
2011年、家庭教師派遣事業を展開する教育系グループの営業責任者に就任し、3年間従事。2015年に教育ベンチャーを起業して以来、一貫して小・中学生向けICT教材の企画・開発に携わり、無学年式のオンライン学習教材「サブスタ」を開発。
また、昨今不登校生が増え続ける中、全国の通信制高校と連携し、サブスタを通じて出席扱い制度普及の活動を行っている。
正しく学ぶ方法や成績の伸ばし方、
不登校に悩まれている方のための
情報を発信しています。
「うちの子には公立と私立、どちらの学校が合ってるんだろう」と考える保護者様は少なくありません。
学校選びは、お子さまの将来や学びに大きな影響を与える大切な選択なので、学費の違いや授業の進み方、学校の雰囲気など、気になることはたくさんあると思います。まずはそれぞれの特徴を知り、比べてみましょう。
この記事では、公立と私立の違い、それぞれのメリットや特徴を紹介していきます。お子さまにとって最適な教育環境を見つけるきっかけとして、ぜひ参考にしてください。
もくじ
公立とは、国や都道府県、市区町村といった自治体が運営している学校を指します。多くのお子さまが通う一般的な学校で、地域に根ざした教育が行われているのが特徴です。
学区によって進学先が決まる場合が多く、通学のしやすさや地元の友だちとのつながりも魅力の一つです。ここでは、公立中学校と公立高校のメリットについて見ていきましょう。
公立中学校の大きなメリットは、今住んでいる地域にある学校へ進学するため、通学がしやすく、さまざまな価値観や考え方を持つ子どもたちと共に学べることです。学区によって入学先が決まるため、幼なじみや小学校のときの友だちと同じ学校に通える安心感もあります。
学費は基本的に無料で、給食費や教材費などもそこまで大きな負担にはなりません。修学旅行や部活動の費用も抑えられ、経済的な面を考えても通わせやすいのが特徴です。
学校ごとの教育方針に差が少ないのもポイントです。お子さま一人ひとりの個性に合った特別な指導が行われるわけではありませんが、地域に根ざした安定した学びを提供しています。
公立高校のメリットは、学費が抑えられ、家庭の経済的な負担が少ないことです。入学金や授業料の多くが公費でまかなわれるため、通わせやすくなっています。各都道府県に複数の学校があるため、選択肢も広がります。
学力や得意分野に応じたさまざまな種類の学校があり、普通科だけでなく、工業科・商業科・農業科といった専門的な学科を選べるのも魅力です。将来の進路を見据えながら、高校生活のスタートを切ることができます。
また、公立高校も地域に根ざしているため、地元の友だちと進学先が同じになることもあり、安心して学びを深めることができます。安定した教育環境を求める方にとって、公立高校はまず真っ先にあがってくる選択肢です。
私立とは、学校法人や宗教法人などが運営している学校を指します。独自の教育方針やカリキュラムがあるため、学校ごとの特色が強く、公立に比べて自由度の高い教育が行われているのが特徴です。
お子さまの興味や個性に合った学びができる環境を求めるご家庭にとって、私立は魅力的な選択肢になります。私立中学校と私立高校のメリットについても見ていきましょう。
私立中学校の大きなメリットは、学校ごとの教育方針に基づいた特色ある学びが受けられることです。たとえば、英語教育に力を入れている学校や、ICT機器を活用した先進的な授業を行っている学校もあり、今の時代に合った力を身につけやすい環境が整備されています。
中高一貫校が多い点も特徴で、高校受験にとらわれることなく、6年間を見通したカリキュラムでじっくりと学習に取り組むことができるのも魅力の一つです。長期的な視点で学力や人間力を育むことができます。
また、私立ならではのきめ細かいサポート体制も強みです。担任だけでなく複数の教員が連携して指導にあたる体制が多く、お子さま一人ひとりの成長を丁寧に見守ってくれる学校が多くあります。
私立高校のメリットは、学校ごとに教育方針が異なり、専門性の高い授業や個性豊かなカリキュラムが用意されていることです。たとえば、難関大学への進学を目指すコースや、語学・芸術・スポーツに特化したコースなど、お子さまの興味や目標に合わせて、選択肢の幅が広がります。
また、施設や設備も充実している学校が多く、ICT機器を取り入れた授業や、最新の実験器具がそろった理科室など、学びを深めやすい環境が整っていることも魅力です。
先生と生徒の距離が近いことも特徴で、きめ細かい進路指導が行われている学校も多く見られます。放課後や長期休暇中にも面談や講習が行われることがあり、お子さまの進路に向けて、丁寧に寄り添うサポート体制があることも心強いです。
ここからは、公立と私立の違いをもう少し具体的に解説していきます。「どういうところが大きく違うの?」「授業以外にも違うところはあるの?」など、保護者様にとって気になるポイントを5つに絞って解説していきます。
それぞれの項目ごとの特徴を知っておくことで、お子さまに合った学校選びのヒントになるはずです。
公立と私立では、授業の進め方に大きな違いがあります。公立の場合、文部科学省の学習指導要領に沿って授業が進められ、全国的に見てもほぼ同じ学習内容です。学校ごとの差も出にくいため、安心できます。
一方私立では、独自のカリキュラムを導入している学校が多く、学習のスピードや内容もさまざまです。たとえば、中学3年生までの内容を2年で終え、3年目からは高校内容に入るといった先取り学習を取り入れている学校も多くあります。
部活動においても、公立と私立では違いがあります。公立の中学校や高校では、教員が部活動の指導を担当することが多く、地域の事情や先生の専門性によって活動内容に差が出やすいです。また、予算や設備面で制限がある学校も少なくありません。
一方、私立では外部コーチを積極的に招いたり、専門の指導者を配置したりする学校も多く、より本格的な活動が可能です。部活動を学校の特色として打ち出しているところもあり、大会出場や上位入賞を目指せる環境が整っているケースもあります。
学費は、公立と私立の最も大きな違いの一つです。公立の中学校や高校では、授業料が原則無料であることに加え、教科書も無償で配布されます。給食費や部活動費、修学旅行費などは別途必要ですが、全体としては比較的抑えられた費用で通うことができます。
一方、私立では、授業料のほかに施設費や教材費、学年費などさまざまな費用がかかるのが一般的です。学校によって金額には幅がありますが、年間で数十万円から100万円を超えるケースもあり、入学時の初期費用も高くなります。
私立は経済的な負担も決して小さくありません。だからこそ、学費の面だけで判断するのではなく、教育内容や通学のしやすさ、進学サポートなども含めて、総合的に見て検討することが大切です。
進学実績についても、公立と私立では違いが見られます。公立の学校は、地域に根ざした教育を行っていることが多く、地元の高校や大学への進学を目指す生徒が多い傾向です。全体的に幅広い進路が選ばれている印象で、進学対策の手厚さは学校によって差があることも少なくありません。
私立の学校では、進学実績を学校の強みとして打ち出しているところも多く、難関校や指定校推薦などを目指すためのカリキュラムやサポート体制がしっかり整えられています。そのため、進学目標が明確なご家庭にとっては、私立の環境の方が手厚く感じられることが多いのです。
学校の雰囲気も、公立と私立では違いがあります。公立の学校は地域の子どもたちが集まるため、さまざまな価値観を持つ人と関わり、過ごすことになるでしょう。クラスの雰囲気も学力や進路の目標に差があり、比較的自由な空気感がある学校が多いのが特徴です。
一方私立では、教育方針に共感して入学する生徒が多く、学習意欲や生活スタイルが似た子が集まりやすい傾向にあります。学校ごとに雰囲気は異なりますが、落ち着いた環境の中で過ごせるという声も多く聞かれます。
公立と私立の違いがわかってきて、実際にどちらが合っているかを決めるときには、もう少し踏み込んで考えてみることが必要です。
より具体的な視点をもとに、一つずつ丁寧に見極めていきましょう。ポイントを押さえておくだけで、何を基準に考えればよいかのヒントが見えてきます。ぜひ参考にしてみてください。
学校を選ぶときは、お子さまの将来の夢や興味がどこにあるかを考えることが大切です。たとえば、大学進学を目指しているなら進学サポートが整った学校を、特定の分野に関心があるなら専門的な学びができる学校を検討するなど、お子さまが目指す夢や目標に近づける環境が整っているかどうかを考えてみましょう。
もしまだ夢がはっきりしていない場合でも、お子さまが興味を持ちそうな多くの経験ができる学校を選ぶことで、視野が広がり、将来の選択肢を増やすことにつながります。
学習環境だけでなく、部活動や学校行事、先生やクラスメートとの関わりといった日々の体験にも注目してみましょう。どんな学校生活の中で成長できるかを想像してみることが、学校選びの第一歩です。
学校選びでは、進学実績やカリキュラムだけでなく、どんな学校生活を送りたいかという視点も大切にしてください。勉強を中心に集中して取り組みたいのか、部活動や学校行事を楽しみながら充実した日々を送りたいのかによっても、選ぶべき環境は大きく変わります。
私立では、行事や校則の雰囲気、授業スタイルなど、学校ごとに個性があり、自分に合う環境を見つけやすいのも特徴です。一方公立は、地域の中でバランスの取れた学校生活が送れる傾向があり、飾らず自然体で過ごしたいお子さまには向いています。
学校の雰囲気は、資料やHPだけではわかりません。説明会やオープンスクールなどに参加して、リアルな空気感を実際に感じてみることが大切です。
学校への通いやすさも大切なポイントの一つです。どんなに魅力的な学校でも、通学に時間がかかりすぎたり、乗り換えが多かったりすると、通学の負担が大きくなり、生活全体に影響が出ることがあります。特に中学生の場合は、成長期の体力や生活リズムにも気を配ることが必要です。
通学時間の目安としては、片道1時間以内が無理なく通える範囲とされていますが、距離よりも、ストレスの少ない移動かどうかを重視することが大切です。混雑状況はどうか、直通の電車があるか、バスの本数は十分かなど、負担なく通うことができるかしっかり確認しておきましょう。
事前に、実際通学する時間でシミュレーションをしておけると、その時間帯ならではの思わぬ不便に気づけることもあります。
学校の雰囲気は、実際に通ってみないとわからない部分も多く、学校選びの際に見落とされやすいポイントです。パンフレットやHPでは良い印象を受けても、実際に足を運んでみると、校内の空気感が思っていた印象と違ったり、生徒たちの様子に違和感を覚えたりすることもあります。
お子さまが毎日過ごす場所だからこそ、落ち着いて過ごせる雰囲気かどうか、先生や友だちとの関係性を築きやすそうかなど、本人がどう感じるかがとても大切です。学校説明会やオープンスクールに参加する際は、お子さまと一緒に見て回り、全体的な雰囲気や掲示物、教室の様子なども含めて、本人の感じたことを大切にしてあげてください。
フィーリングが合うかどうかは、長く通ううえで欠かせない大切な要素です。
学校生活を送るうえで、学費の負担も絶対に見逃せないポイントです。授業料だけでなく、施設費や教材費、制服代、修学旅行や行事費など、さまざまな費用がかかるため、あらかじめ全体の費用感を把握しておくことが大切です。
私立は、授業料のほかにも独自の費用が多く発生し、公立に比べて年間の支出は高くなる傾向があります。公立は、授業料が無料のケースが多く、費用を抑えられるのがメリットです。ただし、地域によっては補助制度の有無や対象が異なる場合もあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
学校のパンフレットや説明会などで、どこまでが自己負担になるのかをよく確認し、習いごとや家庭の出費とのバランスも含めて、安心して通える金額かどうか確認してみてください。
この記事では、公立と私立の違いや学校選びのポイントについて紹介してきました。学校の特徴だけでなく、お子さまの性格や目標、通学のしやすさや学校の雰囲気など、さまざまな視点から検討することで、お子さまの最適な学校が見つかりやすくなります。
無事に志望校が決まったら、早めに対策を始めておけると安心です。特に、受験を控えている場合は、効率よく学習を進められる環境を整えておきましょう。自宅で自分のペースで学習できるサブスク学習アプリの「サブスタ」では、無学年式の映像授業と学習計画表を活用しながら、受験に向けた準備を無理なく進められます。
お子さまに合った学校をしっかり見極められるよう、今できることから少しずつ進学に向けた準備を始めていきましょう。