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不登校になる子はHSPがある?HSPチェックリストと必要なサポートの一例

HSPとは、『ハイリー・センシティブ・パーソン』の略で、『とても感受性が高い人』のことを言います。

人一倍傷つきやすかったり、お友達に言われたことがずっと気になって頭から離れないことはありませんか?

HSPのお子さま(HSC)にとっては些細な事が不登校のきっかけになることがあります。

 

今回は大学で臨床心理学を専攻し、元不登校の経験がある私からHSPについて解説し、私が実際に不登校の時に感じていたことや、社会復帰のきっかけになった出来事をご紹介します。

不登校で悩んでいらっしゃる保護者様やお子さまにとってこの記事が何かのきっかけになれば幸いです。

参考:最近よく聞く“HSP”ってなんですか?|創価大学教育学部 専任講師 飯村 周平(いいむら しゅうへい)

 

1. HSP・HSCと不登校について

では早速HSPについて解説していきます。

HSPとは、Highly sensitive personの頭文字を取った略語で環境の小さな変化に気づきやすく、初めての場面に緊張しやすく、感情の振れ幅多い傾向がある性質をもった人のことです。

HSPを持つ子どものことをHSC(Highly sensitive child)と言います。

HSPの発祥はアメリカの臨床心理学者「エレイン・アーロン」が発表した一般書をもとに広がりました。HSPは心理学が発祥の言葉で精神疾患の診断基準には掲載されていないものの、アメリカの臨床心理学者の中でも研究が徐々に進んでいます

 

HSPを抱える方の中には、繊細過ぎるがゆえに「生きにくさ」を日々感じている場合があります。

微細な刺激に対して敏感で刺激過剰になりやすいため、抑うつや不安を感じる頻度が高く、気持ちが落ち込んでしまうことが多い傾向があります。特に多感な小・中学生の期間は、HSPがあるからこそ、毎日の学校生活の中で些細な変化や刺激に疲れてしまい不登校となってしまうのです。

 

その一方で、共感性も高く、創造性が高くHSPを抱える方の中には、相手が表明していない思考や感情を即座に読み取る強みを持った方も多いと言われています。繊細で共感性が高く、物事を深く考えることが出来る強みを持つ方もいます。

「うちの子HSPがあるかもしれない…」とご不安に感じる保護者様に簡単なチェックリストを載せさせていただきます。

こちらは、「このような傾向がある子がHSPかもしれない」と思われる内容を書いています。

お子さまの言動を見ながら、参考にして頂けましたら幸いです。

「エレイン・アーロン(1996年)」による27項目のチェックリストを元にしたHSPチェックリストは以下です。

 

HSPのチェックリスト

1. 私は強い感覚刺激(視覚・聴覚・嗅覚・触覚)に簡単に圧倒される。

2. 私は自分の環境の微細な部分に気付いていると感じている。

3. 私は周りの人他人の気分は、自分に影響を与える。

4. 私は痛みに非常に敏感である。

5. 私は忙しい日々の中で、寝室や暗い部屋、あるいは刺激がない場所と自分の私的な空間を持つことができる場所にいる必要があると感じる。

6. 私はコーヒーや紅茶などのカフェインに敏感に反応する。

7. 私は明るい光、強い匂い、粗い布、大きな音等に簡単に圧倒される。

8. 私は豊かで複雑な心の一面(内面)を持っている。

9. 大きな音には不快感や不安感を持つ。

10.芸術や音楽にとても感銘を受ける。

11.時々神経が疲れ果て、独りになりたい時がある。

12.自分は誠実な人間である。

13. 私は驚きやすい。容易にびっくりする。

14. 私は短時間にやることが多いと混乱してしまう。

15. 他の人が環境を不快と感じている時、他の人にとって何が不快でどのようにその不快感を緩和できるか、察知できることが多い

16. 一度に多くのことを頼まれると混乱してしまい心が乱れる。

17. ミスや忘れ物をしないように細心の注意を払っている。

18. 暴力的な映画やテレビ番組は避けている。

19. 周りで色々なことが起こると、不安な気持ちになる。

20. お腹が空いていると、集中力や気分が乱れる。

21. 生活の変化に敏感で動揺する。

22. 繊細な、あるいは上質な香り、味、音、芸術作品に気付き、それ自体を味わうことが出来る。

23. 一度に多くのことが起こることをイライラしてしまう。

24. 混乱した状況に自ら陥らない様に、生活を調整することを優先している。

25. 大きな音や混沌としたシーンなど、激しい刺激は苦痛を感じる。

26. 競い合い、見られることで緊張し動揺し、いつもの力が発揮できない。

27. 子どもの頃、自分は両親や先生から敏感な人、内気な人と見られていたと思う。

参考:Are You Highly Sensitive?

 

こちらのチェックリストで14項目以上当てはまる場合、HSPの可能性があります。

※もちろんHSPは精神障害では現状無いため、あくまでその傾向があり、お子さまの心境を考えるための手段としてご確認ください。

 

2. HSPで不登校になったお子さまに必要な3つのサポート

では続いてHSPを抱え、不登校になってしまったお子さまの支援の一例をいくつかご紹介させていただきます。

 

①HSPを抱えるお子さまが安心して表現できる場になる

HSPを抱えるお子さまの中には、他者の感情を機敏に感じ取ることが出来る為、HSPを抱えるお子さま自身が安心できる空間にいないと疲れ、抑うつ状態になることがあります。安心できる空間で過ごせることが、お子さまにとって良い状態なのです。

以前私も不登校を経験しましたが、不登校の時に、以前の私と変わらずに接してくれたピアノ教室の先生に救われた経験があります。私の感受性の強さを抑えこむのではなく、安心できる空間の中で伸ばしてくださったからこそ、自分の気持ちを整理し、表現することができました。結果的に、時間はかかりましたが元気を取り戻し、後に社会復帰が出来たのだと思います。

 

②お子さまが「好き」、「得意」を通して自信をつけられる経験をする

私が不登校だった時、不登校から社会復帰したきっかけがピアノ教室での発表会でした。

私が幼いころから中学校の卒業までの期間に通っていたピアノ教室では、1人の先生が複数名の生徒たちを教えていました。

ピアノ教室では先生が私に向き合ってくれ、私に合う曲を選曲してくれ、発表会に向けて練習してきました。

もちろんレッスンを受ける中で厳しいことを言われることもありましたが、徐々に弾けるようになったため達成感があり楽しかったことを覚えています。

 

私たちのピアノ教室では、定期的に発表会が行われていました。

その発表会では、生徒である私たちにも小さな役割を与えてくれ、運営の手伝いをさせてもらえます。

私の役割は、自分よりも年下の生徒たちに発表会を運営する上で必要なことを教えることでした。私は人に物事を教えることがもともと好きだったので、自己肯定感が上がった気がします。

自分の好きなことで、誰かの役に立てたこと、誰かと繋がれたこと、楽しい気持ちを共有できたことを通して、「もう1度社会に戻ろう」と感じることができ、猛勉強の末高校入試を突破し無事高校に進学することができました。

自分が得意としていることで、他人に役に立てた経験が、私の不登校から脱出するきっかけとなったのだと思います。

 

③学校復学をゴールにせず、お子さまの将来必要なものを見つける

私は中学の時に不登校になりました。

最初の頃、両親は焦っていましたが、様々な人に相談する中で、「中学では不登校のままでいい。その代わり、将来自立できるように好きなものを見つけてほしいし、将来の夢が見つかったときに困らない様に勉強は続けてほしい」と私に伝えてくれました。

 

そのため、私は前述したピアノ教室に通い、自分が好きな英語は勉強を続けていました。

英語を使った翻訳家のような仕事であれば、中学生の私の気持ちは「自分のペースで仕事ができるのでは?」と感じていました。その為、英語だけは毎日欠かさず勉強を続けていました。

 

自分が高校に行きたいと感じた時、英語をコツコツ勉強してきたことで高校入試を奇跡的に突破することが出来ました。

不登校になったお子さまを見ている保護者様からすれば、「学校に戻ってほしい」と感じる部分もあるかもしれません。

しかし不登校でHSPを抱えているかもしれないお子さまにとって、学校に戻ること自体が非常に負担となる可能性があります。

その為、お子さまの将来を思い描きながら何ができるか考えることが大切だと思います。

 

3. まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。最後に今回の記事をまとめます。

1.HSPとは、「HSPは『ハイリー・センシティブ・パーソン』の略で、『とても感受性が高い人』」のことを言い、些細な環境の変化によって抑うつ感を感じる可能性があります。

2.不登校になり、HSPを抱えるお子さまに対しては、安心感のある環境で感情を出せる様に支援しましょう。

3.学校に戻ることをゴールとせずお子さまにとって将来必要なことを考えながら、本人が好きなことにチャレンジさせてあげてください。

私たちは不登校になったお子さまや保護者様の力になりたいと思っています。

不登校のことでお悩みがありましたら、是非お気軽にご相談ください。