偏差値50と、基礎レベルの集団の中の偏差値50では表す意味が異なってきます。
そのため、受ける模試の種類によって偏差値は変動しやすくなります。単に数字だけで判断するのではなく、どの集団の中での偏差値なのかを注意して確認するのが大切です。
志望校に合格するための目安として、偏差値は志望校の基準より5〜10前後の幅で見ておくのがおすすめです。たとえば偏差値60の高校を目指すなら、55〜65の偏差値が目安になります。目安の数値がわかれば、今の実力から距離感が測れるため学習計画が立てやすくなるでしょう。
ただ、偏差値は模試の種類や出題傾向によって変わるものです。今は志望校の目安の偏差値に届いていなくても、きちんと分析し、対策を行えば距離は縮まっていきます。偏差値の結果だけで焦らずに、入試に向けて計画的に受験勉強に取り組みましょう。
「偏差値はいつでも自分で出せるようにしておかないと」と心配になる保護者様もいらっしゃいます。結論、数式を覚える必要はありません。基本的な考えとしては、そのテストの平均点と比べて、どれくらい上か下かを数値で示しているだけのものです。
たとえば、同じ80点を取っていても、平均点が60点のテストと、平均点が75点のテストでは偏差値はかなり変わります。点数の高さではなく、まわりと比べてどの位置にいるのかが偏差値の考え方です。
偏差値があることで、お子さまが今どの位置にいて、これからどのくらい伸ばす必要があるのかが見えてきます。難しく考えすぎず、今の立ち位置を知るためのひとつの参考として活用してみてください。
偏差値は、50がちょうど真ん中とされていて、そこから上下に広がるように分布しています。大体40〜60の範囲に集中し、全体の大半を占めています。70や30といった数値のお子さまは少なく、あまり多くは見られません。
ほとんどの受験生が一定の範囲に集中しているので、偏差値が50を少し下回っていても気にしすぎる必要はありません。
「偏差値ってそんなに重要なの?」と思っている保護者様もいらっしゃるかもしれません。確かに、数字にばかりとらわれるのはよくありませんが、上手に活用することができれば、とても便利でわかりやすい指標になります。
お子さまの今の学力がどのレベルに位置するのかを数値で判断することによって、目標までの距離を知ることができます。偏差値を理解しておくことで、お子さまの進路選択にもきっと役立つはずです。
偏差値を知ることによって、お子さまの今の学力がどの位置かを客観的に把握することができます。偏差値が約50であればちょうど全体の真ん中あたり、55なら平均よりやや上、45であれば平均よりやや下といったように、数値でおおまかな立ち位置がわかるのです。
これがわかっていれば、「今自分がどのレベルにいて、どこを目指すべきか」が明確になります。目標までの距離を可視化することで、学習計画も立てやすくなるでしょう。
大切なのは、全体の中での自分の実力を冷静に受け入れることです。正しく立ち位置を把握することで、効率的に受験準備を進めることができるようになります。
模試や実力テストで出る偏差値は、その時点でのお子さまの学力の位置を示しています。そして、この数値を継続的に見ていくことで、どれくらい成長しているか、何が課題なのかが見えてくるのが大きなメリットです。継続して偏差値の推移を記録しておけば、学習の効果も目に見えてわかるようになります。
たとえば、数カ月前より偏差値が上がっていれば、努力が成果として表れている証拠になります。逆に少し下がった場合でも、その原因を振り返るきっかけになり、すぐに対策を考えることができるでしょう。
偏差値は一回ごとの評価ではなく、長い目で見て活用していくことが大切です。お子さまが自ら前回との違いに気づくことで、やる気や自信にもつながっていきます。
偏差値は、お子さまがどの高校を目指すのかを考える際のひとつの指標になります。たとえば、模試の結果をもとに、今の学力ではこの学校が相応校、この学校はチャレンジ校といったように志望校を絞るための判断材料になります。
もちろん、偏差値だけですべてを決める必要はありませんが、目安があることで志望校選びの方向性が見えてきます。得意な科目の配点が高い学校や、自分の興味のある分野が学べる学校などと組み合わせて考えていきましょう。
偏差値は高校受験の目安として非常に重要な指標ですが、認識の仕方によっては誤解を招いたり、不安を強めてしまうこともあります。特に、初めて受験を経験するお子さまやその保護者様の場合、数字だけで判断し、不安になってしまうことがあるため注意が必要です。
そこでここでは、偏差値を見る際に気をつけておきたいポイントを紹介していきます。
偏差値は、定期テストの点数だけでは測れないものです。学校ごとにテストの難易度や平均点、出題範囲が異なるため、数値化されるのが学校内で同じテストを受けた生徒の中だけでの結果になるからです。
正確な偏差値を知るためには、受験生全体の中での位置がわかる模試を受ける必要があります。模試では、多くの学校の生徒様が同じ問題を解くため、模試受験者全体の中での学力の立ち位置がわかります。
定期テストだけでなく、学校外の模試もしっかり受けるようにしましょう。
模試の偏差値を見るときは、全体の偏差値だけでなく、科目ごとの偏差値にも注目しましょう。たとえば、全体では偏差値50だったとしても、国語は60、数学は40というように、科目によって偏差値に大きな差が出ていることがあります。
どの科目が得点源で、どの科目に課題があるのかを把握することで受験戦略を練りやすくなります。得意科目をさらに伸ばしたり、苦手な科目の対策を考えるうえで、非常に大切な視点です。
また、志望校によっては特定科目の配点が高くなるケースもあります。その場合、配点の高い科目に力を入れて学習を進めることで、効率よく得点アップが狙えます。科目ごとの偏差値をよく見て、志望校に合った学習計画を立てましょう。
模試の偏差値は、受験する模試の種類によっても変わります。模試ごとに出題内容や難易度、受験するお子さまの偏差値帯が違ってくるため、仮にそれぞれの模試で同じ点数を取ったとしても、偏差値が高く出たり低く出たりすることがあるのです。
たとえば全国模試では、学力の高いお子さまから学力に自信がないお子さままで、さまざまな層の受験生が受けています。一方で、地域限定の模試や塾内模試では、全国模試に比べて母集団が狭まります。つまり、その模試に参加している母集団のレベル次第で偏差値は変わるということです。
そのため、模試の結果を見るときは、数字だけを見てすべてを判断するのではなく、どんな模試か、どんな母集団かなど、受けた模試の特徴を理解した上で判断する必要があるのです。
偏差値は、高校受験の目安として大切な指標ではありますが、それだけで合否が決まるわけではありません。受験の結果には、当日の体調や問題との相性、出題傾向など、さまざまな要素が関わってきます。偏差値だけで判断し、無理と決めつけてしまうのはもったいないこともあります。
志望校によっては内申点や面接、小論文など、学力以外の評価を重視している学校もあります。偏差値が足りなくても、お子さまの得意な分野を活かして合格を目指すことができるかもしれません。努力や対策次第では、諦めずに逆転合格するチャンスもあります。
偏差値だけで選択肢を狭めないようにしましょう。お子さまの個性や強み、希望もふまえたうえで、できるだけ前向きな受験プランを立てることが大切です。
偏差値は、ただ数字を見て一喜一憂するものではなく、正しく読み取り、上手く活用していくことが大切です。模試の見方や偏差値との向き合い方がわかってくると、次は偏差値を上げる方法が気になってきます。
偏差値を上げるには、何か特別な才能や画期的な工夫が必要なわけではありません。自分にとっての最適な学習スタイルを見つけ、できることから一つずつ取り組む姿勢が大切です。ここからは、偏差値を上げるための基本的なコツや考え方を紹介していきます。
偏差値を上げるためには、まず現在の学力がどの位置にあるのかを正確に把握することからがスタートです。ただ単に「全部終わらせた」「何時間勉強した」だけでは苦手の克服や得点アップにはつながりません。
そこで、自分の実力を客観的に把握するのに最も有効なのが、模試を受けることです。模試を通じて、今の自分の偏差値を知ることができ、どの科目に課題があるのか、今後何を優先的に対策するべきなのかなどが、数値で見えてきます。定期的に模試を受け、点数や偏差値の推移を確認していけば、成長の手応えも感じやすくなります。
模試の結果を分析すれば、どのように学習に取り組むべきかが明確になり、学習の方向性も定まってくるでしょう。自分の実力を正しく把握し、目的を持って学習に取り組むことが、偏差値アップへの第一歩です。
偏差値を上げるためには、得意な科目よりも、苦手な科目に優先して取り組むのが有効です。理由としては、点数が低い科目ほど、基礎の理解や復習だけでも結果につながりやすいので、偏差値の伸びには直結しやすいためです。
すでに点数が高い科目だと、そこからさらに点数を上げるため、難易度の高い問題にもチャレンジする必要が出てきます。一方、今まで苦手意識が強くなかなか手がつけられなかった科目は、基本問題だけでも解けるようにしておけば、得点が大きく変わることもあります。得意な科目は現状をキープし、苦手科目の底上げができると効率的です。
苦手な科目の勉強はなかなか気が進みませんが、逆に考えれば伸びしろがたくさん残っている科目でもあります。自分のためにできるだけ前向きに向き合い、偏差値アップへつなげましょう。
偏差値を上げるためには、日々の学習を続けていくことが何よりも大切ですが、その土台となる学習環境を整えることも同じくらい重要です。
まずは、お子さまが自宅で集中できているか、学習のペースが保てているかなどを見直してみましょう。家だけのサポートではむずかしいと感じれば、塾やオンライン学習など、外部のサポートを取り入れるのも一つの方法です。
お子さまに合ったスタイルで自然と学習に向かえるよう、できるだけ最適な学習環境を整えてあげてください。
偏差値の基礎知識や上げ方のコツについてわかってくると、「もっと具体的に知りたい」「うちの子の場合はどう考えたらいいの?」など、細かい質問がたくさん出てくる保護者様が多くいらっしゃいます。
ここからは、保護者様が抱きやすい疑問や質問を紹介します。それぞれ解説していますので、参考にしてください。
一般的に、偏差値60を超えると、高い水準に位置すると評価されることが多いです。偏差値60以上は全体の上位15%程度で、成績上位層に入る目安とされています。学校選びや志望校の目標を決める際にも、一つの基準として参考にされることが多いです。
ただし、偏差値は模試の種類や地域、受験する層によって変わります。あくまで一つの基準として参考にし、必要以上にとらわれないようにしてください。
偏差値60以上を目指すには、基礎をしっかり定着させたうえで、応用問題にも取り組む必要があります。お子さまの現在の学力と目標に合わせて、段階的に力を積み重ねていくようにしましょう。
一般的に偏差値が低いとされるのは、平均と言われる50を大きく下回る偏差値を指すときです。40前後になってくると、進学先の選択肢が限られてくる場合もあり、進路に不安を感じる保護者様も増えてきます。
しかし、偏差値が低い高校だからといって、通う価値がないというわけではありません。たとえ偏差値が高くなくても、地域性や学校の方針によって、進学実績や学習サポートがしっかりしている高校も多くあります。学校の取り組みや雰囲気は、偏差値だけでは判断できない部分も大きいものです。
大切なのは、数字だけで決めるのではなく、お子さまにとって通いやすく、学びやすい環境が整っているかなど、総合的に見極めることです。偏差値の数値だけに惑わされず、お子さまにとって最適な高校選びをしましょう。
「学校の通知表がオール4になったら偏差値はどのくらい?」という質問も多いです。成績がオール4ということは、全体として平均より上の評価とされることが多く、これを偏差値の立ち位置に置き換えると、55〜60程度といえるでしょう。
ただし、通知表の成績は、決められた範囲での定期テストの点数と、授業態度や提出物など、多くの要素が含まれての内申点という数値です。一方、偏差値はこれまでのすべての学習範囲である模試の得点結果をもとに算出される数値なので、内申点の成績と偏差値はほとんど別物であると思っておきましょう。
あくまで目安として捉えるのは良いですが、正確な偏差値を知るには模試を受けてみないとわかりません。通知表と偏差値は違うものであると、どちらもバランスよく対策しながら進路を考えることが大切です。
模試で志望校の偏差値に届いていないと、「これでは受からない」と不安になってしまうものです。しかし、模試の結果はあくまで現時点での目安にすぎず、その数字だけで合否が決まるわけではありません。
模試は、今の学力の位置や課題を知るための指標にすぎず、そこからどう対策をしていくかが大切です。最初から模試で志望校の偏差値に届いていた人は多くありません。足りない事実と向き合い、あきらめずにコツコツと努力を重ね、合格を勝ち取ってきた先輩もたくさんいます。
大切なのは、模試の結果を真摯に受け止め、自分を信じて必要な対策を進めていくことです。偏差値の数字が足りないからとすぐに志望校をあきらめさせるのではなく、お子さまの可能性を信じて、前向きに考えていきましょう。
高校受験では、偏差値という数字とどう向き合うかが大切です。偏差値だけを見て一喜一憂するのではなく、正しい知識を持って活用することで、お子さまの進路選択や学習計画に大いに役立ちます。
偏差値を上げたいときは、毎日の学習習慣を自然に身につけられる「サブスタ」のサブスク型学習アプリを活用するのも一つの方法です。お子さまの学力や目標に合わせた学習が可能ため、自宅でも計画的に学力を伸ばしていくことができます。
偏差値はあくまで一つの指標にすぎません。だからこそ大切なのは、数字の意味を正しく理解し、必要なサポートを受けながら、志望校合格に向けて最適な戦略を立てていくことです。偏差値からわかる情報を味方につけ、親子で前向きに受験に取り組んでいきましょう。