学習コラム

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不登校が解決するには?元不登校児が語る欲しかった3つのサポート

不登校

2023/05/09

不登校を経験されている方は、一日でも早く解決したいのではないでしょうか?

学校に行けなくなることで、家で過ごす時間が増え一人取り残された気持ちからいち早く抜け出したいですよね。

コロナ禍をきっかけに不登校生は年々増え、令和3年度の全国の小・中学生の不登校生の人数は24万人を超えています。社会問題として大きく取り上げられることにより、専門的な研究は進み不登校を解決するための支援制度は増えています。

この記事では

  • 不登校中に利用できる国の支援制度
  • 不登校を解決する方法
  • 不登校でお悩みの親子が利用できる社会資源

 

についてお伝えします。

不登校とは?

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、とうこうしないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの

出典:不登校の現状に関する認識

不登校は上記のように定義されています。

不登校になり、学校に行けなくなり、それによる周囲の目や「周りが当たり前にやっていることが出来ない自分」を責め、外出等もできなくなり、不登校児が不登校で外出できないことによって日常生活において経験できることが減ってしまいます。

不登校になった際に使える支援制度について

その一方で、現在は文部科学省中心に、不登校児に対する支援も少しずつ広がってきています。

例えば、2017年に施行された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(通称,教育機会確保法)では,休養の必要性と学校以外の場の重要性が指摘されました。

出典:義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針

 

いくつもの不登校児が在籍する現場や臨床研究からも、「不登校児は誰しもなりうる可能性があり、個人や家庭のみによるものではなく複合的な要因で不登校になる可能性があり、学校に戻ることを第一目標とせずお子さまに十分な休養が取れる様にする必要がある」と言われています。

また、文部科学省は2019年に、不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保として学校復帰以外の方法が明記しています。

  1. 適応教室
  2. 不登校特例校(特例校の設置状況
  3. フリースクール
  4. ICTを活用した学習支援

 

以上の選択肢が「学校への再登校」以外として挙げられています。

不登校の状態にあるお子さまに対して、不登校になった要因に合わせて様々な解決策を国側も少しずつ提示してくれるようになりました。

例えば学力遅滞が激しく、学校に行くことが怖くなってしまったお子さまに対しては、適応指導教室での少人数での学習支援が効果的です。まずは学校の勉強に対しての不安が無くなることで、授業に参加するハードルを下げることができます。

また、自宅を出ることはできないが、学びたい意欲のあるお子さまに対してはICTを活用したオンライン学習教材(サブスタ)を使うことが効果的です。オンライン教材を利用した学習は、在宅でも学校の出席扱いになる場合があり、お子さまの自己肯定感を高めるキッカケにもなりえます。

このよう解決方法の選択肢が徐々に広がり始めているのです。不登校中でもできる勉強法については、以下の記事でさらに詳しくご紹介しています。

不登校中の勉強法は1つじゃない!6つの選択肢をご紹介

不登校の課題を解決するには?

続いて不登校の状態を解決するための5つの方法について解説していきます。

将来の社会的自立に向けた支援の視点

不登校の解決の目標は単に学校に戻る(復学)ではなく、お子さまの将来的な自立を助けることが解決です。

そのため、お子さまがどのような人生を歩みたいか?というキャリアの側面や、学習面などの支援、意思決定できるだけの情報を提供するなどが不登校の状態を解決するサポートの一例となります。

連携ネットワークによる支援

不登校になるお子さまは多様な課題を抱え「困り感」を抱えている可能性があります。

そのため、お子さまの状態や今必要なことを見極め、学校、地域、家庭、福祉、医療など様々な分野の人と連携できるようにすることがお子さまの困り感の解決に繋がります。

働きかけることや関わりを持つことの重要性

児童生徒に対して、様々な信頼できる大人が関わることで、学校に行かないことで経験できないことによるハンディキャップを追わないで済むように支援していくことも必要です。

児童自身が不登校でどうしてよいか分からない状況を解決できるだけの力をつける為にも、休養しながらもお子さまに多様な経験が出来る様に支援していくという視点も必要です。

不登校児の家族に対する支援

不登校児の家族は、不登校児と同じかそれ以上不安な気持ちや苦しさを抱えている可能性があります。

不登校児を支えているのは不登校児の家族であることが多いです。家族が倒れてしまうと不登校児が不登校状態から抜け出せるきっかけが作れません。不登校のお子様の為にも保護者様や家族が元気でいる必要があります。その為、不登校児の家族の支援も重要となります。

出典:不登校への対応にあたって(5つの視点)

元不登校の私や家族が利用した3つの社会資源

では最後に元不登校だった私が使った社会資源についてご紹介します。

外部の習い事

私は外部の習い事に行くことで、不登校状態ではありましたが外出することができました。

その習い事では私自身を丸ごと受容してくれる先生がいたため、私自身が不登校だった時も、自己肯定感を失わず過ごすことができました。

不登校の状態となっても、家族や学校の人以外で繋がれる他人がいるとお子さまにとって刺激になります。

もちろんお子さまとの関係性や状況によりけりではあるので、もし悩んだ場合は、スクールカウンセラー等の相談員に相談したうえで外部の習い事を検討するとよいでしょう。

自助グループ

自助グループとは、「共通の問題や悩みを抱えた人が集まり、当事者たちで自主的に運営している集団」のことを言います。

私が不登校になり、私の将来で悩んだ母が不登校の親の会で自助グループと関わり、話を聞いてもらっていました。実際に不登校を解決した方とも話すことが出来、将来に対して希望が持てたとのことでした。

学校のスクールカウンセリング

不登校中の私の母がスクールカウンセリングを受けていました。

母は私が不登校になったことで生じた不安や悩みを私にぶつけるのではなく、まずカウンセラーの先生に話すことで気持ちの整理をしていたそうです。

実際に不登校当事者が通うことが出来ない場合も、家族がカウンセラーと繋がっているだけでも必要な制度を知ることができ、話を聞いてもらい不登校児と関わる家族が孤独感を感じず、ストレスを軽くすることが出来ます。

まとめ

  1. 不登校に対して文部科学省では登校する事を不登校の解決とせず、不登校児が最終的に社会で自立して生きていける様にどのように支援するか?という視点でサポートが行われています。
  2. 不登校児に対してだけでなく家族に対する支援を行うことも重要です。
  3. 不登校児を支援するために多様な機関が協働して働いていくことが大切です。

 

不登校を解決するにはご家族の方のサポートが必ず必要です。ただ、不登校になってしまう原因は様々で複合的な要素があることから、解決